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「明日の京都」ビジョン懇話会 教育・学習部会(第1回)の概要

 平成21年6月15日に開催した「明日の京都」ビジョン懇話会 教育・学習部会(第1回)の結果について、下記のとおり概要を報告します。

日時

平成21年6月15日(月曜)午後3時15分から5時15分

場所

京都府庁西別館 4階 大会議室B

出席者

「明日の京都」ビジョン懇話会

隂山英男委員、崔善今委員、西岡正子委員(部会長)、村井杏侑美委員 

京都府

井上政策企画部企画監、北村府民生活部人権啓発推進室長、中西文化環境部文教課長、橋本教育庁管理部長、高熊教育庁指導部長、事務局ほか

議事概要

専門部会の進め方、アウトプットのイメージについて

 事務局から説明、内容について了承された。

「明日の京都」ビジョン懇話会・専門部会について(PDF:70KB)

「教育・学習」部会での検討事項について

 検討事項のグルーピングについて、概ね事務局案が了承された。具体的には、「社会全体の取組」と「子ども」を1つのグループとして、「教育理念」と「大学の活用」を1つのグループとして検討する提案がなされた。なお、次の観点からゲストスピーカーを招聘して検討を行う提案がなされた。
 ゲストスピーカーについて、1.乳幼児教育と2.世界をリードする人材育成の観点から、大学政策の分野からの専門家等を招聘するよう委員から要望があったが、この点については事務局持ち帰りとなった。 

専門部会における検討事項一覧(案)(PDF:185KB)

 また、懇話会委員からのショートスピーチに代えて行われた意見交換での主な意見は以下のとおり
 

  •  アウトプットに関連して、実際の施策を検討する際には、教育の「場面」と「分野」についてマトリクスをつくり、もれがないようにすべき。「就学前教育」「義務教育」「高等教育」という3つの「場面」と、「知育」「体育」「徳育」という3つの「分野」によるマトリクス分析。
     但し、マトリクスに当てはめることが重要なのではなく、あくまでそういう視点で議論すべきである、という意見。本当に重大な問題はマスコミには取り上げられない。関心のあるところから外れたところに大きな課題がある。
  •  学校や地域の状況に大きな差があり、学校が役割を果たせなくても地域や家庭がうまく行っていれば良いが、地域や家庭までもがうまく行っていない子どもにも、そういった状況・環境によらない平等な条件づくり、教育の保障が重要。
  •  行政は全体として適切かという視点を持ちなから積極的に検討することが大切。ビジョン懇話会本体の会議でも、「これが抜けているんじゃないか」と逆に行政側が常時、問題提起するくらいでないといけない。そのためには、常に戦略的な情報収集・調査研究が必要。
     また、京都府は国と違って同じ行政体であるのだから、縦割りを越えた検討をしてほしい。
  •  行政はよく「支援」と言うが、何のための「支援」か。「自立」のための「支援」ではないのか。単なる弱者救済を目的とした「支援」では個人が本当の意味での自由は得られない。「自立のための支援」という理念が今後必要。但し、「自立」という言葉だと誤解も生じかねない。「自己実現」という方が適切か。
  •  キャリア教育、職業(進路)指導は「自立の支援」。自立を目指した教育。学校を出たすべての人が働ける社会が必要であり、そのためには自尊心を持たせることが肝要。
  •  日本という国は物質的には豊かであるのに、不登校やいじめの問題など、心が貧しいという一面がある。子どもを自立させるためには、心身共に健康な子どもを育てることが第一。
     また、行政がNPOや地域などと連携することが重要。
  •  10~20年後の京都府のことを考えるのであれば、ただ単に言葉で「グローバル」と言うのではなく、実際に先にある社会を見通して検討すべき。今までの議論には国際的な視点はほとんど出てきていない。文部科学省では今後10年間で30万人の留学生を受け入れると言っているが、その場合の具体的な政策が見えてこない。
     自分たちで世界にアピールすることも大事だが、今、実際に京都府で学ぶ留学生、住んでいる外国人をうまく活用してアピールしたら良いのではないか。国費をもらって学ぶ留学生も数多くおり、そのような人を学校に受け入れて行けば良い。
  •  「グローバル教育」と言ったとき、現状のような英米型の英語教育を子どもにすることが重要ではない。「外国の人たちと話してみたい」と子どもたちが自分から思うような土壌づくり、国際交流のできる教育が重要。
  •  地蔵盆の取組をはじめ、京都の地域力は強い印象。自分自身、祭りなどを通じて人とのつながりを実感できたのは、地元ではなく京都。何故そのような中にあってもいじめや不登校などの問題が起こるのかが分からない。
     今までの教育と違う視点で取り組んでいく時期が来ているということではないか。その際、教育・学習部会の中心テーマにある「人づくり」というものが大切だと感じる。
  •  小学生は中学校へ、中学生は高校へ、高校生は大学へ、と進学することが子どもたちの目標になってしまっている現状がある。もっと遠い先の人生に目標を置いて「人間力」を培えるような教育が必要。「人間力を持った人をたくさん輩出する京都府」というようなビジョンがつくれたら良い。
  •  今の若者は非常に窮屈。「失敗」と「試行錯誤」の自由が奪われている。現代は若者ほど失敗が許されない社会。以前は若者の失敗を地域がフォローしていたが、今は失敗すればいきなり警察が出てくるし、それに伴って学校なども学生を管理する視点になってしまう。
  •  若者が大切にされない社会はだめになる。今の若者には経験・体験が少ない。ビジョンに「若者を大切にする社会」という切り口があっても良いのでは。
  •  若者の生活が大学とバイト先の往復となってしまい、単調。若者が地域に入っていく窓口がないし、地域とのふれあいがない。
  •  日本人全体について、自立志向が弱すぎる。「社会全体で子ども、若者の失敗を長い目で見守る」という提言をすることも一つの選択肢としてあり得るのではないか。
  •  ぜひ、専門家などの話を聞いて検討したい事項として2点。一つは、他の部会とも関わるかと思うが、乳幼児教育の問題。学校に入学する頃には既に心身共に傷を負い、問題を抱えている子どもがいる。ここのセーフティネットをどうするか。
     もう一つは、トップエリート養成の問題。京都から京都議定書を支える環境分野のトップエリートが出ても良いのではないか。今は伸びようとしている芽を摘んではいないか。世界をリードする人材育成の環境づくりが必要。先ほどから話の出ている教育のグローバル化、留学生の活用、トップエリート養成は一体の話。
     これらについて専門委員を招聘し、意見を聞けたらよい。
  •  乳幼児の問題については他部会での検討事項との関わりがある。また、トップエリート養成の問題、大学政策は国直轄の分野であることから、この部会で検討するか否か、宿題として持ち帰りたい。

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