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<平成28年第26週>平成28年6月27日〜平成28年7月3日

今週のコメント

平成28年第26週の報告です。
 感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数は5.41件と横ばいでした。市内左京区の報告が18.50件と多く、目立っています。食中毒の起こりやすい季節ですので、手洗いや消毒、食品の取り扱いにくれぐれもご留意下さい。
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告はやや減少し定点あたり1.54件でしたが、全国的には2.5件を上回る流行が続いています。
 ヘルパンギーナの定点当たり報告数が、先週の1.92件から3.03件に著しく増加しました。山城北地区では警報レベルに至っており、さらなる増加にご注意ください。
 咽頭結膜熱(プール熱)の京都府下の報告は定点あたり0.33件でしたが、全国的には0.7件前後で流行しています。引き続きプールなどでの感染にご注意ください。
 流行性耳下腺炎の定点あたりの報告数は0.91件でした。全国的にも定点あたり1件前後の報告が続く流行です。ご留意下さい。
 手足口病の定点あたりの報告数は0.61件でした。今後流行していく可能性があります。
 伝染性紅斑の報告は定点あたり0.42件、山城南地区の警報レベルは続いています。
 また全国的には流行性角結膜炎、いわゆる“はやり目”の報告が定点あたり0.8件前後と流行しています。アデノウイルスが涙や目やにを介して感染する病気ですので、タオルの共有を避けて手洗いをこまめに行ってください。
 全数報告対象の感染症については、結核が12件、重症熱性血小板減少症候群レジオネラ症がそれぞれ1件、後天性免疫不全症候群侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ2件、梅毒が1件報告されました。
 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の報告がありました。SFTSウイルスをもつマダニにかまれて感染し、6日〜2週間の潜伏期を経て発熱や消化器症状を発症し、その他リンパ節腫脹・頭痛・筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状や肝機能・腎機能の低下、血小板減少などに起因する出血症状がみられます。予防が大切ですので、屋外では腕・足・首も含めて露出を少なくし、マダニから体を守ってください。血液等の患者体液との接触も、感染リスクがありますのでご注意ください。また、結核の報告が12件ありました。新規患者の約4割が80歳以上と言われていますので、特に高齢者の感染にご注意ください。
 『夏かぜ』の代表、ヘルパンギーナの報告が顕著に増加して来ました。高熱と口腔内の痛みを伴う水疱を特徴とし、夏季に5歳以下の子供に流行する急性ウイルス性咽頭炎です。通常は1週間ほどで自然治癒しますが、髄膜炎・心筋炎を合併することがあり、頭痛・嘔吐や心不全の兆候に注意が必要です。今季は『夏かぜ』に大人が感染するケースも目立つようです。対策として、タオルや食器は共用せず、眼をこすらないよう注意して、引き続きうがい・手洗いの徹底をお願いします。食品衛生やオムツの処理にもご注意ください。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が 12件 報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 重症熱性血小板減少症候群レジオネラ症が それぞれ 1件 報告されました
5類感染症 後天性免疫不全症候群侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ 2件、梅毒が 1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 5.41 4.98
2 ヘルパンギーナ 3.03 2.26
3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.54 2.68
4 流行性耳下腺炎 0.91 1.06
5 手足口病 0.61 0.48

■基幹定点

感染性胃腸炎(ロタウイルス)が1件 報告されました

■眼科定点

急性出血性結膜炎が 1件、
流行性角結膜炎が 4件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週のヘルパンギーナ地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 4 1.00
中丹西 - -
中丹東 4 0.80
南丹 16 3.20
乙訓 16 4.00
山城北 80 8.00
山城南 4 1.33
京都市 106 2.52
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