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第1回 「明日の京都」ビジョン懇話会の概要

平成20年8月4日に開催した第1回「明日の京都」ビジョン懇話会の結果について、下記のとおり概要を報告します。

開催日時

平成20年8月4日(月曜)午後1時から3時

場所

 京都府公館レセプションホール

出席者

「明日の京都」ビジョン懇話会

浅岡美恵委員、安藤昌弘委員、今井一雄委員、植田和弘委員、陰山英男委員、崔善今委員、ジェフ・バーグランド委員、新宮七郎委員、高木光委員、竹葉剛委員(座長)、中村京古委員、西岡正子委員、畑正高委員、藤本明美委員、堀場厚委員、丸毛静雄委員、村井杏侑美委員、山岸久一委員
 (※ 欠席 池坊美佳委員、千宗室委員、福井正興委員)

京都府

山田知事、高嶋政策企画部長、井上政策企画部企画監、山田政策企画部副部長、畑村計画課長、森下企画総務課長、吉岡調査統計課長、事務局ほか 

知事あいさつ

  • 参加へのお礼。
  • 持続的な安定成長の中で未来の価値観を創り出していくような今の時代にふさわしいビジョンづくりとして、まず、どのような価値観をもって、京都府のめざすあるべき姿を描くのかということを真剣に議論する必要がある。
  •  「京都」という他の地域とは異なる個性と価値観を持った地域が、未来に向かって、そのあるべき姿を創り上げ、日本の未来の発展につながるようなビジョンを掲げたい。
  • ビジョンには、京都府全体がこれから何をしていくのかが完全に見えるようになる「見える化」という大きな役割がある。
  • 率直な意見と積極的な議論をお願いする。

 

座長あいさつ

  •  「明日の京都」ビジョンを策定するに当たり、何が大切かについて議論が大いに盛り上がるようにしていきたいので、よろしく協力をお願いする。

 

議事概要

事務局より、資料に基づき、懇話会の運営及びスケジュール等について説明

運営案.pdf(PDF:51KB)
検討スキーム.pdf(PDF:107KB)
スケジュール案.pdf(PDF:43KB)



各委員より10年後の「ありたい京都府社会の姿」を考える上での問題意識について、意見をいただいた。主な意見は次のとおり。

  • 低炭素社会に向かうことは避けられない。50年後、100年後の低炭素社会へのプロセスを見据え、10年後を見定めるべき。エネルギーに頼らないまちづくりや移動、人とのコミュニケーションを考えていくべきであり、超ハイテクも活用しながら、東京とは対極にあるようなビジョンを打ち出していきたい。
  • 京都迎賓館には多くの各国首脳が訪れるが、有名な神社仏閣を見て、京都の代表の方々と会って帰られてしまうのではもったいない。東京ではできない、政治経済以外のもっと大事なものを各国の首脳に訴えていくべき。これから10年、京都が何を世界に訴えていくのかをビジョンに盛り込んでほしい。
  • 京都府の北部と京都市、南部の経済や医療等の格差を縮めることは至難の技だが、格差があるということを認識しながら京都府民が一丸となって取り組むことが大変大事。その場合、産業基盤としての高速道路の早期整備や、舞鶴港の活用が今後も重要な課題と考えている。
  •  「持続可能な」というのは、時間軸、世代を超えて考え、今やるべきことを決定すること。何らかのビジョンが描けたとして、どう実現するかが大事であり、自然・建物・街並み・知識・伝統等の資産を見直し、それらを組み合わせて新しい創造性を生み出すことが大事である。
  • その地域に熟知した者が常識や思いこみを一度突き崩し、強いリーダーシップで大胆に行動することが大事。「自立」をキーワードとし、一人ひとりが知恵を出すことが必要。京都には全国トップクラスの資産があり、おもしろいものができると思っている。
     伝統産業や伝統文化に携わる若い人が少ないことや、町家が現代建築に変わっていくことが心配。少子化により閉校された学校を地域でどのように活かしていくかが大事。また、今後増えていく外国人が生活しやすい地域づくりをもっと関心を持って考えていくことが必要である。
  • (1)自然界との関わり方、(2)時間との関わり方、(3)人との関わり方の3つの異文化コミュニケーションがある。地球温暖化問題をはじめ、自然界との関わり方が京都にとって一番大きな問題。時間との関わり方では、「春夏秋冬」「朝昼晩」という円形型の時間の大切さを京都から発信したい。人との関わり方では、世代を超えた人と人との関わりを大切にすることを考えたい。
  • 農山村はエネルギー資源としての木材、水資源、太陽光に恵まれ、食料生産基盤である田畑・里山・山林等もあるが、うまく利用されておらずもったいない。団塊の世代の活用などを真剣に考え、農山村を活かしていくことを考えていくべき。また、グローバル化が進行する中で個性形成が重要であり、京都の個性を府民みんなが発信していくべきである。
  • 京都府のあるべき姿を考える場合に、府と政令指定都市との関係をどう考えるかが重要。通常の京都のイメージは京都市にあるリソースのイメージがもとになっているが、府域にはいろいろな地域、様々なリソースがあり、それらに目配りをしながら議論していきたい。
  • 人の幸せや平和を願うことができない結果が現代の諸々の社会現象を引き起こしている。ものやお金では真の豊かさを得られないことに気付かされている。今すぐできる対策とともに、30年、50年、100年経って成果がでてくる心の教育が大切であり、ここに今一番力を入れていくべきではないかと思っている。
  • 今の若い人は働いて、結婚して、子どもを育てるということが将来の夢になっているような状況。長時間労働に追われる中、本来の人間の幸せはどこにあるのかという基本的なことに立ち戻って考えていくことが必要。自治会活動が停滞しているが、古い体質のままでは機能しない。地域社会を動かすためには、参加者の意見が反映されるなど、参画や行為が承認されるようなことを考えるべき。
  • デジタル化・バーチャル化したIT社会の中で、自然との共生を歴史的に体感してきた京都は、味覚や嗅覚といった五感を使った体感の現代的な意味を語っていかなければならない。また、地方分権の時代にいかに新しい社会の有り様を発信していくか、これまで京都は歴史の大きな変革期には必ず日本の指針になり、発火点となってきた。そういう意味で京都は責任の重く、また責任を全うできる立場にあると思う。
  • 孤立している子育て環境の中で、仲間づくりを通して、社会や回りの状況に振り回されず、子どもの良さを見失うことのない子育てを目指したい。サービスの受け手としての親ではなく、仲間づくりから親を変え、親を変えることで地域を変える。そして、子どもを育てやすい地域づくりを実現したい。NPOは持続可能な活動をするためには不安定な存在であり、本当の意味で行政と対等な立場での「協働」が重要。
  • ビジョンの中で、府がやること、国がやることをはっきりさせていくことが大事。世の中は2~3ヶ月のピッチで変化しており、総合計画のような立派な計画書は読むだけで疲れる。  選択と集中も大事。知事にはアジテーターになってほしい。行政だけで全てやろうとしてもできない。様々な人を巻き込み、民間の力をうまく行政で使う知恵を持っていただきたい。
  • 地方分権の時代に、府と市町村の役割分担を考えることが必要。道州制の議論も盛んな今、府として何をすべきかを明確にしておくべき。基本条例によって府の役割をしっかりとおさえておかないと、ビジョンや計画はつくれないのではないか。
  • 学生祭典の活動をやっていて、こうした活動を支えている学生のまち京都の力に感動を覚える。学生の眼が東京や大阪など京都以外を向いている現実があり、危惧。学生やもっと若い世代が京都をどう考えていくかが大事で、一緒になって考えていきたい。
  • 予防医学とともに、ガンが死亡原因のトップという現状において、緩和医療が今後重要。また、自殺対策や救急医療ネットワークを地域でどうつくるか、さらに新たな感染症対策も課題。健やかに人生の終焉を迎えられる京都を目指したい。

知事から終わりに一言

  • これまでの要望型、要求型から、満足度とか生きがいとか参加とか、「価値観」について問題意識を持っている委員が多く、時代は確実に変化していること、そして、それに応じた京都の未来像を作らないとずれたものになることを痛感。
  • 事務局が作ったお仕着せのビジョンではなく、委員の皆さんのそれぞれの抱く将来ビジョンを示していただければ素晴らしいビジョンになると思うので、今までのようなステレオタイプの審議会のやり方を壊していくような形でビジョンを描いていただければありがたいと思っている。 

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