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障害のある方々のスポーツへの参加機会の拡大や競技力向上のための環境整備の推進が課題となっており、東京2020パラリンピック競技大会の会場都市となっている千葉市での取組について調査する。
千葉市には世界のトップアスリートが使用する競技用車いすの製造企業、パラスポーツを支援する大学、全国有数の車いすバスケットボールチームやウィルチェアーラグビーチームがあり、車いすスポーツに大変ゆかりのある地域で、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定前から車いすスポーツの聖地を目指して、車いすスポーツを支援されてきた経過がある。
〈主な取組〉
パラリンピックの成功のカギとなるのは、行政、大学、企業、団体、市民など都市の力の結集であり、これは都市の成熟度が試されるものである。車いすスポーツでの経験を生かし、大会を成功に導き、2020年以降はパラリンピック効果により、パラスポーツの盛んなまちへ発展させることが最大の目標であるとのことであった。
概要説明を聴取後、貸出用競技用車椅子に体験乗車
障害のある方々のスポーツへの参加機会の拡大が課題となっており、義足歩行者が自分に合った競技用義足(板バネ)を自由にレンタルすることができる日本で初めてのシステムについて調査する。
新豊洲Brilliaランニングスタジアム(障害の有無や国籍、年齢、性別に関係なく、誰もが走り、体を動かし、表現することを楽しむための全天候型の60メートル陸上トラック)に隣接するオフィス棟に、株式会社Xiborgが競技用義足開発のためにデータ解析や工作作業などを行うラボラトリーを開設されており、選手に合わせた走り方やトレーニングに適した義足を作り、選手を中心に、コーチ、エンジニア、義肢装具士がチームを組み、科学的な見地から研究開発をされている。
義足利用者にとって、競技用義足は高価であり、気軽に試すことが難しい。子どもの走りたい欲求に対してサポートするため、エンジニア、義肢装具士、アスリートたちがコンセプトを考え、クラウドファウンディングを通じた支援により、「ギソクの図書館(義足の図書館)」を研究室の一角につくられ、気軽に試すことが可能となった。
ギソクの図書館は、板バネ各種24本、膝継手6つ及びそれらを接続するパーツを多数そろえ、義足利用者が気軽に試すことができる場になっており、また、月に1回のペースで、義肢装具士によるランニングクリニックも実施されている。
この活動を広げていくにあたり、移動図書館のような取組も実施されており、義肢装具士の方に競技用義足を取り扱ってもらう機会を増やすことが、日本中で義足利用者が走ることを当たり前にする一つのプロセスの最初の段階ではないかとのことであった。
また、株式会社LIXILと連携し、小学校向けに体験用スポーツ義足を使って、義足を使いこなすことの難しさを体感したり、義足利用者のリアルな経験談に触れる「ユニバーサル・ラン(スポーツ義足体験授業)」を実施されている。義足の性能がよければ速くなるという報道をメディアはしがちであるが、そうではなく義足で走ることがどれだけ難しいことかを経験してもらいながら、パラリンピックに向け義足利用者をスポーツ選手として、応援できるようにという狙いで、平成29年には東京の80校の小学校で実施、今年は千葉など80校の小学校での実施を目指して取り組まれている。
施設の概要を聴取した後、競技用義足利用者から説明を聴取
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