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<平成25年第8週>平成25年2月18日〜平成25年2月24日

今週のコメント

 定点あたりのインフルエンザ報告数は13.90で、引き続き低下傾向です。関東地方では警報を脱しています。京都府では全体として14.57です。
 京都府内で風しんの報告が1例ありました。風しんの報告は増加傾向にありますが、風しんの発生には地域差が大きく、関東地方(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県に多く、特に東京都が突出)、次いで大阪府、兵庫県が多くなっています。現在の流行の中心は若い男性ですが(女性は男性の約4分の1)となっています。特に妊娠の初期に女性が感染すると、赤ちゃんが「先天性風しん症候群」にかかることがあります。風しんはワクチンでの予防が可能な疾患であり、若い男性の方や、妊娠を考えている女性の方、妊娠中の女性のご家族の方は予防接種をご検討ください。(参照 @風しん啓発ポスターA風しん啓発ポスター
 なお、今回腸チフスが報告されました。腸チフスはサルモネラ菌の仲間であるチフス菌による感染症です。パラチフスという病気もあり、腸チフスと同様の症状を呈しますが、これは同じくサルモネラ菌の他の仲間であるパラチフスA菌による感染症です。パラチフスの方が、腸チフスよりも症状は軽いと言われています。
 腸チフスは経口感染し、食中毒の原因の一つです。現在では、国外で感染し、帰国後発症する場合が多くなっており、診断にあたっては海外の流行地域への渡航歴も重要な情報です。腸のリンパ組織に侵入し増殖して菌血症をきたし、症状としては高熱が有名で、熱の割に脈拍が早くならないのが特徴です。バラしんと呼ばれる皮しんが発熱時に出たり、肝臓や脾臓が腫れてきます。おなかの症状に乏しく、診断が難しい場合がありまが、治療が遅れると3週目くらいに下血や腸穿孔をきたすことがあります。
 診断に当たっては熱が上がっているときの血液培養で菌を検出することが大切です。抗生剤で治療しますが、腸チフスによく使われるニューキノロンと呼ばれる抗生剤が効きにくい耐性菌の出現が問題になっています。そのため治療にあたっては、どの抗生剤が効きやすいかを培養検査で調べて参考にします。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が3件報告されました
3類感染症 腸チフスが1件報告されました
4類感染症 報告がありません
5類感染症 ウイルス性肝炎、破傷風と風しんが各1件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 インフルエンザ 14.57 13.90
2 感染性胃腸炎 7.20 8.81
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 2.36 2.20
4 水痘 1.28 1.28
5 突発性発しん 0.28 0.45

■基幹定点

報告がありません

■眼科定点

流行性角結膜炎が5件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

** グラフにはありませんが、流行性角結膜炎が、京都府定点当り:0.28(全国:0.42)で突発性発しんと同じく第5位に入っています

今週のインフルエンザ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 118 23.60
中丹西 82 16.40
中丹東 136 17.00
南丹 269 29.89
乙訓 97 16.17
山城北 220 12.94
山城南 64 12.80
京都市 791 11.81
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