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茶業研究所の活動報告(月報)

8月

煎茶用新品種育成に向け、製茶品質の評価を行いました

 当所では、高品質な煎茶の生産に向けて、府オリジナル品種の育成を進めています。
 新品種の候補として、宇治在来種18系統と、奨励品種「うじひかり」、「あさひ」等を母樹とした自然交雑実生※1の中から選抜・育成した4系統の計22系統について官能検査による品質評価を行いました。官能検査の結果、全国でも京都府でも最も生産量の多い品種である「やぶきた」と比較して、味と香りが同程度かそれ以上の系統が2系統みられました。
 今後、今年度を含めて5年間同様の品質評価を行い、有望系統の選抜を進め、茶商工業者やJAなどの評価などを踏まえながら、品種登録に向けた現地適応性試験※2を2023年から実施する予定です。
※1 自然交雑実生:人工交配によらず自然にできた種子を発芽させて得た植物体
※2 現地適応性試験:現地での生育特性や製茶品質を調査する

試験ほ場、摘採直前の新芽

高校生の科学学習を支援~宇治茶の魅力、茶業研究所の取組内容の情報発信~

 当所では、研究内容の紹介や宇治茶についての理解を深めてもらうため、多方面からの視察を積極的に受け入れています。
 8月1日、西舞鶴高等学校理数探究科の生徒16名が、科学学習合宿(サイエンスキャンプ)の一環として、来所されました。「宇治茶についての研究紹介」、「茶種・淹れ方の違いによるお茶の味・成分の変化」をテーマとして、施設見学、お茶の淹れ方実習を行いました。施設見学では、オープンラボ、茶園、人工気象室等を案内しながら、宇治茶の成分的な特徴の解明、病害虫対策技術の開発、新たな品種の育成など、当所で取り組んでいる研究について説明を行いました。
 生徒からは、「お茶について幅広い研究がされていると分かり興味深かった」、「玉露は、いつものお茶と違って出汁の味や海苔みたいな香りがする」、「茶種による味の違いを比べるのが楽しい」などの感想が聞かれました。

 
左:交流室でのお茶の淹れ方実習 右:人工気象室での栽培実験を見学

7月

第36回京都府茶品評会の運営を支援

 茶の栽培・製造技術の改善による府内産茶の品質向上を目指して、京都府茶生産協議会主催の京都府茶品評会審査会が、7月3、4日に宇治茶会館で開催され、煎茶、かぶせ茶、玉露、てん茶について審査が行われました。
 当所は、審査員を担当するとともに、審査の補助員として、関係機関と連携し、審査用見本茶の準備や得点記録の集計など、円滑な審査会運営に努めました。
 本年は2月下旬から4月下旬までの平均気温が平年と比べて高く、新芽の萌芽・生育が早まり、被覆期間や摘採時期の判断に注意が必要でしたが、上位のお茶は香りや味など品質の優れたものがそろっており、出品者の高い技術と努力が伺えました。
 来年京都府で開催される関西茶品評会での上位入賞に向け、審査会で指摘された栽培、製造工程での改善点について、普及センターや地域の部会等関係機関を通じて出品者に伝えるなど、生産技術の向上を支援します。

  
左:てん茶の外観審査 右:審査用見本茶への注湯作業

多方面からの視察受け入れ、宇治茶を情報発信

 当所では、平成29年度のリニューアルを機に多方面からの視察を受け入れ、当所の取組や宇治茶についての情報発信を行っています。
 7月には、茶業関係者のみならず、林業関係、建築関係、金融関係等16団体の視察を受け入れました。
 視察者からは、「手摘みと機械摘みの違いで品質がどのように変わるのか」など、宇治茶に関する具体的な質問を受けました。
 また、7月12日には、林野庁長官が林業大学校の学生とともに府内産木材を利用した研究棟・製茶棟の木製工法・構造物について視察され、併せてシンプルなオープン空間の交流室で学生に対して、今後の林業振興、木材振興について講義をされました。
 今後もより多くの方に情報発信できるよう、積極的に視察を受け入れます。

 
左:林野庁長官が製茶棟を視察 右:交流室を利用して林業大学校が授業

6月

高品質な宇治茶に含まれる特徴的な成分の解明

 当所では、宇治茶ブランドの価値をさらに高めることを目指し、宇治茶の健康機能性について研究しています。
 今年度は、宇治茶を代表する高品質なてん茶(抹茶の原料)に多く含まれる成分を明らかにするために、市場に流通している約150点のてん茶について、100項目の一斉成分分析を行いました。
 今後、成分データの解析を進めるとともに、大学等と連携し、テアニンをはじめとする特徴的な成分の健康機能性を明らかにしていきます。得られた情報は、茶業団体等と協力して、消費者へ向けて発信し、宇治茶の消費拡大を目指します。
※テアニン:玉露やてん茶に多く含まれるアミノ酸。茶のうま味成分の一つで、リラックス効果等の健康機能性を持つ可能性が示されている


左上. サンプルの抽出作業
右. 一斉成分分析データを用いた解析の例
左下. 一斉成分分析データ(イメージ)
(ピーク(例:↓)の数が成分数に対応する)

5月

近赤外光を利用したてん茶の摘採時期判定技術の開発

  当所では、新芽の生育状態を数値化・可視化することで、熟練が必要なてん茶の摘採時期の判断について、近赤外光を利用した判定技術の開発を行っています。
 これまでに、製茶品質と関連の深い新芽の繊維※1含有率を推定するために近赤外光反射率※2との関係を解析し、有効な近赤外光の波長域を明らかにしました。
 今年度は、近赤外光と実際の製茶品質との関係性を確認するために、経時的にサンプリングを行い、製茶をしました。今後、てん茶の成分分析と官能検査を行い、近赤外光による摘採時期判定技術の確立を目指します。
注※1 新芽の繊維:新芽の硬さの指標
注※2 近赤外光反射率:植物ではストレス状態や葉の構造によって変化するため、成長や発達段階を把握する研究に用いられている

 
近赤外光反射率による新芽生育の数値化(イメージ)

4月

平成30年一番茶新芽の生育状況調査

 茶業研究所の定点茶園において、一番茶新芽の萌芽(注1)・生育状況について調査を行い、府内生産者及び関係機関に情報提供を行っています。
 本年は2月下旬以降の平均気温が平年と比べ高くなり、一番茶の萌芽が前年より4日、平年よりは2日早い4月3日となりました。萌芽以降も平年より平均気温が高く(4月平均気温 平年差+1.3℃)なり、新芽の生育は平年より1週間程度早まりました。
 一番茶の摘採が終了する6月以降には、萌芽・生育状況・収量調査の結果をまとめ、本年の一番茶を振り返るための資料として公表します。
注1:萌芽:新芽の長さが包葉(芽を包んでいた葉)の約2倍になった状態のこと

     

 

     
左上. 萌芽宣言(記者発表) 右上. 摘採前日の茶園
左下. 萌芽した新芽 右下. 摘採前日の新芽 

過去の月報リンク

お問い合わせ

農林水産部京都府農林水産技術センター 茶業研究所

宇治市白川中ノ薗1

ファックス:0774-22-5877

ngc-chaken@pref.kyoto.lg.jp

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