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山元一真さん (平成24年度修了生)

山元

10年を振り返って

 この10年を振り返ると、塞翁が馬と言いますが私は様々な禍福を経て現在に至ります。

 まず病がありました。陶工校を修了した後、父の工房にて作陶を始めるのですが、しばらく経った頃、以前より患っていた神経の病が悪化し、陶芸を継続することが困難になりました。

 次に事故がありました。悪いことは連なるもので、その数か月後、火災により工房の一部が全焼し、工房存続の岐路に立つことになりました。それでも父の尽力や周囲の助けにより工房は存続し、私の病も時を経て快癒しました。

 それから右往左往の中で制作を続けるうちに、幸い私が作る器を求められることも増え、令和元年には草津市よりブランド指定を受けました。そして現在は注文に追われ、日々忙しく作陶をしております。私からお伝えできることは多くありませんが、ひとつ言えるならば、土と関わることを諦めないでほしい、ということです。

 皆さんにも私にも、これから様々な問題が立ちはだかることと思います。それは経済的なものだったり、病や事故かもしれません。それでも諦めず、仕事にならずとも土と関わり続けることで、いつかは自分の望む姿に辿りつけるものと思っています。陶工校を新たに巣立つ方々の陶校だより「10年を振り返って」を楽しみにしております。

 

 

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