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更新日:2017年8月3日

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京都府行政の今後のあり方に関する特別委員会管外調査(平成29年8月2日から3日)

佐賀県議会(佐賀県佐賀市)

ふるさとテレワーク推進のための実証事業について

佐賀県では、ICTの活用により、地方にいながら、また、都市部にいなくても仕事ができることが容易になってきたことや、都市部において人材確保が難しくなり地方に人材を求めるという状況となってきていることから、平成27年度に総務省のふるさとテレワーク推進のための地域実証事業として「ふるさとテレワークで人を活かす!九州みらいジャンクション創出事業」に取り組まれました。

この事業では、九州の交通の要衝であるJR鳥栖駅前の商店街の空き店舗を活用してサテライトオフィス「さがんみらいテレワークセンター鳥栖」を開設。株式会社パソナテック、鳥栖市、株式会社ローカルメディアラボ、佐賀大学、久留米大学、NPO法人価値創造プラットフォームと連携して、地方のオフィスに都市部の企業が社員を派遣し、本社機能の一部をテレワークで行う事業や、高齢となった親がいるふるさとへの帰還を希望された方のテレワークでの勤務の継続、クラウドソーシング等を利用した起業等による都市部の仕事をテレワークで受注、都市部の企業がテレワークで働く人材を地方で採用する4つのテレワーク実証を実施されました。

また、テレワークセンターに設置されたコワーキングスペースでは、女性や大学生を対象としたITのスキルを身につける研修を実施されました。さらに、企業向けに設置されたサテライトオフィススペースではネットワーク系企業の30名の社員による交替での利用があり、60数社の企業から視察があるなど、本事業の実施によりテレワークへの関心の広がりや普及していく土壌づくりになったとのことでした。仕事を辞めず、地方に移住する、離職なきUIターンが実現すると、企業にとっても個人にとっても、人材が流出している地方にとっても三方よしでありこのような形態を推進していきたいとのことでした。

なお、実証事業終了後、IT企業の誘致が少しずつ進むとともに、佐賀市や伊万里市でもサテライトオフィスの活用が進むなど、テレワークを活用した都市部からの仕事や人を誘致する自治体が増えており、県としてもこれらの動きを後押しすることで、女性や若者の雇用の創出や就業の場の確保に取り組むとともに、ワークライフ改革を進めながら、働きやすい、暮らしやすい、子育てがしやすい佐賀県にしていきたいとのことでした。

主な質疑

  • 実証事業終了後の展開について
  • 実証事業参加企業の果たした役割について
  • 類型別成功事例について
  • 県内への企業(テレワーク関連)誘致の動き及び課題について
  • 高校生等への事業啓発について
  • 都市部で展開されている仕事の県内での実現の可能性について
  • 都市部企業への危機管理上分散の働きかけについて  など

関係者から概要等について説明を聴取

ワークスタイル変革の実現に向けた取組について

情報通信技術(ICT)の進展により、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が実現できるようになりました。佐賀県では、さらなる行政サービスの向上とテレワーク推進の一環としてタブレットを導入することで大きな業務変革を実現されています。

平成20年1月、佐賀県では全国に先駆け、都道府県初の在宅勤務制度を導入されました。はじめは、制度を導入しただけで広がりが見られなかったため、職場で働くのが当たり前という固定観念から抜け出せずにいるのではないか、テレワークの利点や長所を多くの職員が体験しないままになっていないか、本気で拡げる気があったのか等、拡がらなかった理由を分析され、テレワークを普通の働き方にするために、平成25年8月、ワークスタイル変革を目指して新たな展開に踏み出されました。

同県のテレワーク勤務形態は、在宅勤務、県の総合庁舎等に設置した13カ所のサテライトオフィスでの勤務、出張先・外出先でのタブレット端末を使用したモバイルワークの3形態となっています。

タブレット端末1,000台を職員に配布し、全ての部門に確実に最低1台行き届くようにし、職員が自宅や外出先など、場所や時間にとらわれず柔軟に仕事を行うテレワークを実現するためのICT基盤を整備し、机と同じ環境でどんなタブレットやモバイル端末でも仕事ができる環境、全職員が使える環境を整えられました。また、普及定着のため全職員対象に研修も実施されたとのことでした。

テレワークの全庁展開により、県民の皆さんの前でわかりやすいプレゼンテーションや動画で説明ができる、迅速に県民の皆さんの疑問に答えるといった対応が可能となり、こういったことを通じて県民満足度の向上をさらに図りたいとのことでした。また、危機管理面でも、格段にスピードが速くなり、現場の写真をとり、その写真をすぐ国に報告できるなど、かなり迅速に対応できるようになったとのことでした。

さまざまな分野でそれぞれの現場の特色を活かした工夫がされており、次々と実例が増え、県民の皆さんに1、2日待ってもらっていたことがその場で解決できるようになった仕事が増えた部署もあるとのことで、いろいろな発展性が無尽蔵にあり、期待をされているとのことでした。

主な質疑

  • 県民満足度の向上について
  • 県庁でのテレワークの取組に対する県民の認識状況について
  • 労務管理、データ管理、上司の意識について
  • テレワーク導入による超過勤務や職員削減に対する財務当局からの要求について
  • 最高情報統括官(CIO)公募の経緯及び応募者数について

関係者から概要等について説明を聴取

ヤフー株式会社北九州センター(福岡県北九州市)

北九州編集拠点の開設について

ヤフー株式会社のYahoo!ニュース トピックス編集部では、以前から東京圏で有事が発生した場合に備え、東京と大阪の2拠点で編集業務にあたってこられましたが、2011年の東日本大震災の発生や南海トラフ巨大地震の被害想定が発表されたことなどから、「同時に被災しない」拠点の検討を進められました。その結果、自然災害の発生度合いや、既にオフィスを構えており設備が整っていることなどの要素を総合的に判断され、2014年4月、ヤフー北九州センター内に「北九州編集室」を開設されました。なお、現在は青森県八戸市にも拠点を設けられています。

北九州拠点では、Yahoo!ニュース トピックスの編集業務や、九州と沖縄の媒体社との対話、地域とのつながりの醸成などの役割を担われています。

拠点を増やされたことにより、地域とのつながりがよくなり、「地元意識」を持って取り組めるようになったとのことです。7月に発生した九州北部豪雨に関して「【九州北部豪雨】寄付・ボランティア、私たちにできる支援は」というページを開設されました。また、Yahoo!ニュースの業務の側面では、九州の地方局や地方紙といった媒体社とのコミュニケーションが圧倒的に改善したとのことでした。

一方、サービス本体が東京にあるため、距離のハードルがあり、従来口頭で完結していた社内のコミュニケーションがテレビ会議の利用や社内チャット等での補足が必要になったりと、システムやルールの整備が必要な部分もあるとのことですが、常時拠点間をテレビ会議で接続されており、リアルタイムにコミュニケーションが取れるようにされ、さらに、朝・昼・夜にブリーフィングや引継ぎを実施して課題をクリアされているとのことでした。

また、地元の北九州市やヤフー株式会社が包括連携協定を結んでいる福岡市などと連携を図られており、子ども向けイベントでの協力や福岡市広報課職員の方を対象として「Yahoo!ニュース トピックスの見出し付け講座」を開催するなど情報発信に関する協力を積極的に実施されています。

今後も、地元のメディア企業、自治体との連携を深め、地域の課題解決に貢献したいと考えておられるとのことでした。

主な質疑

  • 拠点分散に伴う働き方の変化について
  • 拠点分散によるコンテンツの向上について
  • テレワークによる影響について
  • リスク分散の取組、東京一極集中からの脱却ニーズについて
  • 北九州移転の判断について
  • 地方に拠点を構えることにより生じたメリット及びコストについて
  • 災害発生時の権限移転(司令塔)について  など

行政2

説明聴取後、施設を視察

お問い合わせ

京都府議会事務局委員会課調査係

京都市上京区下立売通新町西入

ファックス:075-441-8398