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令和2年4月23日知事記者会見

 新型コロナウイルス感染症緊急対策の4月補正予算案がまとまりましたので、ご説明いたします。

補正予算の基本方針

補正予算の基本方針ですが、4月16日(木曜日)には、緊急事態宣言が全都道府県に拡大され、13都道府県が特定警戒都道府県に位置づけられ、4月17日(金曜日)には京都府緊急事態措置を発動しました。

京都府としても、更なる医療・検査体制の強化や一層の感染拡大防止対策、厳しい状況にある京都の経済、観光、農林水産業、文化等、幅広い分野に対する支援について国の緊急経済対策も十分に活用しながら展開してまいりたいと思っております。

柱は4本で、Ⅰ 医療・検査体制確保とⅡ 感染拡大防止対策、Ⅲ 京都経済緊急対策、Ⅳ 学校臨時休業と「学びの保障」です。

 

Ⅰ 医療・検査体制確保 

はじめに医療検査体制についてです。PCR検査で陽性となった方を重症者、中等症者、軽症者、無症状者に分け、それぞれ入院医療コントロールセンターで調整し、病院や宿泊施設への療養に振り分けます。現時点で入院病床を約210床確保し、4月末までの約250床の確保に目処がつき、最大400床まで拡大を目指します。宿泊施設は、京都平安ホテルで68室を確保していますが、昨日まで療養可能な施設を募集いたしましたところ、54施設5,556室の応募があり、900室へ拡大を目指します。こうした医療体制を構築するために全体として81億円規模の予算を計上しています。

 

感染症指定医療機関等の医療機器購入に対する助成(3億円規模)

例えば、重症者等を対象として、感染症指定医療機関等の医療機器(人工呼吸器ECMO等)購入に対する助成です。

 

病院施設・設備の整備に対する助成(7億円規模)

病院施設・設備の整備に対する助成は7億円規模です。休床病床の活用のための設備整備や、患者導線を分けるための整備等を行います。

 

入院患者受入のための空床確保等に対する助成(17億円規模)

入院治療を要する人の確実な受入のための空床確保等に要する費用です。

 

府立医大における体制整備(2億円規模)

入院費用等自己負担の軽減(11億円規模)

患者自己負担相当分の公費負担です。

 

宿泊療養施設の整備・運営 (39億円規模)

宿泊療養施設の整備・運営として39億円規模を確保していますが、ホテル等の借り上げ費用や、パーテーションによるゾーニング、生活資材の調達等、食事の手配、医療用の廃棄物等処理といった費用です。

 

京都府入院医療コントロールセンターの運営(0.7億円規模)

京都府入院医療コントロールセンターの運営のために専属の医師に常駐いただいており、感染者トリアージ等の振り分けをしております。そうした人件費等の負担です。

 

医療提供体制を支える仕組みづくり(7億円規模)

京都府医療資材コントロールセンター (1億円規模)

「京都府医療資材コントロールセンター」から不足する医療資機材を提供することとし、例えば長袖ガウンについて、4月24日(金曜日)から納品を開始します。

 

府内医療従事者に対する支援(6億円規模)

府内の医療従事者への特殊勤務手当の支給助成や、医療従事者が宿泊するホテルの借上げ費用等、緊急手術等を行う際に医療機関がPCR検査を行う場合の検査費用に対する助成について、国に対して公的支援をお願いしておりますが、先行実施するための費用を計上しております。

 

PCR検査体制の拡充

京都検査センター(仮称)(1億円規模)

現在、症状のある方は帰国者・接触者相談センターに行き、医師の判断を経てPCR検査を実施していますが、新しい仕組みとして、地域の診療所(かかりつけ医)等に行き、医師の判断後、「京都検査センター(仮称)」で検査ができるようにいたします。最終的には5カ所(市内4カ所・京都府域1カ所)、当面、4月中には1カ所開設しようと準備しています。併せて帰国者・接触者外来も40カ所に拡充いたします。そうした検査センターを運営する医師会への委託費用や接触者外来の資機材購入に対する助成です。

 

PCR検査体制等の強化(4億円規模)

PCR検査機器等の整備(3億円規模)

PCR検査体制を1日約100件から約300件に強化します。現在京都府保健環境研究所で検査しておりますが、北部での発生事案への迅速な対応のために、中丹西保健所(福知山市)を府北部の検査拠点として整備するために必要な費用です。保健環境研究所と中丹西保健所にLAMP法を導入し、退院時の陰性検査に活用します。また、民間検査機関の機器等の整備に対する助成です。

 

PCR検査費用に対する支援(1億円規模)

PCR検査の保険適用に伴う自己負担相当分を公費負担するものです。

 

Ⅱ 感染拡大防止対策

京都府では、京都府緊急事態措置に基づく使用制限等の要請をしております。社会生活を維持する上で必要な施設については、感染拡大防止対策を徹底した上で開くこと、ただし飲食店等の営業時間については、午前5時~午後8時、酒類の提供は午後7時までとすることを要請しています。遊興施設、劇場等の施設は基本的に休止を要請しています。また、1,000㎡を超える大学・学習塾等、博物館等、集会の用に供するホテル又は旅館も基本的に休止を要請しており、1,000㎡以下の施設にも施設の使用制限等の協力を依頼しております。なお、100㎡以下の施設においては、適切な感染防止対策を取るよう要請しております。

そして、休業要請等に協力していただいた事業者に対する支援給付金として、中小企業は一律20万円、個人事業主は一律10万円給付します。休業期間は5月6日(水曜日)までです。各府県では減収の要件等がありますが、京都府では設けておりません。さらに、飲食店の営業時間を要請に基づいて短縮していただいた場合や、要請の前から自主的に休業していただき、要請後も引き続き休業していただいた方なども対象となります。

対象施設については、細かくホームページに掲載させていただいております。自らの施設が休業要請の対象になっているかといった内容の問い合わせがコールセンターに多く来ており、一つひとつ丁寧にお答えしておりますが、給付事務は大変だと思いますので、「支援給付金センター」(仮称)を新たに設置して、ゴールデンウィーク明けより受付開始したいと思います。

 

休業要請等に協力した事業者への支援給付金(38億円規模)

17日の表明時には、20億円半ばと申し上げておりましたが、対象施設に1000㎡以下で協力してもらう事業者や100㎡で休業される事業者も含めて、経済センサスに載っている事業所はすべて積算したところ、全体で38億円規模になりました。

 

なお、府独自の制度としておりますが、地元の対応として何らかの措置をしたいという声があり、現時点でほとんどの市町村長が京都府の支援給付に合わせて取り組みたいというご意向をいただいております。ただ、それぞれ予算編成や議会等もあります。地元の市町村で、同額で同一の対応が実現すれば40万円と20万円となります。今後我々が制度を示し、市町村でご判断をされてからになりますが、今のところはほとんどの市町村で対応したいという意向だと聞いており、それについては改めて感謝を申し上げたいと思います。

 

社会福祉施設等の感染拡大防止対策(16億円規模)

介護施設や障害者支援施設、児童擁護施設、幼稚園等ありますが、大きな部屋を個室に改修する、換気装置等の設置、消毒液等の購入を支援します。

それから、通所サービスは人の移動につながりますので、そうしたところに訪問サービス等ができる体制整備を支援します。

文化・スポーツ施設の再開に向けた対応として、サーモグラフィー、体温計、殺菌用空調機器等の整備を進めます。

 

府民の安心・安全対策の強化(0.1億円規模)

外出自粛や休業要請等により人の往来が少なくなったことに伴う盗難防止や防犯対策、政府の特別定額給付金(仮称)の給付に乗じた消費者被害への対応に必要な経費です。

 

Ⅲ 京都経済緊急対策

京都府の支援のほかに、国の補正予算案では、持続化給付金として法人上限200万円、個人事業者等上限100万円の給付金制度(補助金)や雇用調整助成金もかなり大幅に拡充されています。補助率も拡充されていますが、対象業種も広がっております。府の制度の「新型コロナウイルス対策企業等緊急応援補助金」、先ほど申し上げた「休業要請対象事業者支援給付金」、制度融資についても民間金融機関からの実質無利子の融資、税については猶予制度があります。そして個人に10万円の給付をする「特別定額給付金(仮称)」、後で説明いたしますが「緊急小口資金等の特例貸付拡大」で10万円以内(学校等の休業等の特例20万円以内)の特例貸付があります。

これだけではなく、政府系金融機関の融資制度等々がありますので、そうした全体を活用して京都経済を立て直していくための一環としての京都府の役割をご説明いたします。

 

休業要請等に協力した事業者への支援給付金(38億円規模・再掲)

新型コロナウイルス対策企業等緊急応援補助金(30億円規模)

休業要請の対象か否かに関わらず、幅広い業種の事業者等を包括的に支援する補助金を創設いたしました。小規模事業者、農林水産業者、文化芸術団体等を対象として、補助率は3分の2(上限20万)、中小企業2分の1(上限30万)です。「単独の事業者では取り組みにくいが、グループになれば」という声も聞いておりますので、グループの多さによって補助金を上乗せし、最大10社以上で100万円までの加算措置をしたいと思います。国の制度も含め支援制度は複数あり、何を使っていいかわからないという声がとてもありますので、お困りになっている方に対してどういう制度が使えるかをきめ細かく対応することが一番だと思います。

応援補助金は幅広い事業を対象とします。例えば、観光だと回復期に備えて今のうちにガイドブック等を作成することや、添乗員や通訳案内士の方は、今は仕事がないですが、日頃の業務上のネットワークを活かして観光事業者に対して支援制度を案内してもらえると、その人のお仕事にもなりますし、観光事業者にもわかりやすいと思います。また、5月1日(金曜日)には、中小企業緊急経営支援コールセンターを作りたいと思います。

また、花の需要が落ちているので、需要拡大のために公共スペースなどに飾り付けを行いたいといった活用もできますし、農林水産業では、今、需要減退で在庫となっている農林水産物を使った加工品販売のためのパック等の費用、飲食店で自主的な取組が始まっていますが、飲食をする人が減っているので、宅配やケータリングを始めるための設備整備や資材購入なども対象となります。また、ひとつの商店街の中の飲食店5店舗がタクシー業者と連携して家庭等へのデリバリーサービスを導入する場合、チラシの作成や共同配送のための共通経費に対しては補助金を活用することができます。文化芸術団体では、現在イベントは中止になっているが、活動再開に向けて作品を制作したい等、いろんなパターンがあると思います。先行する類似の制度を2月の定例議会で作りましたが、非常に需要が大きく活用されました。そのときに比べると経済の状況が厳しくなっておりますので、新たに30億の応援補助金を創設してご支援を申し上げたいと思います。

 

中小企業の資金繰り支援(1,072億円規模)

政府系金融機関の一部では無利子融資がありましたが、窓口に殺到して、2カ月や3カ月後になるという話が多かったのですが、それを解消するために民間金融機関が融資する場合も実質無利子になる制度ができないか国にお願いをしていて、その制度が認められました。これは、民間の金融機関が実施する場合も3年間は府からの利子補給によって実質無利子にします。そのため3年間の実質必要な金融機関への1,000億円の預託と72億円の利子補給の経費です。

 

伝統工芸品の需要開拓支援(1億円規模)

伝統工芸品の需要開拓の支援として、伝統工芸品の買い上げをホテルや料理店が行う場合の支援を行います。

 

バーチャル商談会、ECサイトの活用(0.1億円規模)

人との接触機会を減らすということでバーチャル商談会やJETROの運営する海外ECサイトJAPAN MALLに販売サイトを設置するなど府内事業者の販路拡大を支援します。

 

京都の技術を活かした緊急生産支援(2億円規模)

フェイスガードや薬の製造、新型ワクチンの開発に向けた研究用細胞の量産など京都の技術力を活かした緊急生産機器支援をしたいと思います。

 

府内産農林水産物の需要喚起(3億円規模)

農林水産物では、京もの農林水産物や宇治茶の需要喚起をいたします。例えば特定の品目になりますが、丹後とり貝が今年は豊漁ですが、外食需要が急減しており出荷できないということで、将来に備えた需要販路開拓をするための掘り起こし、丹後・中丹における学校給食への提供、京都産和牛の学校給食の提供、花も園児や小学校低学年児童の家庭学習を行うための資材費を支援することで花の需要を上げていこうというものです。

 

中小企業雇用継続緊急支援センター(仮称)(0.2億円規模)

労働の関係では、国の制度である雇用調整助成金において内容も拡充され、対象業種が非常に広がっているにも関わらず、使ったことがないという事業者の方がたくさんおられることから、入り口をスムーズに入れるように、京都労働局と連携し、支援センターをテルサ内に設置します。

 

京都府労働相談所の体制強化(0.1億円規模)

京都ジョブパークの体制強化(0.3億円規模)

企業従業員等の在宅研修の支援(0.3億円規模)

e-ラーニングを活用した職業訓練環境の整備(0.2億円規模)

 

生活福祉資金の貸付け(4億円規模)

小口の原則10万円、学校等休業の特例で20万円を無利子で貸し付ける制度です。これは、制度拡充で一定の要件が整えば返済免除の制度となっております。2月の定例議会の補正予算でも計上しておりまして、需要が高いということで今回も4億円を計上しました。

 

Ⅳ 学校臨時休業と「学びの保障」

自宅学習のための環境整備等支援(5億円規模)

府立高校と府立の大学でオンライン授業を実施するものです。小学生低学年には全員に本を配布し家庭学習を支援していくものです。

 

児童生徒等の心のケアと学習指導の強化(1億円規模)

スクールカウンセラーが未配置の学校では、年4回を週1回の支援とし、高校生については週1回のところを週2回の支援にします。未配置の小学校・中学校・高校は、まなび・生活アドバイザーを年4回から週1回の支援とします。よりきめ細かく心のケアを行います。

 

高校生に対する奨学給付金の支給(0.6億円規模)

府立の大学生に対する授業料減免(0.1億円規模)

いずれも所得が急変する世帯に対して奨学金を給付したり、授業料の減免を行うものです。

 

放課後児童クラブ等への支援(7億円規模)

学校休業に伴い放課後児童クラブ等は非常にニーズが高いのですが、その運営に対する支援を行います。

 

学校活動における感染予防(2億円規模)

スクールバスを増便することによって過密化を防いだり、消毒液等の購入の費用です。

 

予算案の規模

令和2年度現計予算は9,018億円で、令和2年度4月補正予算は1,289億円台で合わせて10,308億円台となります。京都府の予算が1兆円を超えたのはこれが初めてです。

 

新型コロナウイルス感染症対策強化のための執行体制整備

新型コロナウイルス感染症対策強化のための執行体制整備についてお話します。

新型コロナウイルス感染症対策については全庁体制をとっておりますが、補正予算の執行等もあります。改めて、人事異動も前提にした上での体制ですが、今は危機管理監の下で感染症対策を行っておりますが、その下に「理事」及び「企画参事」を配置して体制を強化します。いよいよ出水期が近づいておりまして、危機管理部、危機管理監の下では自然災害対応もしており、そうしたことに備えてより機能を強化したいと思います。

疫学調査、入院調整・医療資材のコントロール、軽症者対策の体制を強化、保健所での相談体制を確保しますが、今後、療養支援が重要となりますので広域振興局内での体制を構築したいと思います。

 

京都府内でのPCR検査体制の強化

現在も応援をしておりますが、過去にPCR検査経験のある職員による応援態勢を構築します。そして北部地域でのPCR検査実施に向け、中丹西保健所での体制整備を行います。

 

「休業要請対象事業者支援給付金」の迅速な給付に向けた体制整備

休業要請に協力いただいた方への支援給付金は迅速に配らなければいけませんし、初めての業務であり体制が大変となります。商工労働観光部に配置する参事のもとに2係を新設し、迅速・的確に給付できる体制を構築します。給付事務が最盛期になるときにはかなりの応援体制が必要になると思っていますので備えたいと思います。

 

主な質疑応答

記者

新型コロナウイルス感染症対策緊急事業者支援は府独自で行う事業か。幅広い職種を応援するということだが、個人事業主も対象となるのか。取組の例示があるが、具体的にどの範囲まで対象となるのか。

 

知事

府の事業として行います。これは、新型コロナウイルス感染症を克服して経営をやっていきたいということであれば使えます。幅広く使っていただきたいという思いです。相談窓口を作りますので「こんなことをやりたいが大丈夫か」と言っていただければ、「こういう風に組み替えれば効果が出ますよ」といった伴走型の支援をしたいと思います。例えば、文化芸術団体等に中小企業対策的な補助金を入れるのは初めてだと思います。業種も幅広く対応したいと思います。どういう形でやるかは議会で予算審議を行わなければいけませんが、平行して制度や要綱を作りたいと思います。硬いものにせず、柔軟な制度にしたいと思います。

 

記者

個人事業主も対象になるのか。

 

知事

小規模事業者として、個人事業主も入ります。

 

記者

支援給付金について「市町村の理解を得た」ということだが、府としては市町村に負担を強いるという見方もできると思うが、この点についてどう考えるか。

 

知事

休業要請は、お金と関係なく感染拡大防止のための特措法に基づく要請なので、まずはその要請に協力していただきたいということです。協力してもらえるのであれば府として給付するということで、府の事業として何かをするのに市町村の負担を強いるものではありません。それぞれの市町村管内の事業者については、地元の市町村としても支援をしたいという意向があることから自主的に給付をされるということです。ただ、休業要請の対象や支給等の制度は京都府が策定しますが、その枠の中でやりたいということなので、形や制度は同じになるかと思います。今日予算を発表しましたので、各市町村においてどのような制度にするか検討が行われると思いますが、基本的な流れとしては、府と同額、同制度の下で、地元の休業要請に協力する事業者を支援したいという意向を聞いています。

 

記者

市町村が応じる場合は、府と市町村と同時に給付になるのか。

 

知事

それぞれの市町村が同じ制度を作れば総額で40万円になることを伝えないといけないですが、各市町村で議会もありますし、予算編成しないといけませんので同時に給付できるかどうかはわかりません。府としてはなるべく早く制度設計して給付したいという思いがあります。市町村との話はこれからになりますが、全く一緒は難しいかなと思います。

 

記者

府が支援給付金を配れる時期はいつになるか。

 

知事

京都府としては、議会の承認が得られればゴールデンウィーク明けから受付開始をできるよう準備に取り組みたいと思っています。市町村は国の10万円の給付の事務も抱えておられるので、事務処理のことを心配されています。我々としては、そうしたところもサポートしないといけないと思っています。

 

記者

会見の直前に全国知事会として閣僚と会議をされたが、どういった話があったか。

 

知事

冒頭の西村内閣府特命担当大臣と加藤厚生労働大臣と、飯泉全国知事会長の挨拶がオープンになっていましたが、改めて全国知事会から緊急提言をしました。

昨日の政府の専門家会議で、改めてこの緊急事態宣言が出てからの2週間の評価と、今後に向けての対応が出ましたが、ゴールデンウィークに向けて全国知事会でも行動自粛や公園、商店街、スーパーでの行動変容等を一緒にやっていこう、特にゴールデンウィークを迎えるので、都道府県域を超えた移動を協力して抑えていこうといった話をしました。その中の議論で私がお願いしたのは、休業要請への協力金についても地方創生臨時交付金が充てられることはありがたいのですが、地方創生の取組としていろいろな支援を実施したいので、総額1兆円の増額をお願いしました。医療の関係も、緊急包括支援交付金1,490億円が計上されておりますが、実際問題、全国でも相当費用もかかるので柔軟に増やしてほしいということを特にお願いしました。

全国知事会としての新型コロナウイルス感染症に係る要請内容は、緊急提言の中にかなり細かいところまで入っています。47都道府県まで緊急事態宣言の対象が拡大しましたので、全国で抱えられている問題について話をしました。一部、両大臣から回答がありましたが、改めて事務的にも回答したいという話でした。

 

記者

休業要請の支援給付金について「ほとんどの市町村が京都府の趣旨に賛同して」と知事は言われたが、全てではないのか。

 

知事

文書で確認しているものではないですが、お聞きしていると、何らかの地元対応をしたいということで「ほとんど」と申し上げました。全てではありません。

 

記者

中小企業緊急経営支援の受付はいつからか。支援給付金の受付と同じような形で、なるべく早くの受付を実施するのか。

 

知事

予算が成立してからになります。しかも一部、国の予算を財源として活用する部分も出てくると思いますので、国の予算も成立しないといけません。支援のコールセンターを5月1日(金曜日)に設置する予定ですので、この30億円だけではありませんが、そこでワンストップで色々な相談をお受けすることからスタートして、制度の要綱や様式等の作成を並行して進めています。ゴールデンウィーク明けくらいから募集ができればいいなと思っています。まずは支援コールセンターにご相談があれば、そこにかけていただいたら時期も含めてアドバイスができると思います。

 

記者

コールセンターの電話番号は決まっているか。

 

知事

予算が成立していないので、そこまではまだ決まっていません。

 

記者

教育に関連して、休校が続くことに対応して、例えばオンラインの学習が義務教育でも必要になる可能性がある。府立高校には記載があるが、小中学校においては本の配布がある。その具体的な内容とオンラインの活用に向けた方針について、今の考え方はどうなのか。

 

知事

どういうものを選ぶかということはありますが、読んでいただいていずれ回収して、最終的には蔵書として活用したいと思います。どういう本を選ぶのかは教育現場で先生方に決めていただくことになると思います。本を配布して読んでもらい、読書感想文を書いてもらうのかわかりませんが、家庭学習に本を使っていただきたいという思いです。

全体のオンライン化については、もともと全体としてそういう構想をしていたのですが、新型コロナウイルス感染症で需要が明らかになりました。今回のオンライン学習は府立高校と府立の大学で実施します。

義務教育のところについては、市町村においてネットワークが整備されていないので、今回の予算でそこまでの対応はしていません。

 

記者

今回の予算案で全国に先駆けて取り組んでいる、あるいは全国初となる取り組みや対策があれば教えていただきたい。

 

知事

全国の状況はわかりませんが、この緊急応援補助金で、文化芸術団体の支援については、京都府内の需要を見て文化関係に幅広く支援していこうというもので、京都ならではかなと思います。グループでやろうというのも、従来から協力していこうという基盤があるのでできることだと思います。そのあたりは全国に先駆けているのかなと思います。

 

記者

伸びが出た予算だが、知事はどういった思いで全体の目配せをして編成したか。

 

知事

行動自粛や緊急事態宣言も医療崩壊を招かない、医療提供体制をカバーするためにも感染者数の伸びを抑えるところからきており、医療提供体制を示すことが府民・市民の安心にも繋がると思ったので、これまでから病床や宿泊施設を確保し、入院医療コントロールセンターで振り分けて、重症者を中心に必要なところに医療を適切に提供すると言ってきましたので、それを予算編成で実現するということを示すということは一つ重要なことだと思います。

中小企業や個人事業主を含めた緊急経済対策はどれだけ長引くか、反転してV字回復までどうするかということがありますが、2月以降、相当長くなっているので、その方たちを少しでも支援していこうと考えています。国も支援策のメニューは多いのですが、現場で一番困っているのは制度がわからないとか、とても時間がかかる等であり、制度として足りないという前にそこにたどり着けないことがあるので、予算の額としては少ないですが、そこをオール京都でやっていこうということで、例えば民間金融機関の利子補給で実質無利子にするのは、1行だけでやると殺到してしまいますが、多くの民間金融機関でやれば、かなり窓口が広くなり、従来の取引銀行とやれる等スピード感を重視しています。それはなぜかというと、3月頃の相談内容としては圧倒的に資金繰りの相談が多かったということなので、スピード感を持って支援をしたいということです。当面、緊急的に大変なことを支援していこうということです。学びとか色んなところではなるべくきめ細かく、困っているところには早急に手を打ちたいという思いです。そういう意味では項目が多くなっています。今後も予断を許さないので、当面は今回の国の補正予算を最大限活用することで編成をしました。

 

記者

国の制度を活用した1兆円規模の予算ということで、スピード感や心意気は伝わったが、最終的には府民の負担となる。この点はどう考えるか。

 

知事

当然、府がやろうと国がやろうとも赤字国債は負債になります。緊急的に対応するといっても、そうした皆さんの負担で事業を行っていることは片時も忘れてはいけないと思います。新型コロナウイルス感染症が日本の社会に与えている影響は、医療や命や健康もありますが、全体的に活力を奪っているので、今、思い切って手を打っておかないと大変なことになるという思いは皆さんあると思います。そことのバランスの中でぎりぎりの予算を編成しました。府民負担を軽くするためになるべく国の制度を活用するというのは当然のことなので、積極的に導入するように制度は構築したつもりです。トータルとしては負担を抑えながらやれることをやるということです。

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