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地球温暖化対策プラン検討会議の開催結果について -

 京都府では、地球温暖化対策に係る当面の重点対策を検討するため、地球温暖化対策プランを策定することとしております。

 平成19年度は、下記のとおり検討会議を開催し、現在中間案を取りまとめ府民の皆さまの意見等を募集しております。

第1回検討会議

  • 日時:平成19年7月5日(木曜日) 午前9時30分から午前11時30分まで
  • 場所:京都府立総合福祉会館(ハートピア京都)第5会議室

開催結果

平成18年度地球温暖化対策プランの総括を行うとともに、19年度プランの新規検討項目である京都版エコポイントシステムについて、ワーキンググループを設置し検討を進めることについて諮り、了承を得た。

【主な意見】(「⇒」事務局回答)

  • 18年度プランで検討・実施となっている省エネアドバイザーとは、具体的にどのような制度であるのか。
    ⇒ エネルギー管理士等の有資格者や、企業での省エネ管理経験等のある方々を京都府が省エネアドバイザーとして登録し、府職員と一緒に条例に基づき削減計画書を提出している特定事業者等を訪問し、助言等を行う制度である。
  • 東京都では、都内の大企業を中心に標準的なCO2排出量モデルを作成し、業者指導に活用し始めている。今後の企業向け対策については生産量や床面積等をベースにした標準的な排出モデルを設定し、企業に取り組みの促進を求めることが必要になるのではないか。
    ⇒ 検討してまいりたい。
  • 18年度プランではセンターの機能強化が不十分となっているが、どこが足りないのか。
    ⇒ 北部拠点の整備について、運営主体や場所の選定等の調整がつかなかったことを踏まえ、不十分という評価をしている。今年度については、府内各地域の推進員を活用し地域活動とセンターの連携機能をさらに向上させる方向で重点対策を検討できればと考えている。
  • 地域協議会への支援について、18年度プランの進捗状況について実施済となっているが、具体的にはどのような取り組みを実施されたのか。
    ⇒ 次のような事業をセンターへの委託事業の中で実施している。

(1)情報提供支援

(例)八幡市の保育園で取り組まれたグリーンカーテンの取り組みを実施マニュアルとして取りまとめ、各地の地域協議会や推進員に配布。これによって木津川市にも取り組みが広がった。

(2)地域いきいきプロジェクト

(例)センターとの協働研究という位置付けで、地域協議会向けにモデル事業を募集。3件の事業に対して助成金を交付。

  • KTRの利便性向上については、18年度プランの評価では不十分となっているが、何か具体的な対策案はあるのか。
    ⇒ KTRの利便性向上に向けて地元の協議会を立ち上げるなど、庁内で様々な対策案を検討されているが、具体化にはいたっていない。
  • ごく一部の都市部を除いてKTRを含めた公共交通機関の利用が進まない原因は家から駅までの距離が離れていることにある。地球温暖化対策だけではすまない課題であるが、究極的には自動車がなくても住めるまちづくり(コンパクトシティー)を目指し、駅周辺の住宅整備を進め、補助金等を交付して周辺に点在する集落から移住させるようなドラスティックな対策が今後求められるのではないか。都市がコンパクトになれば道路整備やごみ収集などの行政コストを低く抑え、移住を進めるための補助金を捻出することも可能なのではないか。
    ⇒ 関係部局と連携して検討してまいりたい。
  • プランにおける目標指標についてはCO2ベースでの数値目標をいれるのが望ましいのではないか。
    ⇒ CO2ベースの数値目標については、環境審議会地球環境部会でも一定評価を行っているが、数値化できるものとできないものがあり、評価方法について引き続き検討したい。
  • 環境産業の育成について、関連プランのエココンソーシアムの検討とあるが、具体的にはどのような内容であるのか。
    ⇒ 商工部局と環境部局が一緒になって検討を進めているものであり、大枠で言えば京都企業の持つ環境技術を生かして環境に良い商品やサービスの提供を図っていく連携組織のイメージ。
  • 新規検討項目としてあげられているエコポイントシステムについて、中小企業の取り組みも対象にできないのか。(例:天然ガス車への乗り換えなど)
    ⇒ 今後の検討課題としたい。
  • ポイントの認証交付を行う第三者機関のイメージはどのようなものか。
    ⇒ 具体的なイメージはまだないが、クレジットカード等の既存のシステムを活用など検討していきたいと考えている。
  • 昨年度センターが実施した「エコ貯」のポイントでは、京都市以外の地域の取り組みについてあまり配慮されていない印象を受けた。ポイントが50円割引であれば、わざわざ交通費を出して京都市内で利用したいとは思わない。エコポイントシステムでは市外の地域にも配慮いただきたい。
    ⇒ 検討していきたい。
  • また、家庭のCO2削減だけではお買い物をするのに十分なポイントがたまらずにやる気をなくすケースも出てくる可能性があることから、ポイントの使い方として地元のNPO等に寄附し、寄附を受けたNPO等が雨水タンクの設置や生ゴミ処理機の購入などに使って、地域に取り組み成果を還元するような方式も合わせて検討するのも面白いのではないか。
    ⇒ 検討していきたい。
  • レジ袋削減などでもポイント制度などの取り組みが拡大しつつあることから、家庭のCO2削減についてもポイント制度の導入を検討することは意義があるものと思われる。

資料

出席者名簿

氏名

所属

郡嶌 孝  同志社大学経済学部教授
浅岡 美恵  特定非営利活動法人気候ネットワーク代表
川端 一彌 環境カウンセラーズ京都
木原 浩貴 京都府地球温暖化防止活動推進センター
竹村 光世 京のアジェンダ21フォーラム コーディネーター
西澤 浩美

木津川市こどもエコクラブサポーターの会

事務局長

吉川 榮和 京都大学名誉教授
泉 正博 関西電力株式会社環境室環境部長
大西 啓子 きょうとグリーンファンド
白木 一成 大阪ガス株式会社エネルギー事業部計画部

(環境・エネルギー政策担当)部長
田中 四郎 田中技術士事務所・環境カウンセラーズ京都
中川 大 京都大学大学院工学研究科教授
茨木 信也 社団法人京都府トラック協会総務部長
酒井 弘 株式会社まち創生研究所代表取締役
山本 昇

大阪ガス株式会社エネルギー開発部

天然ガス自動車推進プロジェクト部普及チームマネージャー

 ※敬称略

第1回京都版エコポイントシステムWG会議

  • 日時 : 平成19年7月26日(木曜日)午後1時~4時
  • 場所 : 京都府立総合社会福祉会館(ハートピア京都)視聴覚室

開催結果

19年度地球温暖化対策プランの新規重点施策案である「京都版エコポイントシステム(仮称)」について、(1)事務局からの制度概要案の説明、(2)「PiTaPa」の仕組み紹介、(3)「KICS」の取組紹介の後、意見交換を行い、課題の抽出を行った。

【制度概要案】

  1. 家庭での省エネによるCO2削減に対してクレジットカード等での公共料金(電気、ガス)決済時にエコポイントを交付
  2. 協力店での商品購入(カード決済)時にエコポイント使用
  3. 協力店は取得したエコポイントをクレジット決済時に換金
  4. 運営機関はエコポイント決済システムをクレジットカード会社等に委託
  5. 運営機関はエコポイントを企業に販売
  6. 企業は、購入したエコポイントを、[A]府条例の削減計画書上で削減量としてカウント、[B]自社商品等に乗せて販売、のいずれかに使用

<システムフレーム(素案)> 

【PiTaPaの概要】

株式会社スルッとKANSAIが発行、運営する交通系ICカード。カード1枚で関西の主要な交通機関、ショッピング、グルメ等の支払に使用できるIC決済サービスを提供。個人特定が可能で利用代金後払い方式であることから、利用状況に応じたポイントサービスが可能。

【KICSの概要】

 京都の主要な商店街振興組合、商工関係の協同組合等により構成するKICS協議会が発行、運営するクレジットカード。平成18年度からスルッとKANSAIのPiTaPaやJR西日本のICOCAなどの交通系ICカードと連携し、鉄道を利用して来店し、商品を購入した方への鉄道料金キャッシュバックを行う「レール&ショッピング」を展開。


【制度導入に関わる課題】

  • エコポイント運用システムとして、「PiTaPa」「KICS」等の既存電子決済システムとの連携・活用が可能かどうか。 
  • 企業にとっての参加メリットをわかりやすく説明するにはどのような工夫が必要か。 
  • エコポイントの対象に、電気、ガスの他、水道や公共交通機関(鉄道、バス)利用を含むかどうか。
  • エコポイントの「CO2」及び「円」への変換レートをどのように設定するか。 
  • 電気・ガス使用量でポイントを決めるのか、料金にするのか。
    ⇒ 料金、使用量は、気候、家族構成等の外的要因によって変動するため、家庭のCO2削減努力が反映されないことがあることに留意すべき。 
  • システムを安定的に運用・維持するための収益モデルをどのように作るか。 

【その他検討すべき課題】

  • 誰もが利用できるシステム、参加しやすさへの配慮 
  • 取組成果を「見える化」するための、使用量をリアルタイムでモニターするシステム 
  • 京都市へのWG参加呼びかけ

資料

出席者名簿

氏名

所属

伊東 真吾 京都府地球温暖化防止活動推進センター 事務局長
寺井 太郎

株式会社スルッとKANSAI営業企画ビジネスサークル

ソリューション事業 担当部長

佐野 仁彦 オムロン株式会社エネルギーマネジメント事業開発部 部長
白木 一成 大阪ガス株式会社エネルギー事業部 計画部長
竹村 光世 地球温暖化対策プラン政策検討メンバー
谷口 正克 社団法人京都工業会 業務推進役
長田 晃一 関西電力株式会社お客様本部営業計画グループ 課長
樋爪 保

四条繁栄会商店街振興組合

情報化システム委員会 委員長

丸山 郁夫 株式会社高島屋京都店営業企画 担当次長
宗田 好史 京都府立大学人間環境学部 准教授
横森 大典 日本政策投資銀行関西支店企画調査課 調査役

 ※敬称略

第2回検討会議

  • 日時:8月27日(月曜日)午前10時から正午
  • 場所:京都府福利厚生センター 第3,第4会議室

開催結果

第1回検討会議の検討結果を踏まえ、とりまとめた重点施策(案)について、事務局より資料1について説明した後、各委員による検討を行った。(*主な発言は次のとおり。) 

  • 住宅用ソーラー発電導入都道府県の上位はどこか。
    ⇒ 佐賀県、熊本県、宮崎県、長崎県、滋賀県がトップ5で、京都は現在35位である。
  • 京都府が1位になるためには、何戸の設置が必要になるのか。⇒ 約20,000戸の設置が必要となる。現在の府内の設置数は約7,000戸。
  • 学研都市におけるソーラー街区では何戸の設置を検討しているのか。
    ⇒ 約300戸である。モデル地区として他地域への波及効果を期待している。
  • 街区への重点的な導入促進はよいことであるが、具体的にはどんなスキームで導入促進を図るのか。
    ⇒ 現在のところは当該街区のデベロッパーにソーラー設置を依頼しているものであり、住宅販売価格に上乗せされることから、購入者負担による導入促進となる。
  • 補助金等の具体的な支援策がないと、導入促進は難しいのではないか。
    ⇒ 設置支援を行うための補助制度等については色々と検討を進めているが、設置費用補助については、個人の資産形成につながるものであり、難しい側面がある。
  • 九州地域でのソーラー導入が進んでいる背景には九州経済産業局が地域の電力会社を含む多層的な企業で構成するコンソーシアムを立ち上げて旗振りをしていることがある。
  • 新たなソーラー設置補助を検討するのであれば、住宅新築時に行うものが望ましい。改築時や既存住宅へのソーラー設置は新築時の設置に比べてコストがかかるため、少額の補助制度を作ってもコスト面で設置を見送られることが多いのではないか。
  • 個別住宅への補助制度の検討もさることながら、関西には大手ソーラーパネルメーカーや住宅メーカーの集積があることから、これらメーカーを巻き込んだ大きなフレームでの設置促進方法を検討するべきではないか。
  • 我が国の新築住宅供給の現状では、住宅は「建てる」ものではなく「買う」ものになっている。ソーラーパネルの付いた住宅を省エネ性能が高くて、電気代が安くなるエコ商品として、消費者である主婦に訴えかけていくことが重要ではないか。
  • 資料にある「知恵と文化の住宅」の詳細はよくわからないが、例えばソーラーパネルの付いた住宅の普及で考えれば、省エネマイスターなどを活用して、ソーラーパネルの付いた住宅を省エネ家電などと同じように「ランニングコストを含めるとお得な住宅」という情報を繰り返し伝え、消費者の住宅に関する意識を変革させるものになるのではないか。
  • 太陽光パネルの現在の平均的な設置コストと耐用年数は一般的にどれくらいか。
    ⇒ 1KWが約60万円で、平均的な家庭に設置するケースで約200万円が必要となる。システム全体の耐用年数は短くて20年くらいと言われており、補助金なしに電気代削減分と売電料で回収しようとすると約27年かかるため普及がすすまない原因となっている。
  • 家庭用ソーラーシステムを京都府が購入し、家庭にリースするような仕組みが面白いかもしれない。
  • ソーラーパネルの一番の設置促進策は、余剰電力の買い取り単価の引き上げである。現在日本では1kwhが約20円で買い取られているが、ドイツでは約75円であり、これがドイツをソーラーパネル導入量世界一に引き上げた原動力となっている。
  • 関西電力でも、太陽光パネルを設置された家庭から、売電単価と同じ23~24円/1kwhで余剰電力を買わせていただいている他、グリーン電力基金を設立して市民の方々の寄付額と同額を寄附させていただくなど、太陽光パネルの設置促進に協力している。
  • 太陽光による余剰電力の買い取り単価については、ドイツまでとはいかなくとも、せめて現在の倍にしていただきたい。
  • 太陽熱温水器の普及が日本で進んでいない背景には、昨今の住宅における給湯システムがオート制御になっているため接合が難しいという要素がある。大阪ガスで給湯システムの関連会社に働きかけをして、太陽光給湯器が取り付け可能な給湯システムを開発していただければ、普及が進む可能性がある。
  • 太陽光パネルの支援策について、個人の資産形成につながる補助金が全くダメなわけではなく、慎重であるべきという意味であるから、温暖化対策としての太陽光パネル普及拡大が持つ意義と、その手法の合理性について論理的に整理をすれば、補助は可能ではないか。
  • 資料では、公共交通の利用促進策が弱い印象を受けるがどうか。
  • 公共交通機関の利用促進と併せて自動車交通対策を検討する必要がある。例えば、高速道路と下道が並行して走っている地域において、高速道路が有料で下道が無料であるため、下道に通過交通が集中して渋滞を引き起こしているケースをよく見るが、このような地域において下道利用を有料化(ロードプライシング)して、高速道路を無料開放すれば渋滞による燃費の悪化を回避することができる。
  • また、幹線国道沿いには旧街道が並行して走っており、現在は生活道路になっているが、これを自転車専用道などに切り替えれば、自転車による高速移動が可能となり、自転車利用が促進されると考えられる。
  • 旧街道を自動車の走れないコミュニティロードにする施策は、国土交通省が取り組んでおり、本来は都市計画部局が取り組むべきことであるが、温暖化対策としても重要な施策である。
  • 下道利用へのロードプライシングではないが、高速道路の利用料金の引き下げによる渋滞緩和策については、既に府内でも取り組まれている。京都縦貫自動車道でも利用時間帯による半額化の社会実験を進めており、これら施策との連携も視野に入れるべきである。
  • 公共交通機関の利用促進を検討する際には、必ず自動車を極力使わなくても暮らせるまちづくり(コンパクトシティ)の視点が必要になると思われる。これまで無秩序に郊外に移転させていた学校や病院などの公共施設を、都心にコンパクトに集積させるように誘導する施策がなければ、公共交通の利用促進による運輸部門での抜本的な削減にはならないのではないか。
    ⇒ すぐにできる施策と、長期的な視点をもって進める施策を整理しなければならないと考えている。プランにおいては、当面の重点施策ということで、アイドリングストップの実効性を高めるなど、短期的な施策から検討できればと考えている。
  • 国の京都議定書目標達成計画の評価・見直し中間報告(案)にも「コンパクトなまちづくり」が記述されていることから、短期的には削減効果が期待できなくても「コンパクトシティ」に取り組んでいる姿勢を示す施策がすぐにでも必要ではないか。
  • ここ数年の間に京都府内でも多くの市町村が合併し、その結果、中心市街地が分散したため、都市計画区域が拡大しやすくなる傾向が見られることから、施策としてコンパクトシティに取り組み、最低でもこれ以上市街地区域の拡大をさせないように早めに手を付ける必要がある。理想を言えば、人口減少社会も視野に入れて、市街化区域を縮小するような逆線引も必要になってくる。
  • 市町村合併に当たって、例えば鉄道駅のある市町村を中心として、合併前に点在していた公共施設を集積させるような誘導策を検討できないか。
  • 主にトイレの水洗化の普及を図るために設計された国民生活金融公庫の生活改善貸付制度という10年間無利子・無担保の融資制度がある。簡単な手続きで借り入れが行えるものであることから、カウンセラーやマイスターを活用して家庭の省エネ改修を促進させるような仕組みができないか。
  • 環境教育の促進については、企業等が出前講座等で学校等へ行くよりも、学校版KESの取得を進めて、環境の意識の低い教諭の意識改革を図る方が効果的である。
  • 京都市内の小中学校が学校版KESの取得と併せてオムロンのエネルギー遠隔監視装置を設置し、一定以上のエネルギー使用量に達すると校長先生のポケットベルのアラームが鳴るシステムを導入したところ、エアコンの新設など増加要因があったにも関わらず電気使用量を削減することができたケースがある。
  • そのようなシステムの導入と併せて、電気使用量削減分の経費の半分を学校の独自予算に認める50月50日(フィフティ・フィフティ)制度を入れれば効果が高いのではないか。
  • グリーン電力の活用については、京のアジェンダ21フォーラムで、京都で作った自然エネルギーを証書化して買取るモデル事業を行う予定であり、連携できればよい。
    ⇒ 太陽光パネルによる発電は自然の恩恵であるということを、多くの方々に具体的な形で認識していただき、率先して導入していただいた方が報われるように配慮し、自然エネルギーの導入・活用を運動にしていく、という認識に基づき他自治体での先行事例を参考に活用策を検討していきたい。
  • 電力会社においては、舞鶴火力発電によるCO2増加分をオフセットすることをPRする形で、自然エネルギーの買取価格の上乗せを検討していただきたい。
  • ペレットストーブの利用促進策については、グリーンカーテンの取り組みと同じく、我慢をするエコライフではなく、楽しみながらより上質の生活を手にいれるポジティブなエコライフといえる。エコライフは豊かさを実現するために必要なツールであるという意識転換を図るには、有効な施策である。

資料

出席者名簿

氏名

所属

郡嶌 孝  同志社大学経済学部教授
浅岡 美恵  特定非営利活動法人気候ネットワーク代表
宗田 好史 京都府立大学人間環境学部准教授
川端 一彌 環境カウンセラーズ京都
竹村 光世 京のアジェンダ21フォーラム コーディネーター
西澤 浩美

木津川市こどもエコクラブサポーターの会

事務局長

泉 正博 関西電力株式会社環境室環境部長
白木 一成

大阪ガス株式会社エネルギー事業部計画部

(環境・エネルギー政策担当)部長

田中 四郎 田中技術士事務所・環境カウンセラーズ京都
中川 大 京都大学大学院工学研究科教授
茨木 信也 社団法人京都府トラック協会総務部長
酒井 弘 株式会社まち創生研究所代表取締役
山田 章博

京のアジェンダ21フォーラム

交通WG自転車タスクチーム

 ※敬称略

第2回京都版エコポイントシステムWG

  • 日時:8月29日(水曜日)午後1時から午後4時
  • 場所:京都府福利厚生センター 第3会議室

開催結果

京都版エコポイントシステムに係る提案を各委員から、導入に向けた課題整理資料を事務局から説明した後、意見交換を行った。

【委員提案1-要旨】

  • クレジットカードによる公共料金決済時に、料金削減分に対するエコポイント付与を行うシステムの提案。現在クレジットカードで公共料金を決済している割合は5%に過ぎず、70数%が銀行引き落とし、残りの20数%が現金支払いとなっている。しかし、日本におけるクレジットカード決済はほとんど全て銀行引き落としとなっていることから、銀行と提携クレジットカード会社が連携すれば、大半の府民を対象にできる。
  • システム実現は、2008年夏に外相サミットが京都で開催される時期に合わせて実施し、国内外に京都の取組をアピールしたいと考えており、早急に立ち上げる必要があることから、内閣官房などの中央省庁に協力を仰いで、このプロジェクトについての了解とお墨付きを得ることが重要である。


【委員提案2-要旨】

  • エネルギーの「見える化」によってCO2削減を進めるシステムの提案。電気メーターにカレントセンサーを付けて使用量データをPHSで転送し、モニター等で可視化するとともに、一定以上の使用量になった場合に携帯電話等でアラームで知らせる仕組みについては、既存技術の組み合わせである程度簡単に実現可。ガスや水道については、現段階では技術的に難しい部分があるため、環境省の補助事業などを活用して初期開発費を軽減する必要がある。
  • エコポイントシステムは省エネに対してポイント交付するものであるから、家庭は省エネし続けなければポイントを取得できない。「見える化」システムは、エネルギー使用のムラ、ムダを可視化できるものであるから、システムを永続化するために必要なシステムである。 

【制度導入に関わる課題整理】

 次の別添資料に基づき事務局から概要を説明。

(1) 他地域でのエコポイントに関する制度の課題[資料1]

  • 大阪府立産業開発研究所実施の地域通貨に関するアンケート結果紹介

(2) 導入シミュレーション[資料2]

  • 1世帯の年間排出量を4t-CO2、削減量を1割(400kg-CO2)と想定
  • 1kg-CO2のレートを10円に仮設定 ⇒ 400kg-CO2で4,000円

(3)京都版エコポイントシステムフロー(素案)[資料3]

  • 参加申込からエコポイント使用までのフローに関するイメージ資料

(4)エコポイントシステムアンケート調査結果[資料4]

  • エコポイントの必要性、CO2レートに関する推進員アンケート結果照会

【主な委員発言】

「見える化」について

  • 工場等の産業用電力とは異なり、家庭向け電力料金メニューには、ピークカットによる料金削減メニューはない。「見える化」によるデマンドコントロールをしても料金削減にはならないが、導入意義はあるのか。
  • 確かに家庭で電気使用量のピークを下げても電気料金は減らないが、「見える化」により無駄な使用状況が浮き彫りになることで、一層の節電による電気料金の節約効果が期待できる。
  • ガスや水道の「見える化」については、産業用は対応できるが、家庭用はメーターがパルス信号等を発信していないので、電気のようにカレントセンサーをつけてデータを転送するというやり方ができない。
  • ガスの検針について、自動検針のためのパルス発信器つきメーターというのはあるが、コスト的な面で検針員による検針の方が割安であったため一般家庭向けとしては採用を見送った経過がある。
  • 家庭でのCO2削減はエコポイントというインセンティブだけでは進まない。「見える化」とセットにしたシステムにして、何をすれば省エネになるのかを診断し、アドバイスできるものにするのが望ましい。
  • 「見える化」はエコポイントシステムを補完するものではあるが、新たな機器の導入を必要とするものであり、一気に導入するのは難しい。
  • システム導入の第一の目的が、家庭での省エネ意識の喚起のためのインセンティブ付与であることからすれば、スタート時は切り離して考えた方がよいのではないか。

エコポイントの交付方法及び価格設定について

  • 電気、ガス料金は契約種別毎料金設定が異なるから、その差分からCO2削減量を算定することはできないのではないか。
  • 前回の検討では、京都府独自の評価制度ということで、正確なCO2削減量にならなくとも料金から電気、ガスの使用量を逆算し、CO2換算するということであったが、電気、ガス料金は契約種別だけでなく、使用量によっても単価が細かく変わる。
  • 原油価格高騰を受けて、天然ガスの輸入価格が高騰していることから、電気、ガスともにかなり頻繁に販売価格改定を行っている。
    ⇒ 御指摘いただいた点については、今後具体的に掘り下げて検討していきたい。樋爪委員御提案のクレジット決済システムと連携したエコポイント付与システムの中で「料金→使用量→CO2削減量」にある程度正確に変換できるシステムを模索できればと考えている。
  • 資料の1kg-CO2=10円(1t-CO2=10,000円)でエコポイントを企業が買うのは難しい。EU等でのCO2クレジット価格がt-CO2で2,000~3,000円であることを考えれば、エコポイント購入による削減カウントが地球温暖化対策にどれくらい貢献するのか相当の理由を整理しないと、この価格では株主説明がつかない。
  • 企業は生産活動の増加によるCO2増加分についてのCSRの果たし方としては、当面、金銭でCO2クレジットを購入する形で対応するしかないと考えているが、1万円では無理。
  • 家庭での実際のCO2削減については厳密に考えずに、市場相場がt-CO2=2,000円であるならば、家庭で削減された2,000円の公共料金をt-CO2=2,000円で売ればすむ話ではないか。
  • 家庭での実際のCO2削減の裏付けがなければ、CO2をクレジットとして売ることはできないのではないか。
  • EUの市場価格であるt-CO2=2,000円でエコポイントのレート設定をすれば、400kg-CO2で家庭には800円のエコポイントとなるが、これでは頑張って省エネして1割CO2を削減しようとは考えないかもしれない。
  • エコポイント制度は京都府の条例で独自に削減量として評価する制度であるから、家庭での1t-CO2削減を割増して換算することで、企業がエコポイントを購入しやすくする方法が考えられる。例えば、家庭での1t-CO2の削減を企業には4t-CO2として売れば、1t-CO2当たりの購入単価は1月4日の2,500円になる。
  • 問題は、実際のCO2削減以上の評価を企業に与えることについて、環境保全に熱心な市民団体等の理解を得ることができるか、という点である。取組を進めにくい家庭でのCO2削減を進めるためにエコポイントを購入することが、地域全体のCO2削減を進めるに当たって割増評価するに値するといえる理由が整理できれば不可能ではないと考えられる。
    ⇒ バランスが難しいと考えている。京都府独自の制度であるから、家庭のCO2削減量の換算ルールについて独自設定は可能であるが、それでも府民、市民の賛同をえることができる範囲でなければならないと考えている。
     難しいかも知れないが、[A]CSRとしての削減量カウントだけでなく、[B]商品等にエコポイントを乗せて販売する方法、によって、企業がエコポイントを京都メカニズムのクレジットよりも割高で購入するインセンティブを作れないかと考えている。
  • 企業が商品等にエコポイントを乗せて販売する方法があれば、t-CO2=1万円でも購入インセンティブになるとはどういうことか。
    ⇒ 可能性としての提案であるが、[B]の手法でのエコポイントの購入は、企業が自社の商品販売促進ツールとして活用することを想定している。商品原価の中に含まれる販売促進費の一部をエコポイント購入に充てていただき、販売促進効果の中でエコポイント費用を回収していただくモデルができないかと考えている。
     エコポイントを使って販売促進をした企業には、一定割合で[A]CSRとして削減量にカウントするための購入が1万円であっても株主説明がしやすくなるのではないかと考えている。
  • イメージがつかみにくいので、もう少し具体的な事例で検討する必要がある。
    ⇒ 次回WGでは、検討資料を作成させていただく。
  • レート設定については、家庭に交付するエコポイント全てを企業が購入して負担するのではなく、エコポイント購入時に半分を企業が負担し、残りの半分はエコポイント使用時に協力店が負担する形で設定する方法も検討できるのではないか。
  • 心配なのは、エコポイントの使い道について 使い先をエコでないものにすると削減努力が帳消しになってしまう恐れがある点である。
  • 地域全体でCO2削減につながれば良いので、個々のエコポイントの使い道について制約を設けると、制度そのものへの参加が進まなくなる。

資料

出席者名簿

氏名

所属

伊東 真吾 京都府地球温暖化防止活動推進センター 事務局長
寺井 太郎

株式会社スルッとKANSAI営業企画ビジネスサークル

ソリューション事業 担当部長

佐野 仁彦 オムロン株式会社エネルギーマネジメント事業開発部 部長
白木 一成 大阪ガス株式会社エネルギー事業部 計画部長
長田 晃一 関西電力株式会社お客様本部営業計画グループ 課長
樋爪 保

四条繁栄会商店街振興組合

情報化システム委員会 委員長

丸山 郁夫 株式会社高島屋京都店営業企画 担当次長
宗田 好史 京都府立大学人間環境学部 准教授
横森 大典 日本政策投資銀行関西支店企画調査課 調査役

 

第3回京都版エコポイントシステムWG

  • 日時:9月13日(木曜日)午前10時30分~正午
  • 場所:京都府福利厚生センター 第5会議室

開催結果

委員から前回WGで検討を行った「見える化」システムに係る省エネナビについて説明を受けた後、京都版エコポイントシステムに係る第三者認証機関のあり方、エコポイント付商品の販売イメージについて事務局から説明。

その後、各委員との意見交換を実施し、地球温暖化対策プラン検討委員会に報告するための「システム概要」について検討を行った。(*主な意見は次のとおり)

【省エネナビについて】
 「省エネナビ」とは、現在のエネルギーの消費量を金額で知らせるとともに、利用者自身が決めた省エネ目標を超えるとアラームを発し、利用者自身がどのように省エネをするのか判断させる機器である。
 現在の「省エネナビ」は、料金単価、目標値、CO2排出係数を設定し、リアルタイムで電気使用量、電気料金、CO2排出量、熱量の概算をモニターすることができる。現在の単価は約5万円と高く、あまり一般には普及していないが、量産体制がとれれば単価が下がることはありうる。

【第三者認証機関について】
 第三者認証機関の機能、役割の整理を行うとともに、設立形態について、(1)匿名組合、(2)SPC、(3)LLP、(4)任意組合の4つの方法と、収支モデルについて、(1)家庭へのエコポイント交付と企業への販売レートを同一レートにするモデルと、(2)家庭へのエコポイント交付を企業への販売レートの1月2日にするモデルを説明。
 設立形態については、有限責任性であること、運営形態が機動性を持つこと等を考慮すると、(1)(2)での設立が望ましく、収支モデルについては(2)が望ましいことについて説明。

【エコポイント付商品販売イメージについて】
 別添資料に基づき、事務局から説明。商品等の原価に含まれる広告宣伝費の一部をエコポイント購入費に充て、商品に乗せて販売することで他商品等との差別化が図られ、販売促進に繋がるイメージについて説明。

【主な発言】
○第三者認証機関について

  • エコポイントをあらかじめ設定したルールに基づいて発行するのであれば、認証業務というのは発生しないのであるから、第三者認証機関という名称はおかしい。
  • 本来、認証に係るルール設定は行政の業務であり、ルールの検証や妥当性のアドバイスを行うのが第三者認証である。この度のシステムではそのような機能を第三者認証機関に求めておらず、エコポイントを企業に仲介・販売した資金の受け皿としての機能だけであるから、第三者機関又は運営機関と呼ぶのが適切ではないか。
  • 収支モデルの支出部分に広告宣伝や普及啓発費が計上されているが、エコポイント制度は家庭の省エネ促進という行政の政策に基づいて実施するものであり、普及啓発等は行政の業務であるのだから、第三者認証機関の支出に計上するべきではない。
  • また、運営に関する委託費についても、エコポイントを公共料金のクレジット決済に基づいて発行するシステムとするならば、クレジットカード会社にとっても会員拡大というメリットがあることから、運営機関を引き受けてもらえるように働きかけるべきではないか。そうすれば運営委託費については発生しない。
  • エコポイントの発行・決済システムについても、委託費で一括支出するのではなく、商品販売によって利益を得る商店、クレジット会社が利益の一部を負担し合う仕組みで回収する方法にした方がシンプルで良い。
  • 資金の受け皿として第三者認証機関を設置するのはやむを得ないとしても、モデル事業そのものは京都府の環境行政に係る業務であるから、エコポイントシステムのルール設定などの当面の業務については、京都府が事務局を引き受けて実施するのがよい。
  • モデル事業が採算に乗って本格的な実施の目処が付けば、その段階で運営機関を行政以外の団体に任せるのがよいのではないか。

    ○エコポイントのレート設定等について
  •  収支モデルに関するエコポイントのレート設定で、家庭への省エネインセンティブが高いとか低いという説明があったが、必ずしも1kg-CO2が10円ならば高くて、5円が低いということはないのではないか。
  • 現段階での一番重要な課題は、エコポイントを削減量として企業に買い取ってもらうことについての確証を取ることであるから、企業が購入するレートに設定しなければいけない。
  • 優良企業の多くは、すでに相当な省エネ対策を進めていることから、それら企業が今後も業績を伸ばしつつ環境に配慮するには、排出権購入などのカーボンオフセットにたよらざるを得ない状況になりつつある。京都府が公的にルールを定め、エコポイント購入によるカーボンオフセットの大義を示すことができれば、購入を検討する企業はかなりあるのではないか。
  • 制度の大枠でカーボンオフセットの大義を担保できるならば、エコポイントの交付レート等のルールはある程度ざっくりしていても、モデル事業として試行しながら不都合な部分を改めていけばよい。
  • しかし、家庭で省エネを進めていけば、徐々に省エネ余地がなくなっていくことから、 エコポイントの交付が難しくなっていく。システムを継続的に運用していくためにはある程度先を予測した制度設計にしなければならない。
  • 料金データから使用料データを逆算し、CO2の量を計算するような複雑なシステムではシステムの立ち上げに膨大なコストがかかる。料金削減分をそのままポイント化するのがシンプルでわかりやすい。
    ⇒ 企業はカーボンオフセット目的でエコポイントを購入するのであるから、料金削減分をそのままポイント化するとエコポイントのCO2単価はとんでもなく高いものになる。また、企業が買いやすい単価まで割増すると、エコポイントのカーボンオフセット価値を過大に評価した信頼性の低い制度となり、企業が購入するとは思われない。
  • 企業に売却するエコポイントのパイの予測もさることながら、エコポイントに対してどれくらい企業の需要があるのか皮算用をしないといけない。

    ○エコポイントの使用場所について
  • エコポイントの使用場所についても、制度に参加する協力店の確保を検討しなければならない。
  • KICSがシステムに参加すれば、加盟店1,200でエコポイントを使用することができるようになる。

    ○エコポイント付商品販売について
  • クレジットカードでは、商店と個人の特定までしかおこなえないから、個別の商品にポイントを乗せて販売するということは不可能である。
  • また、一般的な商店では、商品に乗せるエコポイント費用を自ら負担することは望まないだろう。
  • 個別の商品にポイントを乗せるには、POSシステムなどの商品管理システムなどで行わなければならない。流通大手でない商店街の商店では無理ではないか。

資料

出席者名簿

氏名

所属

伊東 真吾 京都府地球温暖化防止活動推進センター 事務局長
寺井 太郎

株式会社スルッとKANSAI営業企画ビジネスサークル

ソリューション事業 担当部長

白木 一成 大阪ガス株式会社エネルギー事業部 計画部長
竹村 光世 地球温暖化対策プラン政策検討メンバー
谷口 正克 社団法人京都工業会 業務推進役
長田 晃一 関西電力株式会社お客様本部営業計画グループ 課長
樋爪 保

四条繁栄会商店街振興組合

情報化システム委員会 委員長

丸山 郁夫 株式会社高島屋京都店営業企画 担当次長
宗田 好史 京都府立大学人間環境学部 准教授

第3回検討会議

  • 日時:9月14日(金曜日)午後2時~午後4時
  • 場所:京都府立総合社会福祉会館(ハートピア京都)第5会議室

開催結果

第1回、第2回の検討会議の検討結果を踏まえ、とりまとめた中間案(案)及び別途WGで検討を進めてきた京都版エコポイントシステム概要について事務局より資料に基づいて説明した後、各委員による検討を行い、了承を得た。(*主な発言は次のとおり。) 

  • 平成18年度の関西電力のCO2原単位(電力排出係数)は0.338t-CO2/千kwhであり、全国で最も低い係数になる。
  • また、京都議定書の第一約束期間におけるCO2原単位の目標数値として、0.282t-CO2を掲げており、全社を挙げて取り組み何としても達成したいと考えている。
  • 京都府内における舞鶴石炭火力発電についても、3%程度ではあるがバイオマス混焼に取り組んでいるほか、燃焼効率の更なる改善を図ることにより排出量低減に努めている。 
  • 学校版KESの導入は、どのようにして進めるのか。
    ⇒ 各府立高校の校長先生、教頭先生への説明会を開催し、学校版KESについて理解をいただくところから始めていきたい。
  • 業務部門の施策が弱い印象を受ける。
    ⇒ 今回のプランでは特に重点化すべき施策を取りだしたため記述量が少なくなった。これまでのプランに基づく施策についても引き続き実施していくことから、業務部門の施策が弱くならないよう配慮したい。
  • 大店法に基づく届出等のデータから見るとオフィス床面積は増加していないことから、業務部門における排出量増加要因は、業務時間の延長にある。
  • 業務部門だけでなく運輸部門においても、業務時間の延長による排出量増加の傾向は見られる。例えば、ガソリンスタンドの多くが休日も営業するようになった。
  • キリスト教圏の国では、休日に対する宗教的な倫理が強く働いていることが多く、ドイツなどでは「閉店法」という法律で休日営業が制限されているが、日本のように勤勉が美徳になる国では、営業時間について行政が介入しづらい部分がある。しかし、営業時間が延びるとエネルギー効率を高めても総量としては排出増につながることから、今回の重点施策にもあげられているライフスタイルの変革を促すような時間をかけた取り組みが必要になる。
  • 業務部門における排出量増加に対応するために、省エネ法に基づく届出の対象についても、これまで大規模事業所に限っていたものから、チェーンストアなど小規模事業所を数多く保有する事業者にまで拡大することが検討されている。
  • 業務時間の短縮の問題と重なるが、機器等の省エネ性能の向上だけでは図れない使用時における省エネを推進するには、省エネ機器の数値等の表示促進だけではなく、人の感性に訴える施策を強化する必要があるのではないか。エアコンを例にとって言えば、省エネ基準○○%達成とかコストが年間これだけ下がりますという数値情報しか提供されていない状況で、適正冷房温度の設定や使用時間の短縮が奨励されているが、「涼しさ」や「快適さ」という人間の感性は、使用状況や天候(湿度)などにより刻々と変化することから、一律の普及啓発では人々の意識改革につながらないのではないか。
  • 先日、京都の大学教授宅を訪問した時のことであるが、夏の暑い時期にも関わらずエアコンのない古い町家の一室に通され、暑くて大変だと感じていたところ、麦茶とスイカを振る舞っていただき、風鈴の音を聞きながら話をしている内に暑さを忘れていたことがある。「すいか」「風鈴」という昔ながらの涼しさを連想させるものが、暑いという意識を薄めていたのかも知れない。
  • 人々の感性と環境や経済を結び付ける議論は、経済産業省が審議会などで進められており、「環境価値化」「感性価値化」という言葉で提唱され始めている。このような切り口から、京都の知恵と文化を生かした施策を具体化することが考えられる。 
     

出席者名簿

氏名

所属

郡嶌 孝  同志社大学経済学部教授
川端 一彌 環境カウンセラーズ京都
竹村 光世 京のアジェンダ21フォーラム コーディネーター
泉 正博 関西電力株式会社環境室環境部長
白木 一成

大阪ガス株式会社エネルギー事業部計画部

(環境・エネルギー政策担当)部長

田中 四郎 田中技術士事務所・環境カウンセラーズ京都
茨木 信也 社団法人京都府トラック協会総務部長
山本 昇 大阪ガス株式会社エネルギー開発部

天然ガス自動車推進プロジェクト部普及チームマネージャー

 ※敬称略

お問い合わせ

総合政策環境部脱炭素社会推進課

京都市上京区下立売通新町西入藪ノ内町

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