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第2回 「明日の京都」ビジョン懇話会の概要

平成20年9月25日に開催した第2回「明日の京都」ビジョン懇話会の結果について、下記のとおり概要を報告します。

開催日時

平成20年9月25日(木曜)午後1時30分~3時30分

場所

京都府公館レセプションホール

出席者

「明日の京都」ビジョン懇話会

浅岡美恵委員、安藤昌弘委員、今井一雄委員、隂山英男委員、崔善今委員、ジェフ・バーグランド委員、新宮七郎委員、高木光委員、竹葉剛委員(座長)、中村京古委員、西岡正子委員、畑正高委員、福井正興委員、藤本明美委員、村井杏侑美委員
(※欠席 池坊美佳委員、植田和弘委員、千宗室委員、堀場厚委員、丸毛静雄委員、山岸久一委員)

京都府

山田知事、猿渡副知事、高嶋政策企画部長、井上政策企画部企画監、山田政策企画部副部長、畑村計画課長、森下企画総務課長、吉岡調査統計課長、事務局ほか

議事概要

事務局より、資料に基づき、「明日の京都」ビジョン検討の論点等について説明

ビジョン検討の論点.pdf(PDF:25KB)

各委員より「ありたい京都府社会」について、専門分野や活動分野を中心に「キーワード」を交えて御意見をいただいた。主な意見は次のとおり。

  • 京都は日本文化を代表する地域であり、京都から新しい文化を発信し、もっと京都をアピールしていきたい。今のままでは東京にとって代わられる。文化の中心地・発信地として、新しい文化を発信すれば学生の力も集まる。学生たちが京都で学んだ良さを活かし、地域で文化を担うような人材づくりをしていくことが大事と考える。
  • 京都で子育てをして良かったと思える京都府にしてほしい。「協働」「NPO」を考える時に、下請け意識・お願い意識をお互い払拭し、地域・市民への分権を意識づけることが必要。過疎地域ではNPOの力が必要であり、あらゆる人の手が届く範囲内に多様な選択肢があることが大事と考える。
  • 日本青年会議所でも、OMOIYARI運動を展開し、他人を思いやることを推進しており、心と心が繋がる社会、人が人を思いやる社会をつくっていきたい。地産地消の取組を食糧だけでなく、まちづくりに焦点をあてて実施していきたい。こうしたことをルールや法律で行うのではなく、意識改革でやっていくことが大事と考えている。
  • 「京都府民の日」の制定を提案したい。2年前に筑波に出張した時「県民の日」に当たっていて、学校も休校になっていた。府民の日には京都府のことを考え、自分の時間を京都府のために使ったり、あるいはお金を使ったり、何でもいいと思うが、そういうことが新しい公共の基礎力になると考える。
  • 「人がつくるまち」がキーワード。「つくられたまち」ではなく、NPOや学生等がまちづくりに参画できるような、人が「つくれるまち」というのが大事だと思っている。人と人とが結び合って、京都の地域の特色を活かして、地域で地域に合ったものを生み出していくことが大事と考える。
  • 今の情勢を見ると、心の教育の問題に行き当たる。教育は何十年とかかるので、今考えなければならない課題であり、道徳教育や精神文化の発信を京都からしていきたい。京都に来れば心が救われると思う機会を作り、喜んでもらえることが生きた宗教都市・精神都市の活用になるのではないかと思う。
  • キーワードは府民による理解と監視。府民は京都府を通常意識していないが、京都府というのは何をすべきなのか、京都府民というのは京都府に対して何を期待するのかを考える必要がある。また、京都市との府市協調も重要なポイントであり、ありたい京都府を考えるときは、京都市だけではなくて、京都府全体をイメージすることが重要だと思う。
  • 物事を動かすのは人であり、人材が明日を決める。小さいときに地域の先人から学んだり、地域の情報を聞くことが地域社会への思いを深め、人格を形成する上でも大切であり、全国一律でない地域学習の機会の拡大が重要。
  • 広域的調整が必要な事務でも共同化により対処できるものは市町村への権限移譲を進めてほしい。役所が変わらねば未来はない。
  • キーワードは「アスファルト」「着物」「グループ」。人と人のつながり、コミュニケーションが普段の生活でも希薄になっている。道は人と人が出会い、歩く場所であり、アスファルトをめくって地道に戻し車が走りにくくする。着物をもっと気楽に楽しむ、着ることが大事であり、授業で着付け等を取り入れ、地場産業に繋がるような教育学、経済学の実践も必要。NPOになる手前の新しいグループを活用し、若い人のアイデアを取り入れていくシステムづくりが重要と思う。
  • キーワードは「学校教育」「留学生」「世代間交流」。学校に行くたびに思うのは子どもたちに元気がない、話をしてもキャッチボールができない、子どもたちが夢を持っていない。学校教育を豊かにするよう大人が真剣に考えるべき。京都に留学生は多いが就職とかは困難。もっと京都で留学生を活かしてほしい。世代間交流を進めているが、自然に交流しながら助け合えるような機会が必要だと思う。
  • 生活習慣と学力の間には相関関係があることがわかっており、特に子ども達に元気がないのは、就寝時間と朝食の取り方に問題がある。その点、京都は夜が暗く、夜の遊び場が少ないという好条件がある。教育について責任を持っている人がいないという構造的な問題があり、首長と教育委員会が一体となった取組を行うことが必要だと思う。
  • 京都の大企業のほとんどが府外に工場を持っており、その理由の一つに人材不足がある。府内でそうした人材を育てる教育が必要であり、伝統産業だけでなくIT産業も京都府内でものづくりを完結する「メイドイン京都」の取組が大事。
  • コミュニティが完全に崩壊しており、もう一度小さいところから作り直していかなければならず、これは京都から発信できる取組である。地域の中で様々なことを伝承したり、教えていくためには「祭り」の復活が有効であり、そういうシステムが必要と思う。
  • 京都は東京と並びもう1つの日本の顔になりつつある。京都として積極的に海外へ打ち出すものをぜひつくるべき。京都には大変すばらしい潜在的な魅力がたくさんあるが、京都といえばこれというテーマのようなものを全面的に出して、京都をアピールすることも必要と考える。
  • 化石燃料を使わない低炭素社会をめざし、二酸化炭素の排出抑制と経済の成長を両立したまちづくりを考えていく必要がある。また、京都には東京にはない人の繋がりと生活習慣があり、これから日本の生活の美ということを示していくに当たり、京都がモデルとなっていければと考える。

猿渡副知事から終わりに一言

  • 改革には「変える改革」と「戻す改革」の2面性があるが、京都には、「あるべき姿に戻す」という改革が求められている気がする。ビジョンを描く時、誰がどんな任務を負うかという話になるが、京都府の役割を考える場合には、現在の法的な権限や役割にこだわらずに議論していただきたい。
  • 教育や医療といった社会システムの将来像だけでなく、前提となっている自然環境や人間環境についても提言してほしい。例えば、地球環境問題について考えると、経済に対する考え方やライフスタイルが関係してくるし、人と人との絆や人間関係という話になると、教育や宗教までも含めての議論になってくる。

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