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令和2年5月20日臨時知事記者会見

令和2年度5月補正予算案について

本日は、令和2年度5月補正予算が概ね取りまとまりましたので、その概要をご説明します。

まずは予算の基本方針についてです。新規感染者数が減少しており、5日間連続ゼロではありますが、長期化する新型コロナウイルス感染症対策に対して、特にwithコロナ社会での「新しい生活様式」を踏まえた対策が必要となります。この補正予算では、医療・検査体制の更なる強化、「新しい生活様式」に対応した事業の再出発に対する支援等、新たなフェーズに即した対応策を講じることとしています。

柱は3つあり、「(1)医療・検査体制の更なる強化」、「(2)withコロナ社会への対応」、「(3)withコロナ社会を乗りきる支え合い支援」です。

 

(1)医療・検査体制の更なる強化

PCR検査体制の更なる拡充(0.7億円規模)

まずは、PCR検査について、全体で0.7億円規模です。行政検査につきましては、5月18日までに1日あたり300件の処理能力を確保済みですが、更に350件まで拡充します。次に、医療機関での検査体制の拡充についてです。妊婦への検査に関して、緊急手術や出産間近の妊婦に対する検査について、医療崩壊が起きないようにするため、1日あたり320件を拡充します。これらを合計すると670件となります。今後、第2波・第3波の時にクラスターが複数発生し、多くの需要が出た場合、この670件全てを行政検査に回すこととなります。

 

妊婦に対するPCR検査の助成(府市協調・0.8億円規模)

次に妊産婦の方、医療従事者への安心・安全の確保についてです。妊婦に対するPCR検査の助成は0.8億円規模です。府市協調で行うこととしており、京都市分は市で、その他地域は京都府が上限2万円を限度に検査費用の助成を行います。これは妊婦の方の安心・安全な出産は当たり前ですが、医療従事者の方の二次感染を防ぐためにも重要となります。

 

安心して出産できる環境の整備(2.7億円規模)

安心して出産できる環境の整備が2.7億円規模です。検査して万が一陽性が出た場合でも安心して出産できるよう、感染した妊婦を受け入れる医療機関に対して、例えば、簡易の陰圧装置やポータブル超音波の診断装置等の必要な設備の整備についての支援を行います。

 

医療資材コントロールセンターの機能強化(0.9億円規模)

資材コントロールセンター関係の機能強化が0.9億円規模です。医療資材のコントロールセンターを設置し、一括調達や需給をみて各医療機関への配布を行ってきました。今までは新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れている機関を中心に配付してきましたが、それ以外でも例えば59か所の救急告示病院や、11か所の精神科の救急病院で発熱等の救急患者のたらい回しを招かないように、また、透析の医療機関等、治療の中断が許されない機関に医療資材の配布先を拡充していくために必要な経費です。

 

地域医療機関の経営支援(0.8億円規模)

地域医療機関の安心・安全確保が0.8億円規模です。この間、通常の診療患者が大幅に減少し、新型コロナウイルス感染症の院内感染防止対策の費用が増加しているので、医療関係の経営が非常に厳しくなっています。とりわけ6月の賞与期の資金需要を含めた短期の資金需要が逼迫しています。

京都府で従来からある制度融資を活用し、短期の融資を受けた場合の金利負担を8千万円までの金利1.7%まで助成することにしました。中長期的な資金需要については、独立行政法人福祉医療機構で国も充実した融資を準備していますので、いずれはそちらに移行することになると思いますが、当面、その融資の実行が間に合わないという声も聞きましたので短期の資金需要に対応するものです。

 

(2)withコロナ社会への対応

新型コロナウイルス感染症対策中小企業等事業再出発支援補助金(40億円規模)

新型コロナウイルス感染症対策中小企業等再出発補助金が40億円規模です。

休業要請対象かどうかに関わらず、withコロナ社会においても色々な工夫をして再出発をしたいという企業がおられます。そうした企業を支援するために、上限10万円の全額補助で、事業再開に必要な経費や感染防止対策経費についての補助を行うものです。例えばソーシャルディスタンスを保つための客席の間仕切りや横並びカウンターの設置、並ぶことを防ぐための来店の予約システムの導入、新たな生活様式に対応した新しい経営計画の作成に必要なコンサルタント料、マスク・消毒スプレー・検温器等の衛生用品等の購入費等、様々な試みがあると思いますが、そうしたことを支援することによってwithコロナ社会でも徐々に社会経済活動の再開に向けた取組に対する支援をしていくものです。

 

新型コロナウイルス感染症危機克服対策費(0.5億円規模)

直接事業経費ではありませんが0.5億円規模で新型コロナウイルス感染症危機克服対策費として「新型コロナウイルス感染症対策危機克服会議(仮称)」を設置したいと思います。当面はwithコロナ社会における経済政策、戦略の検討、将来のワクチン等の開発により新型コロナウイルス感染症が収束するときの京都産業の果たす役割を議論したいと考えており、最終的には経済トップ会議での提案によりオール京都の取組にしたいと思います。当面は事業者や若手の経営者等、様々な方と意見交換をすることとし、商店街・小売業、伝統産業、観光、食、ものづくりの5分野を設定しています。小売業の例として、販売・商談手法等のWEB化、VR化、eコマースサイト、受注受付業務のテレワークの活用、実店舗の販売から宅配・デリバリーによる提供等、どのような形が良いのかを議論・戦略化し、必要な支援の仕組みも考えたいと思います。そうした会議等を含めた経費です。

 

大学に対する学校再開に向けた支援(0.3億円規模)

次に大学についてです。京都では休業要請解除の対象から大学は外していますが、大学生が安心して京都に戻り、学生生活が送れるように、大学と一緒になって再開へ向けたガイドラインを検討しています。大学によっては夏休みまで対面授業をしないと決めている大学もあり、ガイドラインを作成し、それに基づき大学側とも意見交換・情報共有をしていきたいと思っています。

大学・短大に対しては、定額の100万円の支援で再開を少しでも後押ししたいと思っています。これについては0.3億円規模です。

 

学生インターン・バイト応援センターの設置(0.2億円規模)

学生のインターン、バイト応援センター設置については0.2億円規模です。

以前から雇用の維持ということでこうした取組をしていますが、学生の街である京都で、大学が閉まっており、また学生のアルバイト先の事業所が閉まっているためバイト先がないということですので、アルバイトのマッチングをしたいと思います。特に、収入も得ながらインターンシップをする有償インターンシップは、その後の府内企業の就職にも繋がるということもあるため、取り組んでいきたいと思います。留学生も同様に対応していきます。

また、予算上の措置ではありませんが京都府庁でも会計年度任用職員として約50名の学生を6月中旬から順次採用する予定です。今回、在宅勤務やテレワークが進みましたが、資料が紙媒体のままということが非常に多いため、資料の電子化等に取り組んでいただきたいと考えています。どういうところで活躍いただくか今後検討していきますが、50名程度を直接採用したいと思います。

 

京都府WEB研修センターの開設(0.1億円規模)

京都府のWEB研修センター開設で0.1億円規模です。

今回在宅勤務等多様な働き方が浸透しましたが、ウェブの研修環境が中小企業ではなかなか整わないということで、京都府でセンターを設けて、企業に対する研修計画の作成相談・アドバイス、場合によっては雇用調整助成金の加算対象(2,400円)となるオンラインセミナー用の動画を作成・配信したいと思います。

 

避難所の感染拡大防止対策に対する市町村支援(0.3億円規模)

いよいよ出水期が近づいてまいりまして、災害が発生した場合、避難所でどのように感染予防をするのかが課題になっています。国からもどういった避難所にするかという通知も出ておりますが、避難所を開設する市町村が、避難所での感染拡大防止について対策を講じる場合、補助率2分の1の支援をしたいと思います。例としてはホテル等の施設を借り上げる、発熱の症状のある人の専用スペースを設ける、パーテーション等の資材購入等です。こちらは0.3億円規模です。

 

(3)withコロナ社会を乗りきる支え合い支援

子ども食堂等の再開に向けての支援(0.1億円規模)

子ども食堂等の再開に向けての支援として0.1億円規模です。感染が心配ということで閉まっているところも多く、場合によりお弁当の宅配や屋外でやっているところもあります。安心して再開したいという要望が強いので、再開にあたり、例えば空間除菌の設備や換気扇、屋外テント等様々な取組に対して、上限20万円までで全額支援したいと思います。

 

就労支援事業に対する支援(府市協調・0.5億円規模)

府市協調で行うもので、京都市の予算の発表がありましたが、就労継続支援B型事業所は雇用契約が無いことから雇用調整助成金の対象になりませんが、当然、前年度に比べて収入が落ちていますので前年同期に比べた収入の差額に対しての助成として、障害者の就労支援の福祉サービスが維持できるように支援したいと考えています。

 

京都府新型コロナウイルス感染症対策応援基金(条例の制定)

最後に、新たな基金の創設です。

京都府新型コロナウイルス感染症応援基金ということで、基金の設置については既に発表していますが、医療・療養の現場で働く方々への支援や新型コロナウイルス感染症で影響を受けている子ども、またその家庭への支援や、その他全般的な支援として基金を設置したいと思います。5月の臨時議会に提案し、条例として設置したいと思います。

設置が決まれば報道の皆さんにもPRしていただき、より有効に活用できる資金がたくさん集まるようにご協力をお願いします。

 

予算案の規模

最終的には全体で48億円台ということで、これまでの現計予算を加えると1兆356億円台となります。比較対象とはなりませんが、令和元年度の当初予算と比べると16.4%の増となりました。5月の臨時議会で審議、議決いただければ速やかに執行したいと思います。

 

令和2年度5月補正予算案等の概要について(PDF:712KB)

 

主な質疑応答

記者

中小企業に対する支援補助金に関して、今年度の4月補正予算でも応援補助金を出されていたと思うが、今回の補助金の対象はどうなるのか。また、4月の補助金と組み合わせて使うことは可能か。

 

知事

一緒にお使いいただくことを前提としています。休業していたかどうかにかかわらず、緊急事態宣言が解除され事業を再開する際、以前と同じ形での再開は出来ないかと思います。業種別にガイドラインを設け、お客さん側にも「新しい生活様式」が示されているので、それに合わせた形にするために必要な設備投資や計画策定の需要があると思います。額は少ないですが、幅広く応援するために創設したものです。再出発という形で事業を再開される方に満遍なく、約4万社に10万円を給付することを想定しています。中身は、パーテーションや横並びのカウンター席の設置、人気店でも並ばないようにする予約システムの導入等があります。元々の4月補正予算の応援補助金と似ている部分もありますが、今回は再出発を前提として組んでいますので、より幅広く使っていただけると思います。

 

記者

PCRの検査体制について、今日は670件という数字が出たが、前回は400件という話であった。どれくらいの件数をいつまでに目指すのか。

 

知事

5月補正予算が通れば、夏までに670件というのを一つの目標にしたいと思います。前回400件と申し上げたのは、行政検査の350件に加え、希望される妊産婦の方の検査が1日あたり約50人という計算で400件を目指すと言っておりました。

今回は更に、医療機関における緊急手術や院内感染への不安もあるということから、医療崩壊を起こさないように、検査件数を拡充しました。当面は350件に320件を加えた670件を夏までに整備したいと思います。

 

記者

危機克服対策費として5000万円規模を計上されているが、具体的な使い道やスケジュールはどのように想定しているのか。

 

知事

この費用は、会議の開催や調査・検討の経費だと思っていただければと思います。全体の戦略とは別に、withコロナ社会においてなるべく早く経済活動を再開したいと思っているので、予算が認められれば会議を早急に立ち上げて、5分野ごとの戦略策定に入りたいと思います。既存の予算を活用して取り組むこともありますが、最終形ができなくても一定の成果が出れば予算化する等、具体的な取組についてはその後でやりたいと思います。

withコロナ社会でどのように商売を復活すれば良いのか皆さん悩んでおられるので、そうした方向性や指針、産業分野別に抱えている悩みをよくお聞きして新しい政策につなげたいと思います。

 

記者

全体的にwithコロナ社会を見据えた予算だと思うが、今回の予算をどのように捉えたら良いのか。

 

知事

緊急事態宣言の解除が視野に入ってきました。しかし、コロナは収束しているわけではなく第2波・第3波に備えないといけません。その間に社会経済活動を徐々に回復しないといけない中で、必要なことをするというのが全体のコンセプトです。PCR検査はまさに第2波に備えた体制ですし、今の補助金で再開させる、withコロナ社会の産業政策を練る等、まさにwithコロナ社会のスタートラインに立つための予算と考えていただいたらと思います。まだ読めない部分もあるので、次の6月議会でも検討を重ねていきたいと思います。

 

記者

緊急事態宣言について、政府は京都府を含めて大阪府、兵庫県と一体となって解除することを検討していると報道されているが、知事はどのように考えているか。また、明日判断すると言われているが、もし緊急事態宣言が解除された場合、京都府としての対応をどのように考えているか。

 

知事

今のところ政府からは何も打診されていないので、あくまでも仮定の話になりますが、先週京都府の緊急事態宣言が継続された際、京阪神は生活圏・経済圏が重なっているので一体として扱われるということでした。今回政府でどのように扱われようとも、京阪神は一体として扱われる必要があると思いますし、私もそれがふさわしいと思います。

数値的には京都も大阪も兵庫も感染者数が非常に減ってきていますので、解除される前提で検討を進めています。もし解除された場合の基本的な考え方については、お示ししている緩和判断基準に基づいていきます。現在、数値として緩和判断基準は毎日クリアしています。感染リスクが少なく府民生活に近いところから段階的に慎重に緩和していくという基本的なスタンスに変わりはありません。例えば、過去にクラスターが発生した施設については、緊急事態宣言が解除された時にすぐに使用制限を解除するかどうかを慎重に検討していますし、場合によっては隣接の兵庫県、大阪府との調整が必要になるかもしれません。39県で解除された際も政府が示された考え方がありましたが、地域が変わることで新たな方針が打ち出されるかもしれませんので、その中身を見て最終的には決めたいと思います。

 

記者

明日緊急事態宣言が解除された場合、外出やイベント等の自粛要請はどうなるか。

 

知事

まさに検討中ですが、京都府の緊急事態措置の中には、外出自粛とイベント自粛、休業要請の3本柱があります。緊急事態宣言が解除されれば、それぞれにふさわしい見直しをしなければいけないと思います。京阪神だけでなく首都圏の状況も関連しますが、全国のどこかで緊急事態宣言が残っている場合には、そことの往来を自粛する等、様々な考え方がありますので、これと決めているわけではありません。それぞれについて、新たに緊急事態宣言の解除に伴う中身に変える必要があると思います。

 

記者

具体的なことは言いにくいかもしれないが、府民も1か月以上の自粛を頑張って、やっと区切りが近づいている。知事が考えていることでも良いので、知事の言葉で具体的にどのような段階的な自粛の解除を考えているのか教えてもらえないか。

 

知事

現在、新規感染者の発生についてゼロが続いており、2週間前の大型連休の時に府民の皆様の協力による行動自粛や事業者の方の営業自粛の成果が出てきています。新型コロナウイルス感染症は依然として身近にいる可能性が非常に高いので、解除は段階的に進めていくことが重要だと思っています。しかし、府民の社会経済活動を少しずつ戻していかなければいけないので、全ての外出を自粛するところからは徐々に生活を取り戻していただきたいと思います。その場合も感染予防対策を改めて徹底し、自ら身を守ることについても引き続き協力をお願いしたいと思います。具体的にどのようにするのかについては検討中です。

 

記者

府県間往来について、緊急事態宣言解除後も自粛してほしいという話もある。それ以外にもいくつか段階的解除の考えがあるが、東京・北海道は残り、関西が解除された場合と、全て一斉に解除された場合とで京都の対応が変わると思うがどのように考えるか。

 

知事

先週、39県が解除された時に5月末まで都道府県をまたがる移動はなるべく控えてほしいと総理がメッセージを出されています。緊急事態宣言が残る場合と残らない場合もありますが、未来永劫、緊急事態宣言が残るということはないので、ゴールデンウィークが明けたしばらくの間の行動変容を見ながら、例えば5月末など、ある程度段階的に自粛要請を緩和していくという考え方もあると思います。

都道府県間をまたがる移動については、京都府だけで決めても実効性もありませんし理解も得られないと思いますので、全国的な形で対応を決めていただきたいです。いきなり全部が元に戻ることはないので、段階的に解除するのがふさわしいと私は思います。それをどこまで自粛してもらうのかは今後の検討だと思います。

 

記者

対策本部会議当日やその前等、様々な可能性があると思うが、休業要請が継続する施設についての知事の考えは。また、いつごろ表明する予定か。

 

知事

当日の対策本部会議で説明したいと思います。

 

記者

仮に知事の考えであっても、府民は当日ではなく早くに伺いたいと思うが。

 

知事

政府の方針と絡むことと、京阪神が一体として緊急事態宣言の継続がされたということもあるので、京阪神でどう考えるか、また全国の都道府県・首都圏との関係があります。特に都道府県間の移動については、そうしたことを踏まえ慎重に検討したいと思います。

施設の休業要請が残っているところは、フェーズが変われば解除していきますが、クラスターの発生があった施設又その類似施設は、場合によっては引き続きしばらくは休業要請するという考え方もあります。先週、特定警戒都道府県から解除された県とある程度足並みを揃えながら進めたいと思います。

また、京都府は大学について緊急事態宣言が解除されても休業要請を残そうと考えています。これは、再開のためのガイドラインを大学と一緒になって作りたいからです。

現在検討中ですが、大学等要請が残るものの候補もありますが、かなりの部分は緊急事態宣言が解除されれば休業要請も解除すると思います。

 

記者

大阪府は、クラスターが発生した業種も感染防止の運用指針を作成すること等を条件に再開を考えており、京都や兵庫の調整を進めているという報道がされている。大阪が先行して京都や兵庫がついて行くという見方もできるが、実際どのような調整をしていて、京都としてはどう考えているのか。

 

知事

大阪にどうしても合わせないといけないという風には考えていません。私自身の考えは、ある程度感染のリスクが高いところは慎重に緩和していくべきだと考えています。クラスターが発生したような施設は一定のタイムスケジュールで慎重に、徐々に緩和していくのが妥当だと考えています。

 

記者

過去のクラスター発生施設や類似施設について、知事は以前から「慎重に」と言われているが、他の施設に比べてより経営的な影響は期間が延びるほど大きくなる。そうした施設が倒産せず、継続できるような支援策は考えているのか。

 

知事

もともと国が措置している持続化給付金や雇用助成調整金もあります。業種によりますが、資金繰りについては制度融資も含め、無利子から低利のものまであり、一般的に経営を下支えするものも豊富にそろっているので、そうしたものは十分活用していただけると思います。

 

記者

特に影響が大きくなると考えられるクラスター発生施設や、同じような業態・業種であるだけで、落ち度が無いにも関わらず休業されている施設が多くある。そうした施設へ特段の支援策は無いのか。

 

知事

もともと経営が苦しいのは業種を問いません。感染拡大を防止して医療崩壊を招かないために、休業要請等にご協力いただいた事情は同じだと思います。休業要請解除の時間的な差は、感染リスクがあるところについては、慎重に進めていくよう我々としては是非ともご協力をいただきたいです。また、ガイドラインの作成状況等、総合的に考えてお願いしたいと思います。当然、経営については支援しなければいけないと思っていますが、今回の緊急事態宣言の解除がされた場合に伴った措置は特段考えていません。

 

記者

医療機関への融資制度を示されているが、どこまで経営的な影響が続くのか先が見えづらい。コロナのために病床を空けておかないといけない等、一定期間は慢性的に影響が出る可能性がある。融資制度以外のバリエーションは考えているか。

 

知事

新型コロナウイルス感染症の医療機関への空床補償や、感染症の人を受け入れるための設備投資、診療報酬等、新型コロナウイルス感染症対策の掛かり増しの経費については病院側と打ち合わせをして府で措置しています。第2波・第3波に備え、更に資金が必要な場合は病院に対する支援は十分に実施してまいりたいと思います。全国知事会でも以前から1,490億円の包括支援交付金ではとても足りないので、国に対し増額や柔軟な運用をお願いしています。

今回示しているのは、独立行政法人福祉医療機構の融資が中長期に資金需要も含めて手厚い支援になっていますが、6月の賞与期に向けて短期の資金需要がまわらないという話を聞き、福祉医療機構の融資が始まるまでの間、支援していただきたいという病院の声に応えて用意するもので、掛かり増し経費とは違う観点での資金繰りと考えていただければと思います。

 

記者

対処方針を見ると、緊急事態措置の対象とならない都道府県の取組は、施設に「協力を依頼すること」となっているが、緊急事態宣言が解除された場合は特措法によらない協力の要請になるのか。

 

知事

私も解釈上わからない部分があります。24条9項は「都道府県本部長は」つまり「知事は」となっており、45条2項は「特定都道府県は」となっており、緊急事態宣言が出ると実施することになっています。

素直に読めば、24条9項だけで都道府県本部長たる知事は様々な協力の要請ができるのかと思いますが、東京都と西村大臣のやりとりの中で、最終的に45条2項までいくことを前提とすれば、要請の範囲は24条9項と同じでないといけない、という議論がありました。

特措法の24条9項を読むと必要な協力要請ができると書いてあり、要請なら何でもできるように書いてあるので皆さん迷っているところがあります。特措法でなくても知事として協力の要請はできるとは思っていますが、それが24条9項に基づくかは最終的に政府の解釈権者に確かめなければいけないと思います。

 

記者

どのようにするかは検討中ということか。

 

知事

実は既に47都道府県の中では似たようなことをやっているところもありますが、具体的な記載がないので何が根拠かわかりません。京都府でも食事提供施設の営業時間や1,000平米未満の小規模施設については協力要請と書きました。これはもともと政令になかったので、厳密に言えば特措法によらない協力要請だったかもしれません。特措法の書き方では何でもできるように見えますが、法制定権者に解釈を確かめた上で進めていきます。法に基づくかどうかに関係なく協力要請には変わりありません。

 

記者

休業要請は緊急事態宣言が解除された場合は継続するのか、切り替わるのかはまだ決まっていないのか。

 

知事

緊急事態宣言が解除されると、特定警戒都道府県ではなくなるので、権限はなくなり、元のまま続くというのは無いと思っています。

 

記者

24条であったらその場合どのように考えるか。

 

知事

24条9項では「本部長」と書いていて、緊急事態宣言が出ていなくても要請できると法律に書いてあります。ただ、今までの措置は緊急事態宣言に伴う措置としていますので府の位置づけが変わるのか、検討している段階でわかりません。

 

記者

大阪府の吉村知事が府県をまたぐ移動を容認するような発言をしていたが、都道府県間をまたぐ移動について整合性を取るために相談しているか。

 

知事

そこはまだ相談していません。もともと都道府県間をまたぐ移動については大型連休中の広範囲の移動により、一部の観光地に人が集まってしまうことが非常に危惧されたということがありました。行動自粛では、例えばクラスターが発生する可能性のある場合への外出自粛は言っています。

都道府県間の移動を自粛してもらうかは、確かに大型連休中とは違う概念がいると思います。どちらにしてもいずれ緊急事態宣言が解除されていき第1波の収束を迎えた時にはある程度緩和されるのは当然で、私としては5月末までどう過ごすのかという論点だと思います。そこを過ぎれば、withコロナ社会で生活し経済活動をしていく上のルールがいずれ作られていくと思います。今日の全国知事会でもそこがきっちり示されていないという声がありました。

 

記者

大阪だけが先行して容認することは好ましくないと思っているか。

 

知事

我々は京都府民にしか呼びかけたことはなく、容認する・しないということはありませんが、兵庫県のこともあります。明らかに客観的に整合が取れていないというのは良くないので、一定の調整が必要になると思います。

大阪と京都だけでなく、隣接している奈良、和歌山、滋賀、全て関係があります。都道府県間移動については、特定警戒都道府県の3府県だけの問題だとは思いません。

 

記者

学校再開について6月1日の再開を前倒しする考えは無いか。また、大阪府の吉村知事が小学6年生、中学3年生、高校3年生は前倒しで再開することを検討すると言われているが、それについて何か考えがあるか。

 

知事

緊急事態宣言の継続が決まった時にも、教育委員会では北部の扱いと、それ以外の地域では6月1日の再開を念頭に置いて学校活動を再開するということで、既に取組が始まっています。その時に、既に南部も準備に入っていますのでその方針に基づいて確実に、円滑に学校活動を再開するのが良いと思います。今から前倒しする必要はないと思います。

受験生が気の毒で、一番影響を受けるというのは当然だと思いますので、教育委員会にはそうしたことを念頭においた受験生への特段の取組や配慮をやっていただきたいと思います。

 

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