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薬局DXの推進について

「デジタル治療(DTx)に臨む患者への薬局支援の有用性検証事業」について

デジタル技術の発展に伴い、国の承認を受けた治療用アプリ等の医療機器プログラムによる治療が行われるようになってきており、デジタル治療(DTx)と呼ばれています。

例えば、医師が処方したアプリを患者さんのスマートフォンに入れて治療を行うものがあります。患者さんの健康に関する情報や、日常の生活行動を主治医と共有したり、アプリから生活改善の助言がされるなど、患者さんの行動を変えるといったようなアプローチによる治療です。ただし、効果的な治療には、患者さんが継続的にアプリを使用することが必要です。

そこで、本事業では、アプリを介したデジタル治療に対して、主治医と連携した薬局薬剤師が服薬指導と同様に患者さんを支援することが、アプリの継続使用に与える影響を確認しました。

事業の実施内容

  1. 医師から治療アプリを処方された患者さんに対して薬局薬剤師が、アプリのダウンロードや初期設定、使い方などを支援しました。
  2. 次回の通院(1ヵ月後)まで、薬局薬剤師が患者さんの同意のもとに1週間に1度ほどお電話して、血圧の測定やアプリの使用状況、お困りごとなどを聞き取り、アプリを日々使っていただくための支援をしました。
  3. 患者さん同意のもと、必要に応じて医師と患者さんの状況を共有し、アプリの継続治療を支援しました。

薬剤師の支援が有意義な治療につながる可能性が示されました。

  • 患者さんのアプリを使用した治療に対する不安が軽減されました。
  • 患者さんの支援への理解が向上しました。
  • 処方から1カ月後も全員がアプリを継続使用中です。

事業に参加した患者さんの声

  • アプリを始めてから減塩を意識しだしました。これからもアプリを使用して、血圧が下がる生活をしていきたいです。
  • 食べた品目の塩分量を調べるのが難しかったです。
  • アプリの使用状況について、薬剤師さんから毎週確認の電話をいただき、その都度、疑問点を聞けたので良かったです。

事業に参加した医師の声

  • 処方コードのみ発行するだけで、薬局さんが使用できるまでいつでも応援してくださっているので、他の患者さんの待ち時間の減少にもつながり、助かっています。
  • 薬局さんが積極的に指導されており、患者さんの理解が進みました。
  • 患者さんの治療や病気に対する理解が深まりました。
  • 患者さんの治療に向かうモチベーションがアップしました。
  • 薬局さんが定期的に連絡することで、患者さんの意識づけになりました

事業に参加した薬局薬剤師の声

  • 「アプリの実施により血圧が良好になった。」と患者さんがおっしゃっていたので安心しました。
  • 今回は週1回の電話での確認をしましたが、この作業がとても難しかったです。しかし、薬局が支援していることが伝わり会話も増え良い点も多くありました。
  • フォローアップでこちらから介入する薬剤師の対応により、患者さんが安心して治療を続けられることが分かりました。
  • 薬剤師が対応することで、多忙な医師や会話の無いアプリではフォローしきれない部分(意欲やアプリ治療への理解等)を毎週対話でフォローすることにより、アプリの継続使用が進んだと考えられます。
  • 患者さんとアプリ情報が共有出来ないので、状況の聴き取りに時間を要しました。薬剤師側でもアプリ情報を共有することができれば正確に状況を掴めるので、もっと能率的に、かつ適切に支援ができると考えます。

 

その他事業の詳細は次のリーフレットを御確認ください。

事業結果リーフレット(PDF:1,209KB)

本事業は、厚生労働省の委託事業「ICTの進展等を踏まえた薬局機能の高度化推進事業(薬局DXの推進事業)」として実施されました。厚生労働省では、オンライン診療・オンライン服薬指導の普及及びデータヘルス改革・電子処方箋の導入を通じた各種医療情報の共有が進む中で、薬局薬剤師がデジタル技術を活用し て、患者・国民サービスの質及び利便性の向上を図る取組を積極的に進めていくことを求めています。

 

お問い合わせ

健康福祉部薬務課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4792

yakumu@pref.kyoto.lg.jp