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1.アマモの生活
  アマモは、北半球の太平洋、大西洋の温帯地方の沿岸に分布し、日本では北海道から南九州まで分布(沖縄地方にはリュウキュウスガモに代表される熱帯性のアマモの仲間が分布)している「海草」です。 アマモは、もともとは陸上で生育していたものが、その後の進化の過程で海に生活の場を拡げたといわれています。栄養のとり方で比較すると、コンブやワカメに代表される海藻は海水中から栄養をとりますが、アマモは海底の砂や泥などの底質(土壌)から陸上の植物と同じように根を通して成長に必要な栄養をとる植物です(葉
写真1 アマモの花穂
からも若干栄養を吸収するといわれている)。そのため、陸上の植物と同じように根、茎、葉がはっきりとしており、時期が来れば花(花穂(かすい))が咲き、実(種)を付けます(図1 アマモの概要図、花穂の写真2)。通常、アマモは比較的波の静かな浅場の砂泥域にアマモ場と呼ばれる群落を形成し、地下茎などで勢力を広げていきます。枯れた葉などは分解され、肥料となって、次に出てくるアマモ等の栄養となります。アマモは1つの株に雌と雄の株が同居する多年生の植物で、成熟した株は春に花を咲かせ、6〜7月頃に実を結んだ後に葉や茎は枯れ、一部は流れていきます。枯れた葉や茎は周辺に堆積して種が発芽する際の栄養となります。種は海底に落ち秋までは休眠し、晩秋から冬にかけて発芽します。発芽したアマモは夏頃まで成長し、種を作るという繁殖サイクルを繰り返し、勢力を拡大していきます。アマモの繁殖方法はこの種によるものと株による方法があります。種による繁殖の仕方は先に紹介したとおりで、株による繁殖の方法は株が地下茎によって増え、新しい株を作ります。特に春はよく成長し、その際には栄養株が盛んに株別れをおこないます。
 
栄養株:成長に必要な栄養を蓄える株
生殖株:種を作る株
実生株:種から生長した株
花 穂:穂(ほ)のような形に群がって咲く花。例 オオバコの花
 
 浅場から深場にかけて生育する場合のアマモの分布制限要因のうち、浅場に生える上限は主に潮位によって決まるといわれています。その理由として、干潮時に葉が海面にまで現れた場合に、風や波浪などで葉が傷つきやすくなるためと考えられています。深い場所に生える場合の下限は生長条件のひとつである太陽の光がどこまで届くのかが重要となります。光環境は底層光量が年平均2.5E/u・日以上は必要といわれています。光が水を通すには水の透明度(水の濁り)とも関連することから、水が濁っているとアマモの生育に必要な光の量が底の方まで十分に行き渡りません。アマモの生育には水の透明度は年間を通して2m以上は必要といわれています。昨今の水質の悪化はアマモの生育に影響を与えているといえます。また、潮位の高低差もアマモの生育に影響し、例えば有明海や瀬戸内海等のように潮位差が1m以上になるような場所はアマモの生育環境が良いとはいえません。しかし、潮位差が1m以下であれば生育には特に影響はないといわれています。舞鶴湾の潮位は、平均値からの差をみますと年間+30cmからー40cmで変動していることから、舞鶴湾の潮位差はアマモの生育への影響は少ないといえます。
 
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