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秋山祐子さん (平成23年度修了生)

秋山祐子さんの作品写真作陶をはじめて10年

私が初めて陶芸に興味を持ったのは小学校2年生の頃。家族で青森旅行に行き、そこで初めて縄文土器を知り、手びねりでお皿を作った事から始まります。

今から思えば重くて無骨な使い勝手の悪い器ですが、ふにゃふにゃの土が硬いお皿になって返ってきた衝撃は今でも鮮明に覚えています。訓練校に入学したのはそれから20年後。入学当時27歳、クラスの中でも年上。なのに、陶芸に関して無知な私はとにかく焦っていました。

早く独立できるように残れる日は残って轆轤を買って家でも練習して…何かをしていないと取り残される気がして必死。だけど中々技術のあがらない自分にイライラしながら仲間と切磋琢磨しあう日々。そんな訓練生活でした。

そんな私が就職相談の日、先生に言ったのは「最短で独立できる道を進みたいです」もちろんそんな道はあるはずはないのですが、ただ、まだまだ実力が伴っていなかったのと課題の壺まで辿り着けなかった事もあり清水保孝先生を紹介していただきました。

そこでの生活はただただ必死に課題をこなしていた日々とは全く違って、自分で新しい作品を生み出す為に土、形、釉薬、技法、焼成全てを自分で考え、1つの作品を生み出す。綺麗にひける事だけが決して言い訳ではなく、全体のバランスや、独創性。…何度も自分自身について考えた2年間でした。まだまだ未熟な私でしたが、独立という夢に向けて資金を稼ぐため、弟子入り後は3年間訓練校で働かせて頂きました。

そしていざ独立できたのは訓練校を卒業して5年後。念願の独立…だったのですがその年に丁度、出産のタイミングを迎える事となり、作陶だけに没頭することは難しい日々となってしまいました。それでも諦めきれず、何とか合間をぬって頂ける仕事は全て受け、子育てと作陶、常に何かに追われていたような気がします。 そんな子育てをしながらの作陶にも少し慣れてきた現在、2人目を出産する事となり、今は再び子育ての日々を迎えています。

振り返ると、作陶でもがいていた日常が嘘みたいに頭の中は子供の事ばかりですが、今は陶芸と子供を絡めていかに楽しめるか。川に行ってたまたま見つけた粘土層に心が躍ったり、キャンプをしながら器を焼いてみたり、初めて陶芸に触れた日のように子供と陶芸を楽しんでいます。

そしてまた、少し手が離れたらこの気持ちを大切に背伸びしない自分らしい陶芸の形を築いていきたいです。

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