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ヒヌマイトトンボ

基礎データ

※項目の解説

学名 Mortonagrion hirosei Asahina, 1972

分類群 昆虫類

目名 トンボ目

科名 イトトンボ科 

ヒヌマイトトンボ

レッドデータブックカテゴリー

京都府カテゴリー 絶滅寸前種

環境省カテゴリー 絶滅危惧I類(CR+EN) 

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詳細

※項目の解説

  • 選定理由

京都府では1ヶ所しか産地が知られていないため。

  • 形態

腹長22~25mm、後翅長13~16mmの小型種。オスは黄緑色に黒い条紋があり、眼後紋が4個あって、翅胸前面にも4個の黄緑色紋が並んでいる。メスは明るい橙色で頭頂に五角形の黒斑がある。成熟すると地色は褐色に変化する。
◎近似種との区別
オスは翅胸前面に4個の黄緑色紋が長方形に並ぶ。メスは頭頂に五角形の黒斑がある。 

  • 分布

本州、対馬。
◎府内の分布区域
北部地域。久美浜湾の一部のみで生息が確認されている。

  • 生態的特性

海岸沿いの、ヨシなどの抽水植物が繁茂する汽水域のヘドロが堆積した湿地や、河口付近のヨシ原などが主な生息地。汽水域でしか発見されていない特異なトンボである。5月下旬~9月下旬に発生する。産卵はメスが単独で行い、水面にあるヨシの枯れ茎などの植物組織内に産卵する。
◎近似種との比較
モートンイトトンボは府内全域に局地的に分布していると思われるが、汽水域には生息できないので混生しない。

  • 生息地の現状

生息地では比較的安定して発生しているが、非常に狭い範囲であるため、生息地の保全が必要である。
生存に対する脅威 開発や道路の拡張工事などで生息地が失われる危険がある。また、水質が変化すると生息ができなくなる。

  • 必要な保全対策

生息地とその周辺の抽水植物群落の保全を行うとともに、生息地の水質を維持していかなければ、近い将来絶滅する可能性がある。

 

 執筆者:藤井 恒

 

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総合政策環境部自然環境保全課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

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