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馬町のバス停を降りて、体感傾斜45度の坂を15分ほど登った先に陶工高等技術専門校がある。1年前の7月、オープンキャンパスのため、初めて訪れた時は、炎天下の暑さとあまりの坂のキツさに陶工校にたどり着く頃には汗だくで、これも訓練の一環なのか?と思うほど疲れ果てていた。体力面に若干の不安を感じながらも、陶芸を仕事にするという夢を叶えるべく、今年の4月陶工校へと入校した。
初めての実習は「土もみ」といって、土の水分を均一にし、空気を抜く作業だった。重い土を持ち上げながら慣れない動きをし続ける。汗をかきすぎて熱中症のような症状になり、ちょっと泣いた。全身筋肉痛の湿布まみれになりながら、「陶芸大変すぎる…自分には向いていないのかもしれない」と不安を感じながら1日を終えた。
4月の終わりには、ろくろ場に座り、水挽きの実習が始まった。先生がお手本の小煎茶碗をひとつ作ってくれた。可愛らしい丸っこいフォルム。お手本と同じものを作るのが基本的な実習内容である。さっそく形にするぞと指を動かす。が、全く形にならない。指がろくろの回転に引っ張られて動きまくる。先生が作ったときはあんなに簡単に形を変えていたのに。上手く形にならないと先生に伝えると
「土と会話しろ」と言われる。土と会話ができる訳がないと思いながら粘土をこね続けた。
何度も何度も茶碗を作っていると、ある日突然、「こういうことか!」とわかる時が来た。
力の入れ方、角度、何があったのか自分でもわからないが、唐突に形になった。土との会話がほんの少しだけできた気がした。
次の課題は6月の半ば、梅雨入り前に始まった丸底湯呑だった。私は自信満々に湯呑を挽き始めた。びっくりするくらい全く形にならない。ほんの少しだけ聞こえかけていた土の声が遠ざかっていく。全く歯が立たないが、初めて茶碗を形にした時の絶望感とは違う。どうにかなるだろうという自信がある。今はできなくても、絶対にできるようになる。それは、入学した日から今日まで、成長した実感があるから。挫折と、ちょっとの成長を繰り返しながら前に進んでいくのだと思う。
オープンキャンパスで初めて陶工校の坂を登った日からもうすぐ1年が経つ。あの日汗だくで登った坂道も、今では野良猫を探しながら楽しめるようになった。来月の自分はきっと今できないことも出来る。1年後の自分はもっと出来ている。10年後、20年後の自分を楽しみに、日々陶芸と共に成長していきたい。
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