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京都府自然環境目録2015

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地質のロゴマーク地質の概要

京都府は、北は日本海に面し、東は福井県、滋賀県、三重県と接し、西は兵庫県、南西は大阪府、南は奈良県に接する。歴史的には京都府は北から丹後国、丹波国、山城国であるが、丹波国は兵庫県多紀郡と氷上郡とを含んでいた。丹後国は丹波国を割いてつくったもので、山城国からみて、口丹波の北が中丹で、その北が丹後であることが理解できる。ただし、丹後国は福知山市大江町と舞鶴市以北で、兵庫県豊岡市但東町から与謝野町、宮津市へかけての大江山北方の山地は丹後山地と呼ばれ、京丹後市、伊根町、宮津市北部を奥丹後半島と呼んだこともこれで理解できる。現在は丹後半島と呼ばれ、京都府の地域区分では丹後地域は与謝野町と宮津市以北とされ、大江町と舞鶴市は中丹地域に含まれる。そして丹後地域と中丹地域とを京都府北部地域という。

丹波国の京丹波町、南丹市美山町以南を京都府中部地域という。丹波高地はこの地域の中・北部を中心に広がる。京都府南部地域は山城国である。現在は北から京都市・乙訓地域、山城中部地域、相楽地域という。京都市左京区は北へ美山町の東まで広がっているが、山城国がそうだったのである。

府県の境界の多くは山地の尾根、すなわち分水界であるが、京都府の境界を横切る河川には次のようなものがある。旧丹波国内の兵庫県からは竹田川、寺尾川、友淵川などが流入する。大阪府へは亀岡市から大路次川、宮浦川、安威川が流出し、京都市西京区からは芥川が、大山崎町と八幡市からは淀川が流出する。奈良県からは山田川、白砂川、打滝川、布目川、名張川が流入し、三重県からは木津川が流入する。京都市左京区から滋賀県へは安曇川上流の河川が流出し、滋賀県からは瀬田川が宇治市へ流入する。

大陸をつくっている先カンブリア時代の岩石を基盤(岩)といい、その上に形成された地層、岩石を被覆層というが、大陸に付加した付加体は基盤に含められる。西南日本の地質は先カンブリア時代の陸塊とその東側に付加した付加体と、それらの上をおおった被覆層とに分けられる。京都府は基盤の地質構造区分からは、日本海側から飛騨外縁帯、舞鶴帯、超丹波帯、丹波帯、領家帯となる。一部に浅海や陸成の地層も含まれるが、白亜紀以前の地層・岩石をここでは基盤として扱う。また中生代後期酸性火成活動の産物には、火砕流堆積物や溶岩と貫入した花崗岩類とがあり、白亜紀から古第三紀にわたる。ここではそれらも基盤として扱う。

飛騨外縁帯は丹後地域が含まれるが、そこでは飛騨外縁帯をつくる基盤岩の分布は見つかっていない。現在見られる基盤岩は古第三紀に貫入した宮津花崗岩類で、一部にその前に噴出した流紋岩類がある。

舞鶴帯は舞鶴市から西南西に福知山市金山・川口地域に至る狭長な地帯で、北西側から夜久野岩類、舞鶴層群、夜久野層群、舞鶴層群、難波江層群と荒倉層、夜久野岩類の帯状配列が認められる。なお、北西縁部には以上の帯状配列に加え、大江山超塩基性岩体・舞鶴花崗岩と中部ペルム系下見谷層(志高帯と識別されることがある)がある。

超丹波帯は舞鶴帯の南東側の狭長な地帯で、北西側より大飯層、十倉層、氷上層に区分され、それぞれ断層で接している。丹波帯構成層に連なるものがあり、丹波帯の上にナップ構造をなして分布すると考えられる。

丹波帯は丹波層群と呼ばれる海洋プレート層序をなす地層で構成されているが、大きく二つのグループ、Ⅰ型とⅡ型地層群に分けられる。Ⅰ型地層群は主に三畳~ジュラ系からなる相対的に地質年代が新しく、Ⅱ型地層群は石炭~ジュラ系からなるもので、Ⅰ型地層群の上にナップ構造で乗っているという。すなわちⅠ型地層群は低角衝上断層でⅡ型地層群の下位に分布する。したがって背斜構造の形態をしたアンチフォームの部分にあらわれている。これらの構造はほぼ東西性である。

近年、Ⅱ型地層群の上位に、ペルム紀の緑色岩類、ペルム紀中世~三畳紀中世のチャートや頁岩、砂岩層などが、Ⅲ型地層群と識別された。それは、京都市西京区と長岡京市の一部、大山崎町の西山山地南部などにあり、丹波帯では最初に付加した地層群であるという。

領家帯は丹波帯の南の花崗岩類と変成岩類の地帯である。変成度の大きい木津川構造線以南を領家帯とするのが一般的であるが、変成作用はその北の丹波帯にまでおよんでいる。変成分帯では北から黒雲母粘板岩帯、複雲母千枚岩帯、片状ホルンフェルス帯、珪線石片麻岩帯に分けられている。領家帯花崗岩類は古期と新期に分けられ、前者は笠置付近に分布し、片麻岩が含まれる。後者は笠置町東部と南部、南山城村に分布する。

白亜紀・古第三紀花崗岩類は領家帯以外にも大小の花崗岩体が京都府内にある。それらは北側の山陰帯と南側の山陽帯に分けられる。前者は宮津花崗岩である。後者は丹波帯で比良、比叡花崗岩体がある。丹波層群に熱変成を与えており、行者山花崗岩体近くの桜石はとくに有名である。これらとは別に白亜紀古世の放射年代を示す花崗岩の小岩体が、日吉町生畑や京都市左京区花背、鞍馬などにあり、化学的性質から海嶺軸を含んだ海洋プレートが沈み込んでできたマグマから形成されたと推定されている。

新第三紀中新世以降の地層と火山噴出物が京都府の被覆層である。大陸東縁が割れて日本海の前身の淡水域から海域に堆積したものが丹後地域に広がっている。1,500万年前頃に西南日本が時計廻りに回転した後も火山活動が続いた。丹後の海成層と同時期の東からの海進の地層が山城地域の宇治田原町にある。

新第三紀鮮新世から第四紀にかけて、山城盆地周辺に河湖成層が堆積した。これは大阪層群最下部から下部で、南北性の山城盆地形成前の現琵琶湖周辺から大阪平野へかけての広大な低平地の一部であった。京都盆地周辺には第四紀前期中期の河湖成層に、大阪湾が拡大した時期の海成粘土層が5~6層挟まれている。これは大阪層群下部の上の方から上部である。そして45万年前の断層ブロック運動で、現在の南北性山地と丘陵、盆地ができた。京都盆地の下には、大阪層群下部の上の方から上部層の上に、大阪層群最上部層がのっている。それは、河湖成層に海成粘土層が1層挟まれている。山城盆地にも大阪層群最上部層があり、丹波山地の盆地も45万年前の断層ブロック運動でできたと考えられる。

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