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3 磯根資源の利用で浜に活力を
 
(1)新規着業者を増加させるために
 これまでの慣習を変えて潜水漁法を導入することについては、多くの議論があると思います。しかし、高齢化や後継者不足の問題を抱えた地区は多いのではないでしょうか。水視漁業者を含め漁業従事者は、年々減少しています。自分たちの浜の資源を大事に守っていても、それを漁獲する人がいなければ仕方がありません。各浜で新しく漁業を始めようとする人を増やす努力が必要です。
 ところが、水視漁法では操船や漁獲物の発見・漁獲などの特別な技術が必要であり、習熟するのに相当年数がかかります。一方、潜水漁法は高齢者が新たに取り組むのは困難ですが、若い人にとっては比較的参入しやすい漁法です。最近のマリンレジャーブームでダイビングに親しむ若い人が増加しています。潜水漁法なら、新しく漁業を始めようとする若い人たちも受け入れやすいのではないでしょうか。各浜で将来の漁業のあり方、資源の利用の仕方などを含めて話し合っていただきたいと思います。


(2)磯根資源の利用と漁場の管理

 水視漁業者の方には、潜水漁法を導入すれば獲りすぎで資源を無くしてしまうのではという不安があると思います。やはり、資源を管理して適切に磯根資源を利用するルールづくりが必要です。多くの海藻は1年で成長して漁獲できますが、ウニ類やアワビ・サザエなどは産卵・孵化後3年以上経過しないと漁獲サイズになりません。漁場を区分して、種苗の放流場所などをしばらく禁漁区に設定したり、時期を限って潜水漁法を導入するなど、皆さんで話し合われたらいかがでしょうか。水視漁業者がこれまで大事に守ってきた資源です。漁場の管理、資源の管理を適切に行い、計画的に利用すべきです。
 磯根漁業での漁獲物は、定置網や釣り漁業などの漁獲物とは異なり、漁獲してそのまま出荷できるものだけではありません。ウニ類や海藻類では、漁獲してから陸上での加工や処理に人手が要ります。先に述べたように、キタムラサキウニでは出荷まで短期間飼育することもあります、潜水して漁獲する人だけでなく、多くの人がそれぞれの作業を分担することで、磯根の漁獲物を付加価値の高いものにすることが可能です。磯根資源を競争ではなく共同で利用することが重要です。
 アワビやサザエの種苗放流や害敵駆除では潜水による作業が必要なこともあります。水視漁業者と潜水漁業者とが互いにプラスになるよう、磯根資源の有効な活用の仕方について考えてみてはどうでしょう。

(3)新しい漁場・藻場の造成
 これまで府内の多くの海域で、アワビ、サザエ、ウニ類などの増殖を目的とした築いそ事業や増殖場造成事業が行われてきました。これらの事業の目的は、コンクリート製ブロックや自然石を投入して、そこにアワビ、サザエなどの餌となる海藻を生やすと同時にそれら磯根生物の住み場をつくることで、磯根資源の増大を図ろうとするものです。また、漁港などの工事においても、できるだけアワビやサザエの住み場所が増えるような工夫もされていました。例えば、コンクリート製消波ブロックには溝付きのものを用いるなどといったことです。
 今後も京都府では、環境浄化に役立つ藻場造成(海の森づくり)や漁場造成を行う計画です。新しくできた漁場を積極的に利用していただきたいと思います。造成された漁場の活用と適正な管理のために、潜水漁法の導入について次のような考え方で、各浜で話し合われてはいかがでしょうか。


 「新しい漁場では、新しい漁法で、新しい漁業者の参入を」です。
 


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