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<平成27年第9週>平成27年2月23日〜平成27年3月1日

今週のコメント

 第9週、感染性胃腸炎の報告は、先週と同様に推移しています。 警報レベルには達していませんが、中丹西保健所管内、京都市左京区で定点あたり 10件以上の報告となっています。全国的に集団感染の事例も報告されています。手洗いを徹底してください。
 インフルエンザの報告はさらに 減少し、京都府内における 警報レベルはすべて解除されました。国内のインフルエンザウイルスの検出状況をみると、直近の5週間では、多くがAH3亜型の検出で、次いでB型の報告となっています。外出後の手洗いの徹底が重要です。
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告が 増加しています。今週警報の報告はありませんが、乙訓保健所管内で、定点あたり 5件以上となっています。約8割が10歳未満の報告で、5歳が最も多く、5歳から年齢が離れるほど少なくなっています。予防として、患者との濃厚接触をさけることが最も重要であり、うがい・手洗いの励行も推奨されます。
 日本紅斑熱の報告がありました。日本紅斑熱リケッチアを保有するマダニ(キチマダニ、フタトゲチマダニ)に刺されることにより感染します。刺し口は通常1〜2週間ほど残存し、診断の助けとなります。刺されてから2〜8日頃から頭痛、高熱、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などを伴って発症します。高熱とほぼ同時に紅色の斑丘疹が手足など末梢部から多発します。リンパ節腫脹はあまりみられません。CRP陽性、白血球減少、血小板減少、肝機能異常などはつつが虫病と同様ですが、つつが虫病に比べDICなど重症化しやすいと報告されています。治療として、βラクタム系抗菌薬は無効であり、テトラサイクリン系抗菌薬やニューキノロン系抗菌薬が使用されます。予防としてワクチンはありません。マダニによる刺咬を避けることが重要です。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が2件 報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 日本紅斑熱とレジオネラ症がそれぞれ1件 報告されました
5類感染症 ウイルス性肝炎と梅毒がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 5.84 7.81
2 インフルエンザ 3.76 5.88
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.93 3.01
4 咽頭結膜熱 0.42 0.29
5 突発性発しん 0.38 0.46

■基幹定点

感染性胃腸炎(ロタウイルス)が4件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が2件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 16 4.00
中丹西 31 10.33
中丹東 44 8.80
南丹 36 7.20
乙訓 21 5.25
山城北 39 4.33
山城南 2 0.67
京都市 243 5.93
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