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第6回締約国会議(COP6)でのステートメント

送付先

  • 気候変動枠組条約締約国(184カ国・1地域)他

会議に参加されている各国の皆様

“あと一カ月余りで新しい世紀を迎える私達は、21世紀を真に夢と希望に満ちたものとするため、今、何をなすべきか”
難しい数多くの課題に直面している私達は、この問いに真剣に立ち向かわなければなりません。特に、地球温暖化をはじめとする地球環境問題は、かつて人類が経験したことのない切迫したかつ根本的な最重要課題の一つです。私達は人類の存立を左右する地球温暖化問題を直視し、解決の道筋を明らかにして、21世紀を確実に展望あるものとしなければなりません。
このことは、21世紀を目の前にした、今を生きる私達の基本責務です。

今から3年前の1997年の12月、京都において開催された「地球温暖化防止京都会議(COP3)」において、人類の英知が実を結び、京都の名を冠した「京都議定書」が採択され、世界の国々と人々が地球温暖化防止のために協調して取り組んでいくための歴史的第一歩が切り拓かれました。この時から私達の険しくとも未来を創るための具体的挑戦が始まったのです。
私達は、京都の地において「京都議定書」が採択されたことに大きな誇りと責任を感じて、京都会議直後に「地球環境京都宣言」を世界に発信し、温暖化防止に取り組む様々な行動を直ちに開始しました。「京都議定書」が少しでも早く確実に発効するためには、我々としても目標化や実行できるものからやっていこうとの考えから、例えば、京都府、京都市とも10%を超えるCO2削減目標の独自の設定を行い、その実現のため、日夜、積極的に努力を重ねてまいりました。これらの取組の輪は着実に広がり成果を生み出しつつあります。

一方、私達の地域での取組は、地域に限定される等いくつかの基本的な限界が存在することは、紛れもない事実です。このような限界を認識しつつも私達は地域の安心、安全を確保し、住民の幸せを実現するために、地球温暖化防止に向けて、地域からも積極的に貢献したいと強く願うものです。
そのため、“地域が変わらなければ、地球温暖化問題は解決しない”との価値観の下に一人ひとりのライフスタイルを変え、社会システムを見直すために、地域として最善の努力を追求していこうと思います。
また、「京都議定書」に基づいた温室効果ガス削減のための具体的でわかりやすい国際ルールの確立を是非とも本会議(COP6)で実現していただきたい。そうすれば、それを手がかりに私達の地域での目標設定と達成のための行動プログラム等の地域での取組が地球全体の取組とつながり、地球温暖化防止に貢献できる展望が確実に拓かれ、地域での取組が更に広がっていくことでしょう。私達は今こそ、国、地方自治体、民間企業、NGO、国民等あらゆる主体によるパートナーシップの下、すべての英知と情熱を結集して人類の生存基盤を確実にするための地域展開を強めなければなりません。

未来は与えられるものではなく創っていくもの、そして子供達のものです。「京都議定書」の発効は、地球と人類との持続的発展を約束する、人類が達成すべき最低の条件であり、同議定書の発効を実現することにより、私達は未来への展望を拓き、子供達に確実な未来と希望とをプレゼントしなければなりません。

どうか各国におかれましては、これら私達京都の思いや願いを御斟酌いただき、御見識とリーダーシップを最大限発揮されて、地球温暖化を明確にくい止める内容で、一刻も早く「京都議定書」が発効されるよう本会議において積極的に寄与されることを心からお願いし、京都からのメッセージといたします。

2000年11月

京都府知事 荒巻 禎一
京都市長 桝本 賴兼
京都商工会議所会頭 稲盛 和夫

お問い合わせ

総合政策環境部脱炭素社会推進課

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