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<平成24年第29週>平成24年7月16日〜平成24年7月22日

今週のコメント

 第29週、ヘルパンギーナは先週より増加していますが、例年の推移からみるとピークに近いと思われます。手足口病は例年より低水準で推移しています。A群溶血性連鎖球菌咽頭炎は、20週頃から例年より報告数が多かったのですが、27週以降減少し例年並みの報告件数に戻ってきました。これから秋にかけては例年報告数の少ない時期が続きます。
 レジオネラ症が3件報告されました。
 レジオネラ症は、レジオネラという細菌による感染症です。レジオネラ自体は環境中に広く存在しており、アメーバなどの原生動物を宿主としてその細胞内で増殖しています。人工的な環境では、給湯系、冷却塔、浴場などの水環境中のアメーバなどを宿主として増殖し、そこから発生したレジオネラを含むエアロゾルを吸い込むことで感染します。
 ただし、レジオネラは病原性が強いわけではないので、感染の危険が高いのは、高齢者や糖尿病などに罹患した患者など抵抗力の弱い方です。
 レジオネラによる感染症では、肺炎型と、肺炎が無く発熱・頭痛がみられるポンティアック熱という病型があります。後者は、一過性に発熱や頭痛などがみられ改善しますが、前者は病状の悪化が早く、重篤化し命に関わることもある疾患です。
 診断のため行う喀痰検査では、一般に用いられるグラム染色という検査法では判別しがたいため、特殊な染色法を用います。したがって、まずレジオネラ感染の可能性を疑うことが、診断への第1歩です。他に簡便な方法としては、尿検査があり普及しています。
 レジオネラに対しては一般的な細菌性肺炎に用いる抗生剤(セフェム系、ペニシリン系)は効かず、有効な抗生剤の種類(ニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系など)が決まっています

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が2件報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が2件報告されました
4類感染症 デング熱が1件、レジオネラ症が3件報告されました
5類感染症 劇症型溶血性レンサ球菌感染症が1件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 2.84 3.51
2 ヘルパンギーナ 2.33 4.34
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.73 1.21
4 水痘 0.7 0.77
5 マイコプラズマ肺炎 0.5 0.84

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎が3件報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が6件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のヘルパンギーナ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 1 0.25
中丹西 - -
中丹東 11 2.2
南丹 25 5
乙訓 6 2
山城北 18 2
山城南 5 1.67
京都市 104 2.54
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