トップページ > 府政情報 > 府政運営・行財政改革 > 「明日の京都」の取組(マネジメント) > 「明日の京都」ビジョン懇話会 産業・労働部会(第2回)の概要

ここから本文です。

「明日の京都」ビジョン懇話会 産業・労働部会(第2回)の概要

 平成21年7月13日に開催した「明日の京都」ビジョン懇話会 産業・労働部会(第2回)の結果について、下記のとおり概要を報告します。

日時

平成21年7月13日(月曜)午前9時30分から11時30分

場所

京都府庁第1号館 6階 政策企画部会議室

出席者

「明日の京都」ビジョン懇話会

今井一雄委員、植田和弘委員(部会長)、丸毛静雄委員
(※ 欠席 堀場厚委員) 

ゲストスピーカー

飯尾毅氏(株式会社飯尾醸造代表取締役)
岡民子氏(株式会社ナベル取締役 社長室長)
名古友弘氏(美山町知井振興会会長)

京都府

山田政策企画部副部長、長濱府民生活部男女共同参画監、山下商工労働観光部長、山口商工労働観光部雇用政策監、田中商工労働観光部副部長、小田農林水産部副部長、事務局ほか

議事概要

次のとおり、テーマに基づき、ゲストスピーカーを招聘し、議論
・「ワーク・ライフ・バランス社会の実現」について、岡民子氏
・「地域活性化や魅力あるライフスタイル実現に向けた取組」について、名古友弘氏
・「地域資源等を生かした地域経済の活性化」について、飯尾毅氏

岡民子氏のスピーチと意見交換

(岡氏スピーチ要旨)

  •  育児休暇について、社則では「産前産後休暇何々日」ということしか謳っていなかったが、実際には20年程前から、社長の一声で時差出勤を容認。その後10年程して社則化
  •  昨年の本社建て替えの際に、社内託児所の設置を要望したが、役員5人のうち3人が「会社の業務内容上、10tトラックが会社内を往来して危険」という理由で反対。府・市にも補助金関係で問い合わせるも、「少子化の中、保育園も空きが出てくる。」と否定的意見。しかし、引き続き実現したい思い。設置する際には、0~1歳児を対象、この時期の子どもは、他の年齢の幼児に比べて年度途中の受入が困難なため。
  •  自分の子育ての際にありがたかったのが、お寺で実施されていた里親制度。10人ほど預かられており、微熱があっても受け入れてくれた。
  •  託児所の設置において、現役の保育士は必ずしも必要ないのでは。リタイヤした元保育士を登録して活用できる制度を作ってはどうか。0~1歳児であれば、歩き回らないので、年輩の元保育士でも十分に対応できる。
  •  事業所内託児所のメリットは、時間に柔軟に対応できること。子どもの送迎も不要。休み時間などに気軽に子どもを見に行けたらモチベーションも上がるし、元保育士の方に、若手職員の子育て相談に乗っていただいたりもできる。

(質疑応答・意見交換)

  •  女性の平均勤続年数は?
    …30年が最長。次が20年、続いて10年が2~3人。5~6年の社員が主流
  •  子どもができた時に、評価面で差が出たりはするのか。比較的仕事が楽な部署に配属されたり、というような実態は?
    …評価は特段変わらない。但し、所定労働時間7.75時間、子どもが1歳になるまではマイナス1時間勤務という中で、賞与で若干差別化

名古友弘氏のスピーチと意見交換

(名古氏スピーチ要旨)

  •  平成13年、各地区に振興会を設置、町の職員に2名ずつ入ってもらい、計10名の職員を配置。そこに自治会、村おこし振興会、公民館の業務を一元化、窓口業務を一本化
  •  年間70万人ほどの人が自然を求めて美山町を訪問。特に「かやぶきの里」。そのほか、都市農村交流のための「自然文化村」や、全国的にも変わった植物が自生している「芦生の原生林」など。これらの地域資源により地域も活性化している反面、高齢化に伴い、今後これら観光客に対応できるか不安も。
  •  一方で、田畑は荒廃。「田んぼが荒れると地域は活性化しない」との思いから取組を進め、最近ではその効果も出てきている。
     市町村合併に伴い、農協も合併。その際、使われなくなった支所を町で買い取り、有限会社「村おこしセンター知井の里」として農業活性化に活用
  •  山村留学の取組は11年目。今年も22名の募集があり、6名を受入。「里親」として週1日、地域の人の家に宿泊。当初は皆、受入を嫌がったが、3軒が了解
  •  10集落中、限界集落(支援集落)が3つ、準限界集落が2つという状況。準限界集落もそう遠くないうちに限界集落へ。
  •  Iターンの定住者が昨年16名。定住希望者は多く、毎日HPへのアクセスや問い合わせが多数あるも、空き家はあるが仕事がないという状況。現状としては、森林組合や町工場に勤務。働く場の創出、という意味でも、農業の活性化の必要性を感じている。
  •  旧美山町域の5つの地区はそれぞれに活動するが、「まちづくり委員会」が美山町全体について企画。昨年、地域力再生で「高齢者の元気づくり」に取り組んだ。
     また、3年目を迎える「女性プロジェクト」。このプロジェクトの半分は地域の女性。できるところから美しいまちづくりを、という観点で活動。
     いずれにせよ、今までは行政に頼りすぎていた側面もあり、今後は住民と行政が一体となってやっていきたい。

 (質疑応答・意見交換)

  •  1次産業が落ち込んできている理由は。また、地元のブランド商品は。
    …高齢化が原因。1次産業のほとんどが林業だった。
     美山町の新しいブランドとしては、鯖寿司、鯖そば。「西ノ鯖街道」として、若狭の鯖を使用、30人程度の雇用を創出。そのほか、美山牛乳など
  •  Iターン、Uターンの定住者の雇用を農業関係で確保するというのは難しいのでは。70万人という観光客もあり、観光の仕事を定住希望者と結び付けられたら良い。
    …観光産業についても、新たな定住希望者の仕事を賄えるほどはない。やはり農業をやらないと、景観も守れない。
  •  山村留学は府内で美山町だけだと思うが、当初の発想は。
    …複式学級になることにPTAが反対。「子どもがいないのは寂しい」という意見も。
  •  行政が広域化する中で、行政に希望することは。
    …市町村が合併して、公共サービスは低下。美山の総合支所だけでは用件が終わらない。しかし、自由度、柔軟性は増した。地域懇談会という形で、市長や副市長が直接住民の声を聞いてくれる機会も増加
  •  地域振興会の仕組みについては、「美山モデル」として農林水産省でも関心が高く、「地域マネジメント法人」として来年度の施策化に向け検討中。「新たな結(公)」として、国土交通省も来年度施策化に向け検討

飯尾毅氏のスピーチと意見交換

(飯尾氏スピーチ要旨)

  •  5年前から、高齢化により放棄された宮津市上世屋の田に社員を派遣。7反の田について、社員皆で稲刈り等を実施。除草剤、農薬を使わない米づくりを実践。
     大学生等も田づくり、稲刈り等に参加。稲刈り後の藁については、NPOを通じて納豆業者で活用されている。
  •  形が悪い等の理由で売れない梨やカボチャ、黒豆などを安く買い取り、酢づくりに利用

(質疑応答・意見交換)

  •  値段が少し高いように思うが、どのように販売しているのか。
    …自然健康食品として売り出しており、ここでの売り上げが50%。だが、この業界は現在厳しい状況。ネットでの売り上げが25%。このほか、今は百貨店等でも販売
  •  製品やその作り方を消費者に理解してもらわないと広がらない、という風に感じたが、その価値を認めてもらうために何か努力していることは。
    …有料の広告宣伝はしない。営業マンもいないが、月2~3回、雑誌等のメディア取材があり、ネットの広がりもある。ブログも月半分くらいは更新している。
     価格を1.7倍に抑え、努力しているが、「知る人は知っている」という状況では次につながらないので、今後は一定、有料の広告も出す必要があるかとも考えている。原材料に限りがあり、生産拡大はできない。
     「飯尾醸造と取り引きして良かった、ここの製品を買って良かった」と思ってもらえることを第一に考えている。デパートのバイヤーにも来てもらって、全て見てもらい、その上で決めてもらっている。
  •  価値を大事にした取組、それをどう評価してもらえるかということが課題

お問い合わせ

総合政策環境部総合政策室

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4389

sogoseisaku@pref.kyoto.lg.jp