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陶校を卒業して10年…。二児の出産や育児休業などもあり、みっちり10年職人をしているわけではないのですが、10年という言葉の重みに少し自分で驚いています。
2012年に陶校の図案科を卒業した後、2013年に京薩摩を制作する”株式会社 空女” に絵付職人として就職し、現在に至ります。
絵を描くことを仕事にしたいと思ったのが20年ほど前の中学生の頃…。
ずっと続けたいと思える京薩摩、そして素晴らしい京薩摩の師匠に出会えたことに感謝しています。
在学中は絵付をすることがとにかく楽しく、描けば描くほど筆に慣れていく感覚には心が躍りました。その分、早く次の課題に進みたい!という思いも強過ぎたのでしょうか、今振り返ると少し丁寧さに欠けていたかもしれません…。
今でも陶校で作った器たちは家の食器棚にあり、日々の器として使っていますが、拙いなりにも楽しんで作っていたなぁと懐かしく思います。
当時1年ごとの目標を立て、「10年後こんなふうになっていたい!」とイメージを膨らませていましたが、
実際は想像していたよりもゆっくりと進んでいます。
育児を甘く見ていたからですが(笑)、育児や家事をする中で働き方や考え方にも変化が生まれ、心と環境を整えることも仕事をする上でとても大切なことだと気付きました。
現在2回目の育児休業を経てこの4月から復帰予定です。
子育てに専念する期間を経て仕事に復帰できるのはありがたく、技術職の強みでもあると感じますが、鈍った腕と感覚を取り戻せるか少し不安もあり、最近は前から興味のあった仏画に挑戦することで少しでも表現の幅が広がればと筆を運んでいます。
生涯続けていきたい仕事ですので、長い目で捉え、今後も新しいデザインや図案に挑戦し、技術を研鑽していきたいと思っています。
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