丹後広域振興局

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大手川だより19号

大手川(下流)の整備イメージ

第3工区の用地契約会が開催されました。

8月2日の16時から20時に上宮津公民館で第3工区の用地契約会が開催されました。
今回は大手川第3工区(大手川:大橋から2級起点、今福川:大手川合流地点からKTR)に係る用地買収のため、用地のみ(更地)の地権者の方には用地契約を、また、事業用地に隣接する関係者の方には境界確認手続を、それぞれお世話になりました。
40名を超える多数の皆様に集まっていただき、第3工区の約35パーセントの用地契約をいただくことができました。
今後は、契約用地の登記に向けた手続を進めるとともに、早期の工事着手に取組んでいきたいと考えておりますので、引き続き関係者の皆様には御協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

「大手川探検隊」の皆さんと現場を歩きました。

8月2日の9時から11時30分に、宮津美しさ探検隊が主催する「大手川探検隊」が開催されました。今回は14名が参加され、大手川の第3工区を約2時間かけて探索されました。
当日は、気温が35度まで上がる暑い日でしたが、大手川改修計画についての疑問や御意見、また、昔の大手川についての思い出話もたくさん出ました。このような機会でのご意見・ご感想を今後の川づくりに活かしていきたいと思います。

大手川探検隊の探索状況(その1) 大手川探検隊の探索状況(その2)

工事の進捗状況について

(1)湊橋から下流の工事について
護岸の矢板の打設作業は完了しました。
今後は、本格的に浚渫作業に着手し、流下能力の向上を図ります。

(2)湊橋~大手橋の工事について
湊橋から新大手橋の左岸側、新大手橋から大手橋の右岸側の矢板の打設作業は、おおむね完了しました。
今後は、残りの矢板の打設作業を行う予定ですので、引き続き通行規制などご協力をお願いします。

(3)第2工区の堤脚水路工事について
引き続き水路の設置工事を行っていくとともに、一部区間において築堤工事に着手します。

コラム

多様な生態系の重要性について(その1)

野生生物、土壌、水、大気および太陽光といった5つの要素が、相互に関わり合って成り立っているものを「生態系(せいたいけい)」と言います。
河川において、「生態系の保全」というと、主に魚類を中心にイメージされると思いますが、一言で「魚」といっても色々な種類があります。生息する場所、産卵場所も違えば、エサの内容も違います。生息に適した水温もそれぞれです。

例えば、アユを保全するとします。アユは、川と海を行き来する回遊魚(かいゆうぎょ)のため、川の途中に落差があっては駄目です。川に遡上(そじょう)したアユは石などの表面の付着(ふちゃく)藻類(そうるい)(カワゴケ)を食べます。昼間はこれらのある瀬にいますが、夜は淵に移動して休む場合もあります。産卵は砂礫(されき)底の瀬で行います。このように、単にアユを保全すると言っても、そこにある多様な環境を保全しないことには、アユを保全することにはなりません。

つまり、“現在”もしくは“過去のある時期”における、瀬や淵、よどみ、河畔林(かはんりん)などの多様な環境すべてを保全することで、そこにいる魚類を始めとする生物を保全することになるのです。
もちろん、すべての環境を保全することは不可能です。大手川においても可能な限り良好な河川環境を保全したいと考えています。また、保全できなかった環境も再生できるように、取り組んでいきたいと考えています。

では、何故生態系の保全が重要かと言いますと、我々人間もその生態系の一部だからです。人間が生きていくためには、食物だけがあればいいと言う訳ではありません。例えば、雨が降るとその水は山に蓄えられ、徐々に川に流れ込みます。地球温暖化の一因と言われる二酸化炭素の吸収・貯蔵を森林がしてくれています。森林は土壌が一気に川に流れでないようにしてくれたりもします。一方で、森林を維持するには大気、太陽光、水が必要であり、一部の森林においてはそれを維持管理する人間も必要です。川は森林が作りだした水や土を海に送りこむ役割を持つとともに、そこにある美しい環境は日本の原風景として人々の心を癒(いや)し、釣りやカヌーなどのレクリエーションの場を提供したりもします。

つまり、人間が生きていくためには、物質的だけでなく、環境的、精神的な意味で生態系を守る必要があるのです。
次号では、大手川における生態系保全の具体的な取組について報告します。

河川用語集

【わんど】

「わんど」とは、川の本流とつながっているものの、本流から離れて河川敷内にある止水域(池のように水の流れがほとんどない水域)のことです。

「たまり」とは、本流から離れて河川敷内にある止水域ということでは「わんど」と同じですが、四方を陸地や砂州で遮断され、本流とつながっていないもののことをいいます。

「わんど」や「たまり」は、緩やかな水の流れを好む動植物の生息環境として重要です。特に泳ぐ力の弱い小型の魚や幼魚などにとっては、大変重要な環境であると言えます。特に有名なわんどとしては、淀川のわんどが上げられます。

大手川の中流部では、極端に蛇行した区間を改修することにより残る旧河川部分の有効活用の手段として、「わんど」や「たまり」などの整備を検討しています。


わんどの事例 一級河川揖保川(兵庫県) 国土交通省河川局ホームページより

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