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「明日の京都」ビジョン懇話会 文化・環境部会(第1回)の概要

 平成21年6月16日に開催した「明日の京都」ビジョン懇話会 文化・環境部会(第1回)の結果について、下記のとおり概要を報告します。

日時

平成21年6月16日(火曜)午前10時から12時

場所

京都府庁西別館 4階 大会議室C

出席者

「明日の京都」ビジョン懇話会

浅岡美恵委員、池坊美佳委員、畑正高委員(部会長)
(※ 欠席 千宗室委員) 

京都府

高嶋政策企画部長、山田政策企画部副部長、石野文化環境部環境政策監兼副部長、本田文化環境部副部長、小田農林水産部副部長、公庄建設交通部副部長監理課長事務取扱、高熊教育庁指導部長、事務局ほか

議事概要

専門部会の進め方、アウトプットのイメージについて

 事務局から説明、内容について了承された。

「明日の京都」ビジョン懇話会・専門部会について(PDF:70KB)

「文化・環境」部会での検討事項について

 検討事項として、第2回で「文化」の切り口から「京都文化・地域文化」と「文化産業」のグループについて、第3回で「環境」の切り口から「温暖化対策」と「環境との共生」のグループについて、ゲストスピーカーを招聘して検討を行うこととされた。

専門部会における検討事項一覧(案)(PDF:185KB)

 なお、出席者間の意見交換での主な意見は以下のとおり

 

  •  京都で「文化」を検討するというのは大変責任が重いが、中長期的な視野を含め、将来の京都のスタンダードを見つけていきたい。
  •  「低炭素社会」「循環型社会」「生態系の保存」が3つの大事なキーワード。「低炭素社会」と「循環型社会」は表裏一体であり、並行して議論する必要あるが、異なる政策手法を求められる場合があるのではないか。
  •  京都ならではの「文化・環境」が最上位に位置付けられているのは評価。低炭素時代においては、消費者の生活も事業者の活動、価値観も大きく変わる。これまでの化石燃料エネルギーから転換せざるを得ない。
     但し、産業・労働部門の二酸化炭素排出量削減は大事だが、2050年時点で排出量を8割削減したとしても、経済は回り、環境も守られている、という両立が大事。排出量を削減することがメリットにならないと取組は進まない。
  •  気候が変われば、農林水産業は根本的に全く違うものになる。今、イメージできる「京都らしく」「京都ならでは」も失われるのではないか。
     京都の文化・環境が生きるような取組が重要。「命の里」、京都の美しい森があるということはそれだけ二酸化炭素の吸収源があるということ。化石燃料からの転換という点では、バイオマス利用がどれだけできるかというところで検討の余地がある。本来の農林水産業の目的達成のためにも、環境保全の視点が必要。
  •  京都府の全ての部署で環境のイメージを持ち、そこに至るプロセスを各部署でバックキャスティングしてほしい。京都の気候・風土のもとに文化があるのだから、各部局で作業をやるのではなく、一体となって取り組んでほしい。
     京都・大阪・兵庫あたりで連携して温暖化ガス削減を行い、声を挙げてほしい。それが日本全体にも寄与する。
  •  ビジョン懇話会、専門部会の着地点はどこか。京都府として府民に何を発信していくか。環境など長いスパンからの発信も大事だが、短いスパンの発信も大事。
     「京都」がメディアによりつくられ、すり込まれ、ある意味マインドコントロールされている中、伝統・文化に携わる私たちでさえ、努力しているにもかかわらず引き継げないものが多くある。「京都」は変化している。問題点は分かっているが、次の担い手がおらず足踏みをしている状態。
     伝統・文化が京都府として守りたいものならば、その入口を明確に示してほしい。そういった短いスパンの発信が大事。自分が生きている間に成果を見たい。
  •  京都として守るべきものは何か、守りたければ何をすべきか、明確に強い意志がビジョンの柱として表れるべき。「守れたら守りましょう」ではだめ。
  •  「京都ならでは」と言うが、京都以外の人からすれば、「なぜ京都だけそれほど特別扱いしないといけないのか」という印象。京都に住んでいる自分たちは意識していても、一体どれだけそれが京都以外の人から認知されているかを考えないといけない。
  •  京丹波町の和知小学校へスクールミーティングに行ったが、緑深い自然と現代的なライフスタイルというギャップ。田舎らしいライフスタイルがなくなり、モザイク的。今は田舎の知恵を都市部で生かすことができるギリギリの時期に来ており、この問題は部局縦割りで取り組む限り解決しない。
  •  保育所や幼稚園など、身近なところでの太陽光パネルの設置などを通じて子どもたちがエネルギ-について考える「おひさまプロジェクト」という取組がNPOによって行われているが、そのような取組について、数年前まで都市景観の観点からなかなか許可がおりなかった。昨今、太陽光パネルの設置が促進されて来ているが、このように、一方から見れば良いことが他方から見ると問題となることもある。もっと大きな、長期的視点に立った議論が必要。景観に問題があるとすれば、どうやってそれをクリアできるかを検討すべき。
  •  自然が豊かな府北部にあっても、電線、看板が当たり前。いっそ地域指定をして、里山、「命の里」といった理想とする地域を育み、体験するという取組が大事。
  •  京都府としてエネルギー施策はどこがやるのか、担当をはっきりさせることが必要。今の「京都らしさ」は点でしかない。地域の特性をいかし、エリアを分けるくらいのことをしないといけない。地域ごとにメリハリをつけることが重要で、府内一律というのではだめ。
  •  京都の文化の中でも、価値がありながら衰退したもの、救えなかったものも多い。床の間、日本間などの従来の生活様式が変わる中で、伝統・文化を引き継ぐ者としても、今の生活様式・ニーズに合わせてプラスアルファしていかないと守れない。
  •  NHKの番組で、東京のサブカルチャーが紹介されているが、こういったものにも耳を傾けていくべき。NHKが東京のサブカルチャーを日本代表として発信しているという現状を認識してほしい。
     また、中央省庁では、「文化大使」としてネイルアーティストなど多数任命し、海外に発信しており、世界から見た日本文化は私たちが考えるのとは違うところで推移している。こういった状況でどう守っていくか、何を語り継ぐのか責任は重い。
  •  環境審議会においても議論しているが、二酸化炭素排出量を8割削減した上で経済も回る世界を実現しようとすれば、産業界がどう関わるべきかを示さないと話にならない。そんな中で近未来に何をしていくべきかをしっかり議論していきたい。
  •  「文化」も「環境」も生活様式に結びつくもの。生活様式をいかに「京都らしく」していけるか、その知恵を出し直す。
     今、世界で「クールジャパン」「トーキョーカワイイ」などの言葉が語られているが、日本を代表する文化として「キョウト」はない。「明日の京都」を考える上で、「文化」とは何か。府に限らず、世界的レベルで京都が目指す文化を考えたい。
  •  地球温暖化が農林水産業に与える影響は大きく、府北部の舞鶴湾でも熱帯魚が捕れ、北海道が新たな米どころとなりつつあるという現状。農林水産業のあり方を考えないといけない。
     また、低炭素社会における農林水産業の経営を考えるとき、ただ我慢するというのではなく、環境を保全しながら経済も回る経営、足るを知る「知足経営」が必要となるのではないか。 
     加えて、モデルフォレスト運動やふるさと共援活動については企業や大学と連携しながら既に取り組んでいる。環境の観点からこういったモデルをつくっていきたい。
  •  景観条例に基づき景観登録されているのは現時点で10件のみ。
     ビジョンの検討にあたって触れてもらうことで、文化・環境の分野に「景観」の視点を取り入れてほしい。
  •  子どもの手本となるべき大人社会の有り様が問われている。それぞれの地域が大事にするものをどう守り、発信し、子どもたちにどうつなげていくのか考えたい。

お問い合わせ

総合政策環境部総合政策室

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4389

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