シイ群落　　

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シイ群落　

+　基礎データ　+

分類	常緑広葉高木林
区分	カナメモチ－コジイ群集・ヤブコウジ－スダジイ群集

+　主な分布と京都府カテゴリー　+

(カテゴリーをクリックすると解説を表示します)

京都府内の主な分布		京都府カテゴリー
八幡神社	宮津市字宮村丘	管理維持
富持神社	中郡大宮町上常吉入船谷	管理維持
枳殻神社	中郡峰山町字橋本	管理維持
常立寺	中郡峰山町字吉原	管理維持
八幡社	中郡峰山町字長岡	管理維持
金剛院	舞鶴市鹿原弘法	管理維持
大川神社	舞鶴市大川	管理維持
本行寺	舞鶴市引工新	管理維持
松尾寺	舞鶴市松尾町	管理維持
海蔵寺境内	舞鶴市三浜里道	管理維持
下福井	舞鶴市下福井	管理維持
皇大神社境内	加佐郡大江町皇大神社	管理維持
坂本神社	綾部市田野町愛岩	管理維持
大本教神苑内	綾部市大宮町本宮山	管理維持
若狭湾冠島	舞鶴市冠島	要保全対策
古岩神社	船井郡瑞穂町字井脇	管理維持
与能神社	亀岡市曽我部町	管理維持
安祥寺	京都市山科区安祥寺	管理維持
円山公園	京都市東山区円山公園	管理維持
清水寺裏	京都市東山区清水寺	要保全対策
松尾大社の裏山	京都市西京区松尾町	管理維持
嵐山宮ノ前町	京都市西京区嵐山宮の前町	管理維持
法然院	京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町	管理維持
銀閣寺町	京都市左京区銀閣寺町	要保全対策
神護	京都市右京区梅ヶ畑高尾町	管理維持
観音寺	乙訓郡大山崎町日味才	管理維持
興聖寺	宇治市宇治山田	管理維持
水度神社	城陽市寺田宮ノ谷	管理維持
神殿神社	相楽郡精華町山田医王寺	管理維持

+　詳細　+

特長	シイは丘陵地、低山地などの優占種であり、西日本の照葉樹林帯の最も優占種である。一般的には、海岸近くはスダジイが、山地ではコジイが林を作る。京都府では主として北部地域の海岸から山地にかけて、南部地域の北部山地以外は分布可能な範囲であり、実際にも今回リスト化された中でシイ群落は最も多い。立地は適湿な斜面上などであるが、やや広く分布する。一般的には、一斉林を作る事が多く、状態のよいシイ群落ではほとんど高木層はシイだけで覆われ、亜高木層や低木層にも、次世代のシイが存在するというような群落は珍しくない。しかし適度な湿度が必要であるために、周囲の開発やシイの個体が枯死するなどして林内が乾燥すると、シイが弱り、亜高木層や低木層に他の常緑樹がはいるようになり、林相が変わってくる。したがって、林内の構成種相からもそのシイ群落の状態を判断することができる。府北部地域では、シイがほぼ高木層を占め、林内にソヨゴ、アセビ、シラカシ、モチノキ、アラカシ、ウラジロガシなどが見られる事が多く、常緑樹が非常に多い群落をつくる。南部地域では、やや高木層にシイ以外の樹種が入る事が多く、アラカシなどが混成し、林内には、アラカシ、サカキ、ヤブツバキ、カナメモチ、ナナメノキなど、やや乾燥地にも侵入するような常緑樹が見られ、その出現樹種数も多い事がある。京都では社寺林の優占種になることが多く、実際にも集落や市街地の近くでこんもりした常緑樹の林がある場合には、ほとんどがシイ群落である。ただし、社寺林がもともとの林の断片であるという言い方をすることがあるために、実際の林がそのままに残っているようなイメージを持つ事があるが、そうではなく、恐らくは周囲が開発されて残った林を保全したり、補植したりしながら現在に残してきたものである。その点を含めて、実際に存在する林の構成種を見ることが必要である。
分布	シイ群落は西南日本の優占種であり、中部地方を除いて、太平洋側と日本海側では海岸にそって東に分布している。近畿地方では300～400m程度までがシイの分布域であり、京都府でもそのゾーンにはシイ群落が見られる。特に京都府では北部地域と南部地域がそのゾーンにあたり、中部地域にはごく少ない。
保存に対する対策	現実にはほぼ全て管理されている群落であり、管理者が知らない間に開発がされるということはない。また多くが社寺林であるため、特別な事情がないかぎりは適切な管理がされる事になっている。したがって、各地域ごと、あるいは京都府としてシイ林が原植生に近い大切な林である事を広く知ってもらう事が大切である。

地域生態系文献一覧　

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