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平成16年度当初予算の編成に向けて

 京都府をはじめ我が国の社会・経済情勢は、長期にわたる不況とそれに伴う雇用情勢をはじめとして、一層厳しさを増している。更に、新たな感染症、犯罪の多発・低年齢化、食品安全問題、環境や水問題、自然災害など、生活や社会に対する新たな不安感を高める要因も見られる。
 
 このような先行き不透明感が増す中、京都府では、「新京都府総合計画」を基本として、21世紀の京都府づくりに邁進しているところであり、 平成15年度はアクションプランをベースに、教育・福祉改革、産学公連携の新たな展開、地球温暖化防止の推進など、「人づくり」、「活力づくり」、「安心・安全づくり」を政策の柱として取り組んできた。
 これらの取組みを基礎とする平成16年度の施策については、厳しい現状に対応して緊急に実施する必要がある対策と、京都の豊かな未来に向け着実に実施していく施策の双方を講じていく必要がある。
 
 まず、緊急を要する対策として、厳しい雇用・経済情勢のもとにあっても京都の持つ潜在力を十分に活用し、一人ひとりが新たにチャレンジできる条件整備を更に進めていくことが必要である。また、自然災害や感染症の発生、多発する犯罪などから府民を守るための体制を整えておくことも必要である。
 
 一方、京都の確かな未来づくりのためには『むすびあい、ともにひらく新世紀・京都』を基本理念とする新府総を踏まえ、人と人との交流から新しい京都をひらくため、人を大切にし、人と人との交流を盛んにし、更に交流を支える基盤に投資していく「人・間(にんげん) 中心」を基本テーマに施策の展開を図っていくべきである。
 そして、これをベースとし京都の可能性を開くものとして、グローバル時代における京都府の本来的な強みを引き出す観光やコンベンションをはじめとする交流や集客の取組み、産学公の連携強化による新産業の創出、また、平成15年度に基盤的な条件が整うIT施策の全面的な展開や交通ネットワークの拡充、更に市町村の基盤強化など地方分権の進展に伴う京都府の新たな枠組みを活かす施策を強力に推進する必要がある。
 
 また、次代を担う青少年の健全な育成、環境やこれに密接に関連している水の問題への対応、高齢者をはじめとする府民の健康や福祉などについては、いつの時代においても府民生活の安心・安全を支えるベースであり、気を緩めることなく取り組んでいく必要がある。
 
 以上のことから、平成16年度の施策推進に当たっては、緊急に対応する課題、重点的に打ち出す分野、更には新たな施策の立案又は既存施策の改善に向けて特に留意する視点を次のとおり設定する。

1 基本テーマ

人がいき、産業が活き、自然が生きる 「人・間(にんげん) 中心」の京都府社会を築く 

 京都府では、「新京都府総合計画(新府総)」を基本として、新たな時代の京都府づくりを進めている。
 この基本理念は、「むすびあい、ともにひらく新世紀・京都」と示されているが、これは「人」と「人」との結びつきはもとより、京都が有する多彩・多元な「ひと・まち」が出会い、ネットワークを形成し、京都の特性を活かして新たなものを生み出していこうという方向を示している。その理念のもとに、京都独自の歴史、文化、学術、自然等を活かし、京都創発の施策を積極的に展開して、府民一人ひとりがいきいきと暮らせる新しい京都府を共に築いていくこととしている。
  この新府総の基本理念を念頭に置いて戦略的な施策展開をするため、人を大切にし、人と人との交流を盛んにし、更に交流を支える基盤に投資していく『人・間(にんげん) 中心』を基本テーマとする。

2 緊急対策

(1) 不況・雇用対策の充実強化

今、我が国では経済的苦境の中で、リストラや事業の破綻、地域の活力低下などの厳しい社会状況が続いており、このことは京都も例外ではない。こうした困難な状況下にあっても、京都が持つ潜在力を十分に活用して、一人ひとりが新たにチャレンジできる条件整備を果敢に進めることとし、府民の雇用確保、事業者への支援、人や資源の効果的なネットワーク等による地域の自立支援など、府民・事業者・地域が新たな活動を開始することができる仕組みを広げていく。

(2) 府民の安心・安全を確保する緊急対策の充実

自然災害、感染症の発生、犯罪の多発など、府民生活に大きな損害・被害を与える突発的な事態に的確に対処できる体制づくりは、現代社会に不可欠であり、府民生活に対する脅威を未然に防止し、また緊急事態に機動的に対応していくシステムを整え、府民の安心・安全を確保していく。

3 重点方針

(1) 人と社会と自然の健康を増進する

激動する社会情勢のもとで、心身ともに健康でいきいきと活動できる社会、未来を担う子どもたちが個性と多様な能力を伸ばし豊かな心を育み、また、優れた自然環境を守り自然と人間が共生する社会を実現していくことが強く求められている。
このような時にこそ、施策の幅を拡げ、人、社会、自然の健康を更に増進していく。

(2) 産学公の連携強化など、京都の活動力を高める

京都が有する豊かな歴史や文化に育まれた特色ある技術をもつ企業と、その技術を支える大学をはじめとする多数の研究機関、この条件を効果的に活かし、産学公の連携を更に進めるとともに、地域でのインキュベート施設や金融システム、ベンチャー企業の起業環境を整備し、21世紀の成長産業を生み出していく。
また、産業や地域の再生を担う人材の育成、地域での中小企業、伝統産業、農林水産業の新たな展開を積極的に支援し、また、NPOの活動を高め、海外からの優秀な人材の戦略的導入にも力を入れるなど、京都の活動力を更に高めていく。

(3) 観光・にぎわいづくりを戦略的に展開し、地域の魅力を国内外にアピールする

地球規模での大交流時代を迎えた今日、海外との交流は府民生活や産業に更に広く深いかかわりをもつものとなっている。京都は世界に誇れる歴史、文化、学術、自然などの資源を有するとともに、それらを育む感性豊かな人と風土の集積がある。厳しい景気やSARS問題などの逆風をはねのけ、あらためて京都が有するこれらの資源を、観光客やコンベンション、イベントづくりに向けて最大限に活かし、京都の新たな展開を世界にアピールしていく。

(4) 交流型社会資本によるネットワークを拡げ、京都の未来を拓く

今やIT技術は、生活の隅々まで普及し、「いつでも」、「どこでも」、「誰でも」活用できる生活の便利なツールとなろうとしている。こうした中で、平成15年度にはデジタル疏水ネットワークが完成するが、このブロードバンド環境を活かし、生活、文化、自然と科学技術をICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)で結びつけ、それぞれの分野における豊かな可能性を引き出し、また、産業の芽を伸ばしていく。
更に、道路・鉄道などの交通ネットワーク整備を効率的・効果的に進め、ひと・もの・情報が活発に行き交う交流型社会資本によるネットワークを総合的に拡げることを通じ、より便利で快適な京都の未来を拓いていく。

4 施策立案に向けての視点

 地方分権の進展をはじめ、本府を取り巻く社会・経済情勢が急速に変化する中、21世紀にふさわしい京都府づくりを進めていくためには、新たな発想で施策の構築に取り組む必要があることから、平成16年度の施策立案に際しては、「京都府行財政改革指針(かいかくナビ)」を基本として、特に次の視点に留意して検討を進める。

(1) 内と外から点検する視点

 府民やNPO等による主体的な活動は、地域社会づくりの牽引力として今や不可欠であり、また行政は、府民にとってよりわかり易く、身近なものでなければならない。このため、府政の情報を可能な限り開示・提供し、府民発、府民の参画、府民との協働を更に進めるなど、府政と府民との距離を縮め、府民の目線に立って、より効果的な府政の展開を推進していく。
更に、京都府の特質を外部から見て点検していく。伝統的・文化的なものととらえてきたもの、あるいはありふれたものと見過ごしていたものなど、これまで当然としてきたものなどを、新しい京都の活力を生み出す芽を再発見しようとする視点で見直していく。

(2) 新しい地域創造の礎を築いていく視点

地方分権が進展する中で、京都府のあるべき役割・姿が問われている。府県域にとらわれずに、隣接府県についてもより広く深く研究し、その可能性をも取り入れていけば、更に効果的なあるいはこれまでとは異なる角度から施策を生み出すことができるのではないか。
また、市町村合併の進展とともに、府内においても大規模化した新たな基礎的自治体が誕生する。そのような新しい状況のもとで、現地・現場主義を取り入れた施策や、自然・社会の地域的な特性を大きくとらえ、広域的な視点での施策などを検討していく。

(3)新たなルールで可能性を追求する視点

急速に変化する社会・経済情勢の中にあって、既存の規制や仕組みを超えた発想、新たなルールを打ち出す発想で、施策の可能性を追求していく。例えば、特区方式による規制の緩和・撤廃や、府民生活の向上につながる規制の改革、また行政手続きの簡素化・電子化・ワンストップ化などを手段として、地域の新たな発展への契機としていく。

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