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<平成27年第35週>平成27年8月24日〜平成27年8月30日

今週のコメント

第35週の報告です。
 手足口病の京都府全体での定点あたりの報告数は、先週の2.55件から今週は1.78件に減少しました。地域別で5件以上の報告はなく、いくつかの地域では警報の基準以下となりました。中丹東・南丹、左京区・右京区・西京区・南区など、警報が継続している地域もありますので、新たな発生や感染の拡大にはご注意下さい。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は中丹西で定点あたり3.67件の報告があるなど、増加しました。伝染性紅斑の報告も増加し、乙訓で警報レベルが継続しており、右京区では定点あたり1.80件の報告がありました。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎および伝染性紅斑の報告数は、全国的に過去5年の同時期と比べてかなり多くなっているようです。 感染性胃腸炎咽頭結膜熱は横ばい、ヘルパンギーナ流行性耳下腺炎は落ち着いているようです。 RSウイルス感染症の報告が散発的に見られるようになってきました。これから流行のシーズンに入りますので、とくに乳幼児の接触・飛沫感染にご留意頂き、手洗いとうがいを励行してください。
 全数報告対象の感染症については、結核4件腸管出血性大腸菌感染症3件A型肝炎レジオネラ症カルバペネム耐性腸内細菌感染症がそれぞれ1件報告されました。
 A型肝炎はA型肝炎ウイルスに感染して肝炎を発症する疾患です。水と衛生の整備が不十分な開発途上国での汚染された食物や水、氷などの経口摂取、あるいはヒト-ヒト間の接触感染(糞口感染、性的接触)によって引き起こされます。国内ではカキやアサリなどの二枚貝を含む魚介類を食することによる、食中毒の事例も多く見られます。比較的長い2〜7週間の潜伏期間ののち、発熱、全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐などの症状を起こしますが、非特異的なものがほとんどです。治療法は安静や対症療法が中心で、慢性化することはなく1〜2カ月の経過で回復しますが、劇症化して死亡する事例もありますので、カキの生食などにはリスクが伴います。食中毒の観点からは、排便後、調理前、食事前の手洗いが重要です。またA型肝炎は予防可能な感染症ですので、海外渡航時は事前にワクチンを接種しておくことも大切です。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が 4件 報告されました
3類感染症 腸管出血性大腸菌感染症が 3件 報告されました
4類感染症 A型肝炎とレジオネラ症が それぞれ 1件 報告されました
5類感染症 カルバペネム耐性腸内細菌感染症が 1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 2.42 3.07
2 手足口病 1.78 5.66
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.78 1.24
4 伝染性紅斑 0.53 0.54
5 流行性角結膜炎 0.50 1.09

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎が 3件、クラミジア肺炎と
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が それぞれ 1件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が 9件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の感染性胃腸炎地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 2 0.50
中丹西 18 6.00
中丹東 17 3.40
南丹 - -
乙訓 13 3.25
山城北 24 2.67
山城南 - -
京都市 105 2.56
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