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<平成26年第18週>平成26年4月28日〜平成26年5月4日

今週のコメント

 感染性胃腸炎の報告は、先週より減少しました。京都府での定点あたりの報告数は、7.68件となっています。乙訓保健所および中丹東保健所管内、京都市では東山区で、定点あたり15件以上の報告となっています。引き続き全国的に集団感染が報告されています。十分な手洗いを徹底してください。
 腸管出血性大腸菌感染症の報告が2件ありました。腸管出血性大腸菌は、食中毒の原因の一つです。初夏から秋にかけて、特に夏場に多く報告されています。汚染された水や食品(生肉、野菜など)などを介して経口感染します。また少量の菌で感染しうるため、患者や保菌者の便からの二次感染にも注意が必要です。手洗いを励行し、充分加熱すれば、細菌は死滅し感染しません。調理の途中で調理器具や食品が汚染されて感染につながる場合がありますので、加熱だけでなく、調理前、食事前の手洗いや衛生に留意してください。
 インフルエンザの報告数は、定点あたり、1.92件とさらに減少しています。
 侵襲性インフルエンザ菌感染症の報告が1件ありました。インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)による侵襲性感染症のうち、本菌が髄液又は血液から検出された感染症です。検査診断は、菌分離あるいは遺伝子検出のいずれかとなります。発症は一般に突発的で、上気道炎や中耳炎を伴って発症することがあります。髄膜炎例では、頭痛、発熱、髄膜刺激症状の他、痙攣、意識障害などの症状を示します。敗血症例では発熱、悪寒、虚脱や発疹を呈しますが、臨床症状が特異的でないことも多く、急速に重症化肺炎や喉頭蓋炎並びにショックを来すことがあります。
 平成25年4月の予防接種法改正によりHibワクチンが定期接種化され、侵襲性インフルエンザ菌感染症が全数把握対象疾患(5類感染症)に追加されました。通常のHibワクチン接種スケジュールにおいては、生後2〜7ヶ月未満の乳児に対して接種を開始3回の初回免疫後おおむね1年後に追加免疫が推奨されています。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 報告がありません
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が2件報告されました
4類感染症 報告がありません
5類感染症 侵襲性インフルエンザ菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症が各1件報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 7.68 7.21
2 インフルエンザ 1.92 2.52
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.04 1.95
4 突発性発しん 0.43 0.54
5 咽頭結膜熱 0.42 0.49

■基幹定点

流行性角結膜炎が1件報告されました

■眼科定点

感染性胃腸炎(ロタウイルス)が2件報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 8 2.00
中丹西 24 8.00
中丹東 83 16.60
南丹 42 8.40
乙訓 68 17.00
山城北 48 5.33
山城南 3 1.00
京都市 292 7.12
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