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「明日の京都」ビジョン懇話会 文化・環境部会(第2回)の概要

 平成21年7月21日に開催した「明日の京都」ビジョン懇話会 文化・環境部会(第2回)の結果について、下記のとおり概要を報告します。

日時

平成21年7月21日(火曜)午後1時から3時

場所

京都府庁1号館 6階 政策企画部会議室

出席者

「明日の京都」ビジョン懇話会

浅岡美恵委員、畑正高委員(部会長)
(※ 欠席 池坊美佳委員、千宗室委員) 

ゲストスピーカー

内藤正明氏(佛教大学社会学部教授・京都大学名誉教授、環境審議会委員、『環』の公共事業行動計画委員)
深町加津枝氏(京都大学大学院地球環境学堂准教授、環境審議会委員、『環』の公共事業行動計画委員、京都府森林審議会委員、京都府農林水産試験研究機関のあり方検討委員会委員)

京都府

髙嶋政策企画部長、山田政策企画部副部長、石野文化環境部環境政策監兼副部長、本田文化環境部副部長、小田農林水産部副部長、今井建設交通部都市計画課長、高熊教育庁指導部長、事務局ほか

議事概要

次のとおり、テーマに基づき、ゲストスピーカーを招聘し、議論
・「環境分野」について、内藤正明氏
・「低炭素社会の実現」及び「環境との共生」について、深町加津枝氏 

内藤正明氏のスピーチと意見交換

(内藤氏スピーチ要旨)

  •  「すべき削減」と「できる削減」のギャップが最大の課題であり、「すべき削減」は60~80%。一方経済の伸びを前提として、「できる削減」は数%でも難しく増大すらしている。
  •  大きな差を埋めるための思い切った提案が必要であり、ハードとソフトで21世紀型の脱石油文明の転換を考えないと議論しても仕方ない。
  •  高層ビルを造ってこれで本当に幸せに暮らせると思ったのか。日本には素晴らしい住まい方があったのに、なぜ捨ててしまったのか。
  •  「自然と共生する自然回帰型」か「ハイテク駆使型」かしかないが、共通の倫理観・価値観をベースに変わっていくことが必要。自然共生型社会で昭和40年代のライフスタイルに戻ると50%削減は可能
  •  世界的規模で取り組むならば、「自然共生型」しかない。「ハイテク駆使型」は資本等の面で発展途上国では無理がある。
  •  京都市のようなコンパクトな都市では自動車を使わない方策等を使ってプランニングすることは可能だが、県単位となると無理。「ハイテク駆使型」は技術開発ができれば可能、「自然共生型」は昭和40年代に戻る覚悟があれば可能
  •  どういう自然観、世界観を持つかをまず議論し、その上に経済システムを考え直すべき。
  •  人口削減や経済的変化、資源の高騰により、化石エネルギーが使えなくなることもある。現在の地球温暖化の将来推計にはこうした要因は入っていない。
  •  小規模水力発電でかなりの部分が賄えるのではと考えるが、大規模発電と同じアセスメントをやれと言われるとできない。こうした現在の法的制度を変えていくべき。
  •  地域の人へのインセンティブを与える仕組みが必要

(委員等からの意見)

  •  住民の価値観を変えるためには意識改革が必要。デンマークでは風力発電が盛んだが、景観を含め違和感なく行っている。
  •  地域特性に根ざした政策をつくるべき。京都市、京田辺市、中山間地域ではやり方が全く違う。中山間地域ではエネルギー自給のシナリオが描ける。政策の柱があれば住民も行動に移せる。地域の人達が自分たちで決められる仕組みが必要
  •  都市型地域と農村地域エリアに分けた対策が必要。経済的活力を求める部分とそうでない価値観で成立する部分をデザインしていくことが重要。大きな変革が必要なのは共通と考える。
  •  数キロワットだが、小規模水力発電の事例は府内5つぐらいあり、そのうち2つは府職員が地域の人とやっている。旧和知町では、水力発電がシンボリックなものとして、地域の活性化やライフタイル・農業のやり方を変えることにつながっている。

深町加津枝氏のスピーチと意見交換

(深町氏スピーチ要旨)

  •  見えている景観と見えていない景観をどうつないでいくかが環境と文化を語る上で大事である。
  •  中山間地域の抱える問題は、棚田・里山の維持、伝統文化の継承が困難なことであり、人口が増加している府南部が抱える課題も同じ。
  •  NPOの活動を地域の人の業にどうつなげていくのかが課題と考える。1次産業の人だけにがんばれというのではなく、生活支援や地元主体の取組支援等、連携により地域が振興する仕組みを作ることが必要
  •  宮津市上世屋では、約20世帯のうち、60~70代が8割だが、いろんな人の係わりで都市と農村の交流があり、農山村の文化が資源となり地域を支えるつながりになってきている。キーワードは「文化多様性」
  •  海や里山に学ぶことが大事。学生が現場に行って作業をすると驚くほど変わる。若い人が日常的にこういう場にかかわれると、大きく変わる可能性がある。

(委員等からの意見)

  •  「空の大きなまちづくり」が重要なキーワードではと考える。NPOが広域的に移動し活動する中、環境問題を考慮し、車なしで移動する仕組みを検討していくことも必要と考える。また、景観に考慮したまちづくりを進め、世界レベルを目指していくことも必要と考える。
  •  中山間地域は平均収入が少ないが支出も少なく、医療や教育環境を整えると暮らしていけると思う。また、府職員をはじめ定年退職者は故郷へ帰るべきであり、地上デジタル放送、光ファイバー通信、下水道、携帯電話等の基盤整備を図っていくことが必要と考える。
  •  京都府景観資産登録は人との営みの中からでできた景観を13箇所登録。景観を守り育てていく仕組みである。
  •  半農半X(Xはその他の仕事、いきがい等)的な暮らし方も出てきている。
  •  旧美山町でも芸術家が移住しているが、仕事をして糧を得る最低限のものは必要。1次産業は、 生き甲斐的な部分とビジネス的な部分と2つあればよい。一定の生活ができる仕組みが必要と考える。

お問い合わせ

総合政策環境部総合政策室

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