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「明日の京都」ビジョン懇話会 福祉・医療部会(第2回)の概要

 平成21年7月14日に開催した「明日の京都」ビジョン懇話会 福祉・医療部会(第2回)の結果について、下記のとおり概要を報告します。

日時

平成21年7月14日(火曜)午後3時15分から5時15分

場所

京都府庁1号館 6階 政策企画部会議室

出席者

「明日の京都」ビジョン懇話会

ジェフ・バーグランド委員、新宮七郎委員、藤本明美委員、山岸久一委員(部会長)

ゲストスピーカー

細川豊史氏(京都府立医科大学附属病院麻酔科病院教授、疼痛緩和医療部長)
高波嘉一氏(京都府立医科大学予防健康医学講座准教授)

京都府

髙嶋政策企画部長、中村健康福祉部副部長、金谷政策企画部調整課長、事務局ほか

 

議事概要

次のとおり、テーマに基づき、ゲストスピーカーを招聘し、議論
・「緩和ケアや終末医療」について、細川豊史氏

・予防医学」について、高波嘉一氏

 

細川豊史氏のスピーチと意見交換

(細川氏スピーチ要旨)

  •  緩和医療は、終末期のみであったものが、診断から開始されるものとなり、薬の使用による疼痛緩和のみならず、精神的ケア、家族のケア等幅広い概念を含むようになった。
  •  京都府は、緩和ケアに関する研修について、全国に先駆けて実施している。
  •  緩和ケアを充実し、在宅ケアとチームワークを組むことにより、患者の住み慣れた家で治療したいという願いを実現することができる。
  •  医療用麻薬の使用について知っている人ほど、麻薬の使用に同意してもらえる傾向があり、市民講座等による啓発は欠かせないと考える。
  •  緩和ケア病棟(ホスピス)については絶対数が足りない。人材育成の場としても必要であり、拡充整備が必要である。拠点病院にまず緩和ケア病棟を整備して人材を育成し、そこを中心に拡げていくことが重要である。
  •  海外では、緩和ケアに関する情報を容易に得られる「インフォメーションセンター」が各ホスピスに設置されており、京都府でも必要ではないかと考える。
  •  患者の希望は、「家族の負担にならないこと」、「人の役に立つこと」、「意識が明確であること」であり、海外のホスピスでは、患者が掃除等を自主的に行っているケースもあるが、日本はホスピスの数も少なく、活動できない終末期患者しか入院できない状況であり、こうした取組はできていない。
  •  ガン患者の緩和ケアや週末医療には相当なお金がかかるため経済的支援も不可欠。また、一般の病院での緩和ケアを望む声が多いことから、そのための人材育成が必要。その意味でも緩和ケア病棟が不可欠である。

(京都府の取組の説明)

  •  中村健康福祉部副部長より、京都府内の拠点病院等の状況、緩和ケア研修、緩和ケア病棟等について説明

(委員等からの意見)

  •  イギリスの緩和医療病棟で、患者と1メートル以内に座って話すことにより、患者の心を開く医師の話を聴き、教育の中心は実体験であることが重要であることを実感した。人の役に立ちたい、迷惑になりたくないという思いは、脊髄損傷による中途障害者と同じ。情報伝達やコンピューターへの入力等、ホスピスの病棟でできることがあるのではと思う。
     学生たちは、海外へボランティアに多数出かけている。日本にはボランティアを受け入れる基盤がない。学校で「死」に関する授業がなく、死について教えることがない。小さいときから死生観を身に付けると、大学生になってそうしたボランティアに自然に入れるのではと考える。
  •  緩和ケア医療はどこであっても同じ治療を受けられることが重要である。人材の育成が何より大事であるが、現場教育のための施設が府立医科大学にはない状況である。
  •  緩和ケアの研修については、訪問看護ステーションの看護師等、地域の職員も「看取り」に立ち会うこともあり、北部地域等においても必要と考えている。
  •  緩和ケアチームへのエンパワーメントが大きいと考える。患者さんの役に立ちたいという思いに応える支援を行うことが、生まれた命を全うすることになるのではいかと考える。

高波嘉一氏のスピーチと意見交換

(高波氏スピーチ要旨)

  •  健康寿命が長いことが重要であり、21世紀は、予防医学の時代、医療費削減の面からも、要介護者の削減の面からも有効である。
  •  生活習慣病に対する運動等生活習慣改善が必要との意識はほとんどの人が持っているが、多くの人が失敗している。成功するには、楽しく取り組め、成果が目に見える方法が必要である。
  •  「けいはんな」と「テルサ」にある予防医学研究センターでは、府民の方に研究へ参加協力いただき、運動や食事の改善が体に与える影響を研究している。メタボ予防では、運動や食事指導を受けた方のほとんどで体重、脂肪量、血圧、血糖値などの改善が見られる。人はいい結果を、人に伝えたい、自慢したいという思いがある。経験したことは人に伝えられるので、健康大使として伝える役割を担ってほしい。きちんと伝えられる人が増えることが大事である。
  •  これからは、個人の体質やライフスタイルに合った健康作り指導法の確立や、楽しく継続できる「支援ツール」による健康作り、携帯電話等情報端末を活用した健康情報管理の社会基盤整備などが必要である。

(京都府の取組の説明)

  •  金谷政策企画部調整課長より、京都府の予防医学研究センターの取組について説明

(委員等からの意見)

  •  高波先生の取組が「一次予防(健康増進等)」であれば、京都府立医大の「予防医学センター」では「二次予防(早期発見)」、「三次予防(社会復帰)」に取り組んでいる。近々、認知症の早期発見の研究に取り組む予定である。
     年齢別、障害別等、その人に合わせたテーラーメイドの健康づくりが必要である。
  •  同じ運動でも、近所の掃除をするとか、集団でパトロールをするとか、人と人のつながりをつくる中で健康を考えることが重要と考える。また、個人の健康に関する情報は個人情報保護の観点から慎重な取扱いが求められる。
  •  出産後、母親は食事や健康管理の重要性に気付く。産後、どうしても無理しがちな母親のセルフケアと合わせ、家庭内のセルフケアの重要性を産後すぐに、産婦人科等と連携して実施していただくことができればと考える。こうして育てられた子どもはセルフケアのできる子どもになるのではと思う。
  •  自分の一日の活動量を記録できるソフト等があれば、日々の励みになると思う。

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