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京都府レッドデータブック2015

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鞘翅(コウチュウ)目 ミズスマシ科

ミズスマシ

Gyrinus japonaicus Sharp, 1873
京都府カテゴリー

絶滅危惧種 

2002年版 要注目種 2002年版を参照する
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)
ミズスマシ♀

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選定理由

本種の生息は水圏環境が良好であることの指標となる。

形態

体長はほぼ6.0~7.5mm。背面に光沢があるがやや鈍い。上翅会合線は縁どられ、前胸背板の後角部に小孔がない。

分布

北海道、本州、四国、九州、種子島、対馬。日本固有種。

◎府内の分布区域 竹野郡弥栄町味土野:弥栄町(1990):京都市左京区八丁平:京都市経済局(1985):相楽郡南山城村野殿(12. ⅸ. 1993.水野弘造採集):福知山市(22. ⅸ. 2003. 吉安裕採集)。

生態的特性

池や河川の緩流域に生息する。成虫は他のミズスマシ類同様、水面上の小動物を、幼虫は水中で他の水生昆虫類を捕食する。成虫は水中の水草などに産卵する。

生息地の現状

かつては、水さえあればどこにでもいる甲虫であった。池も沼も今でも変わらずに存在しているように見えるが、それが見かけだけのものであることは消滅した前種や本種が証明している。自然環境のよく残された奈良公園では、今でも稀でなく見られる。

生存に対する脅威

池、沼は各地にまれでないが、本種はもちろん、他のミズスマシ類もまったく見ることがなくなった。農薬だけでなく他のいろいろな物質による水環境の汚染が広範で、昆虫のみならず、水圏の生物はいずれも多大な被害を受けている。近年の内分泌撹乱物質の発見も水生生物でわかったことである。

必要な保全対策

水質だけでなく、周辺環境も含めた自然豊かな水環境を保全・再生すること。とくに改修にあたっては、現生息環境が保持できるような工法をとること。

改訂の理由

かつては、もっとも普通にみられたミズスマシ科の一種であったが、近年、とくに2000年以降ほとんど観察されなくなった。2003年の調査で生息が確かめられた福知山市の池でも、2013年には確認できなかった。

その他

日本固有種

文献 弥栄町(1990)、京都市経済局(1985)

執筆者 高橋敞(補筆:吉安裕)

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