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デジタルカメラを用いたてん茶外観の色情報評価システム

1 概要

 まっ茶の原料であるてん茶の品質を高めるため、コンピュータを用いた客観的評価法を開発しました。デジタルカメラを用いて外観を撮影し、得られた情報から品質評価の重要項目である「冴え」と、「冴え」を得るために製造上重要な蒸熱程度を反映した「蒸し度」の両方を求める式を作成しました。

2 背景・目的

 まっ茶の原料であるてん茶は、外観における色沢や色合いを「冴え」と表現し、品質評価の中で最重要項目としてあげられます。「冴え」の良否に影響を与える要因は、栽培から製造まであらゆる場面で考えられますが、良い「冴え」を得るためには生葉に応じた適正な蒸熱が求められます。そこで、蒸熱程度の違いを「蒸し度」と呼び、「蒸し度」を把握することは、「冴え」を向上させるために重要です。
 そして、このような「冴え」や「蒸し度」の評価は、これまで人間の官能検査に頼ってきました。
 そこで、てん茶の外観評価を、人間の官能検査に頼らずに行うため、デジタルカメラで撮影し、得られた画像から「冴え」と「蒸し度」を数値化するシステムを開発しました。

3 成果の内容

 荒茶を載せた審査盆を、一定の光源(15ワット蛍光灯 VITA-LITEが2灯)を備えた暗室装置を用いて、デジタルカメラ(OLYMPUS C-3000 ZOOM)で撮影した画像を対象に評価します。画像の一定の範囲を指定し、Microsoft Visual Bascic .NETとMicrosoft Excelを用いて自作したプログラムにより、色情報を数値化しました。
 得られた数値を明度でしきい値を設け、さらに色相で分類することで、「冴え」を数値化することができました。この数値化した「冴え」は、官能検査による「冴え」評価と順位付けについて、ほぼ同じ傾向でした。
 同様に、明度でしきい値を設けて得られた色情報から、「蒸し度」を数値化することができました。この数値化した「蒸し度」は、官能検査による「蒸し度」評価と、同一生葉を用いたときの「蒸し度」の相対的な強弱(深い、浅い)関係はほぼ同じ傾向でした。

 

撮影風景

暗室装置を用いた撮影

実際は扉を閉めて撮影します

 

  さえ評価のグラフ   蒸し度評価のグラフ

 

 

 

 

4 プログラム

 このプログラムに関心のある方は、当所までご連絡ください。

 

結果表示画面

プログラム評価結果表示画面

 

お問い合わせ

農林水産部京都府農林水産技術センター 茶業研究所

宇治市白川中ノ薗1

ファックス:0774-22-5877

ngc-chaken@pref.kyoto.lg.jp