hirame

（４）他海域のヒラメとの比較

　以上のとおり、京都府沿岸海域で漁獲されるヒラメの年齢と成長との関係が明らかになりましたので、次に、京都府におけるヒラメの成長が、他海域のヒラメの成長と比較して早いのか遅いのかについて検討してみます。

　ヒラメの成長は、上述しましたように雌雄によって異なることから、京都府と同様の手法によって、雌雄別の成長に関する知見が整理されている他県のデータと比較したのが図５です。この図は、先ほど求めたようなヒラメの成長式を各府県ごとに図示したものです。青森県及び新潟県におけるヒラメの満年齢時の全長と比較しますと、雌では7歳まで、雄では5歳まで京都府のヒラメの方が大きいことがわかります。

　一方、九州北西海域及び九州南西海域のヒラメの成長は、いずれの年齢でも京都府よりも良さそうです。これら他海域におけるヒラメの成長と京都府のそれとの比較から、本州日本海沿岸海域から九州東シナ海にかけては、ヒラメの成長は概ね南の海域ほど早い傾向がありました。また、京都府沿岸海域は、ヒラメの分布域という観点でみるとほぼ中間の位置にあり、その成長速度もちょうど中間程度であることがわかりました。

次章へ
前章へ