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人権口コミ講座 156

「パラスポーツと共生社会」

立命館大学 産業社会学部教授

金山 千広

パラスポーツに期待される機能

2011年に施行されたスポーツ基本法は、障害者のスポーツ推進について初めて明記した法律です。スポーツ基本法を受けて2012年から5年ごとに制定されている3つのスポーツ基本計画では、いずれもすべての人が、関心、適性などに応じてスポーツに参画することができる環境整備の具体的な指針を示しています。共生社会の一助を担うとされる「パラスポーツ」は「パラリンピック」から派生した「同等の/もう一つの」という意味を含む言葉で、日本パラスポーツ協会(2021年に名称変更)は、障害者スポーツが単に障害者だけのものではなく、一般のスポーツとも共有可能であるとの立場を取り、その多様性を強調しています。パラリンピック東京大会のレガシーを踏まえて2022年に文部科学省から発出された高橋プランでは、健常者と障害者のスポーツを可能な限り一体のものとして捉える「ユニバーサルスポーツ」の考え方を推進しています。パラスポーツは障害の有無にかかわらず、多くの人がスポーツの「場」を共有する機会を創出する機能を持っています。

創意・工夫とボーダーレス化

例えば、重度障害者のために考案されたボッチャは、障害の有無や年齢にかかわらず参加できるユニバーサルスポーツ種目として紹介されることが多くなっています。また、車いすバスケットボールでは、健常者の参加や男子チームに女子が入ることによるポイントの差し引きなど、柔軟な競技ルールを取り入れています。同様にシッティングバレーボールでも、障害者と健常者の混合チームが参加可能な大会が増えています。パラスポーツは障害者のみではなく、ボランティアを含めて、すべての人が関わるボーダーレスな環境を生み出す「工夫の機会」として認知されてきています。

※令和5年1月発行の「人権口コミ講座24」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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