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<平成28年第40週>平成28年10月3日〜平成28年10月9日

今週のコメント

平成28年第40週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、3.37件で横ばいです。
流行性耳下腺炎の定点当たりの報告数は1.09件とやや減少しました。山科区の注意報は解除となりましたが、依然として例年にない全国的な流行が続いていますのでご留意下さい。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数はやや増加し、定点当たり0.99件と高止まりしています。秋から冬にかけての流行が予想されますので、感染予防に留意してください。
咽頭結膜熱(プール熱)の報告はやや増加し、定点あたり0.54件となっています。南区では警報レベルが続いていますので注意してください。
RSウイルス感染症の報告がさらに増加し、定点当たり1.25件に達しています。全国的にも定点あたりの件数は急激に増加しており、感染拡大予防のため引き続き手洗いとうがいを励行してください。
ヘルパンギーナ、手足口病、突発性発疹は落ち着いているようです。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、デング熱が1件、レジオネラ症が2件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症が1件報告されました。
レジオネラ症は、特に高齢者や糖尿病などに罹患した患者など抵抗力の少ない人を感染させることが知られています。予防として、感染源となる給湯系、冷却塔、浴場などの、水環境に対する衛生管理が重要です。
今週の基幹定点の報告として、マイコプラズマ肺炎が4件報告されました。頑固な咳が続くことが特徴で、最初は乾いた咳が続き、その後痰がからんだような咳になっていきます。肺炎を起こすとマイコプラズマ肺炎と呼ばれますが、喘息のようなゼイゼイした呼吸になって気管支喘息に準じた治療が必要となることがあります。38度以上の高い熱が出ますが、比較的全身状態は良好で、症状のわりに血液検査上の炎症所見がさほど強くないことも、特徴の一つです。起こりうる合併症は多彩で、中耳炎、発疹、下痢・嘔気などの消化器症状、心筋炎、心膜炎、髄膜炎、脳炎などが知られています。
現在RSウイスル増加していますが、今後インフルエンザウイルスやマイコプラズマ肺炎など、上気道炎症状をもつ呼吸器感染症が増えていきます。手洗い、うがいで感染予防を行うと同時に、咳が出る際は咳エチケットを心がけ感染拡大に留意することが必要です。

全数報告の感染症

分 類 報 告
1類感染症 報告がありません
2類感染症 結核が 6件 報告されました
3類感染症 報告がありません
4類感染症 デング熱が 1件、 レジオネラ症が 2件 報告されました
5類感染症 カルバペネム耐性腸内細菌感染症が 1件 報告されました

定点把握の対象となる5類感染症

■京都府及び全国での定点当りの報告数が多い上位5疾患

感染症名 定点当たりの報告数
京都府 全国
1 感染性胃腸炎 3.37 3.69
2 RSウイルス感染症 1.25 2.32
3 流行性耳下腺炎 1.09 1.11
4 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.99 1.61
5 手足口病 0.92 1.39

■基幹定点

マイコプラズマ肺炎が 4件 報告されました

■眼科定点

流行性角結膜炎が 6件 報告されました

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■京都府での定点当りの報告数が多い上位5疾患の推移

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今週の咽頭結膜熱地図(京都府版)

地図
罹患数 定点当たり
丹後 1 0.25
中丹西 - -
中丹東 1 0.20
南丹 12 2.40
乙訓 5 1.25
山城北 4 0.40
山城南 1 0.33
京都市 17 0.40
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