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令和6年1月12日定例知事記者会見

まずは発表に先立ち、一言申し上げます。

1月1日に発生しました令和6年能登半島地震につきましては、石川県で最大震度7を記録し、本日7時40分時点で、213名の方がお亡くなりになられました。

その中には、災害関連死の可能性がある方も含まれております。

謹んでお悔みを申し上げます。

また、本日9時時点で石川県では38名の方が、安否不明になっておられます。

被災地では道路網の甚大な被害や気温の低さ、水道などのライフラインの被害に加え、衛生状態の悪化もあり、感染症が広がりつつあるなど、過酷な環境下での生活が続いております。

被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。

京都府といたしましても、今後も継続的に支援をさせていただきたいと考えております。

令和6年能登半島地震に係る対応等について

本日の発表項目の1点目はこの令和6年能登半島地震への対応についてです。

本日は、前回会見時以降の取組みを中心に御説明したいと思います。

まず資料2ページを御覧下さい。京都府が行う人的支援につきましては、対口支援先である七尾市に対しまして、1月5日からリエゾン職員2名の派遣を行うとともに、1月9日から避難所運営支援のために、府職員33名を派遣いたしました。

この避難所運営支援のための職員派遣につきましては、1月13日に出発する第2次派遣から、既に別途派遣されている京都市に加え、他の市町村にも御協力いただき、オール京都での支援を行うこととしております。後ほど、担当課から資料を配布いたします。

現在は七尾市でも断水などの影響により多くの方が避難所で生活されておられますが、今後はライフラインの復旧などにより状況が変わっていくと思います。

しかしながら京都府といたしましては、被災地のニーズがある限り、体制を緩めることなく支援を行ってまいります。

また専門職の派遣としましては、DPAT(災害派遣精神医療チーム)を金沢市の調整本部に1月10日から、保健師等チームを震源地に近く過酷な環境下にある珠洲市に1月9日から派遣しました。

その他、応急危険度判定業務のための建築技術職員を1月10日から2名珠洲市に派遣しますとともに、従事先はまだ調整中ではございますが、13日からの活動に向けて追加で2名を本日派遣したところです。

資料3ページを御覧下さい。給水支援につきましては、京都府所有の給水車1台を1月15日から能登町に派遣いたします。こちらも後ほど、担当課から資料配布いたします。

府営住宅につきましても、1月5日から受付を開始しましたところ、昨日1月11日現在で、まだ入居はされていないものの、15件のお問い合わせをいただいており、入居が決まった方から、順次手続きを進めることとしております。

また、被災された方や被災地を支援されたい方に向けて、特設のホームページを開設いたしました。府ホームページのトップ画面から御覧になれますので、御活用いただきたいと思います。

府内市町村による支援についてでありますが、京都市における給水活動や、下水道管路施設の早期復旧に向けた調整、それから15市町による公営住宅57戸の受付も開始されております。

資料4ページを御覧下さい。警察・消防関係では、特別自動車警ら部隊が1月6日から、特別機動捜査部隊が1月10日から派遣されるとともに、緊急消防援助隊の第4陣154名が1月10日に出動しました。

資料4ページから5ページに跨がりますが、医療・福祉関係については、DMAT(災害派遣医療チーム)が1月10日に第2次派遣を、DWAT(災害派遣福祉チーム)が1月8日から順次派遣をしています。

またその他の医療従事者については、日本赤十字社の医療チームと京都府看護協会の看護師の派遣がそれぞれ1月8日から、京都府薬剤師会からの派遣が1月11日から行われております。

避難所の関係については、石川県では国とともに県内外のホテル・旅館等を2次避難所として利用できるよう確保を進めておられまして、京都府内においても、京都府旅館ホテル生活衛生同業組合が観光庁からの要請により2,733名分の受入ができることを確認されております。

今後、2次避難された場所で医療や福祉の支援が必要となった場合には、京都府としても支援させていただくつもりです。

さらに衛生関係では、京都府環境整備事業協同組合が、環境省からの要請により1月10日から、珠洲市及び七尾市のし尿及び浄化槽汚泥の運搬支援が行われております。

引き続き、被災された方々が一日も早く日常生活を取り戻していただけますよう、全力で支援してまいります。

「第12回女性起業家賞(アントレプレナー賞)」の受賞者決定について

2点目は、「第12回京都女性起業家賞(アントレプレナー賞)」の受賞者の決定についてです。

京都府では、女性の「起業」は多様な働き方のひとつであるという認識とともに、女性の視点や能力を活かしたビジネスアイデアが地域社会や経済の活性化のために重要であると考え、女性起業家の魅力発信と支援を行うビジネスコンテスト「京都女性起業家賞(アントレプレナー賞)」を実施しており、この度、今年度の受賞者を決定しましたので御紹介させていただきます。

京都府知事賞最優秀賞は、株式会社Halu代表取締役 松本 友理さまです。

乳幼児向けのインクルーシブ・ブランド「IKOU」を展開する企業で、京都府チャレンジ・バイ認定制度を活用し、府内施設での導入を進めるとともに、欧米での展開も視野に入れており、今後の展開が期待されます。

この他、京都府知事賞優秀賞、子育て関連事業賞、また、2ページに記載があります近畿経済産業局及び府内の経済団体や金融機関などから授与される特別賞の受賞者を合わせ、全12事業者を決定しました。

表彰式は、1月26日にホテルモントレ京都にて行う予定ですので、当日の取材及び周知について御協力のほどよろしくお願いします。

私からは以上です。

質疑応答

記者

現時点で二次避難のニーズはあるのか。

知事

今日、官房長官から発表がありましたが、観光庁が取りまとめて、北陸4県でホテルや旅館を中心に何千戸建かを確保されています。実際は避難される方の意向把握も丁寧に行っていかないといけないと言われていますので、今すぐに京都府にどれだけ来られるかというニーズまでは、私自身は聞いていません。

まずは準備として、いざとなった時に受入可能なのは2,733名だと理解しております。

実際問題は、自宅からどんどん遠ざかることになりますので、どういう形で来られる方を選ぶのかについては、石川県や関係の市町で調整されることになると思います。我々は受入先を決めて、それを情報として現地にお渡しすることになると考えています。

記者

先週の会見からの1週間の間に上がってきたニーズを元に、今回発表された支援を実施するということだと思うが、今後想定される支援内容はどのようなものか。

知事

災害は全てそうですが、過去に同じ災害はありません。今はまだ救助・救出の段階ですし、避難を的確にすることが大切です。まさに二次避難というのは、最初の避難所の環境が非常に厳しいから二次避難が必要だという話ですので、今はその段階の支援をしているということです。

今後については、仮設住宅の建設も始まりましたし、我々の公営住宅に問い合わせがあるということは、入居される可能性があるということですので、避難所から出て次の仮設住宅への入居段階にどれくらい支援するのかということになります。

それから医療関係については、医師、看護師、保健師も含めて、カウンターパートの七尾市だけでなく、それぞれの全国団体からの調整によって、被災地にかなり幅広く入っていますので、避難所におられる方の健康管理については、もっと色々なニーズが出てくると考えています。

もう少し経てば、インフラ等の応急・復旧について、どういう支援ができるのかというのは、我々が個別に勝手に行ってもいけないので、復旧のニーズを石川県の方である程度把握した上で、国とも協力して、我々の自治体の方にも支援要請が来ると思っています。ただ、今の段階では、まだそこまではなかなかいかないと思っています。

個別には、例えば京都府のトラック協会は、全国のトラック協会の団体を通じて支援物資の輸送への協力を依頼されています。また、義援金の関係は我々もやっていますし、色々なレベルで支援の動きがあります。

災害の時はいつもそうですが、様々なルートと様々な分野での支援はこれから幅が広がっていくと思います。

記者

今後、インフラ復旧の段階になると建築業界の人材も必要になると思うが、人手不足が言われる中で、府内の公共工事や万博工事への影響はあるのか。

知事

インフラというと、まずは道路を通すなど土木事業が中心になります。万博についてはインフラもありますが、どちらかというと建築関係が中心なので、すぐにバッティングするかどうかは分かりません。

映像で見る限り、かなりの建物が倒壊していますが、それをどうやって復興していくのかについては、東日本大震災でもそうでしたが、例えば高齢者夫婦の方がそこにまた戻って生活されるのか等も含め、一つ一つの市町ごとの復興のまちづくり計画との兼ね合いもあります。その辺りが具体のニーズになるには少し時間はかかると思います。

もし、京都府内の建設業界に対して支援要請があれば、いつでも行く準備はしていますが、映像で見る限りは、道路の寸断が全ての被災地対応へのネックになっているようですし、それから断水のこともあります。この辺りについての協力依頼があるかもしれません。

実際は現地に行って、地元ではない業者の方が働くのはそれほど簡単なことではありません。資機材などの支援要請もあるかもしれませんが、私のところにはまだ具体的には話が来ていません。

記者

京都府としてどのような姿勢で支援に臨みたいと考えているか。

知事

我々が派遣したリエゾン職員や避難所運営支援の職員、それから現地に行かれた医療関係者や消防、警察の方の話を聞くと、現地は過酷な状況になっているということで、まずは避難されている方の生活をしっかりと支援することに全力を挙げるということです。災害関連死の話もありますが、非常に厳しい環境の中で避難されている方をしっかりとお守りすることを支援していきます。避難所運営の支援もその一環だと思いますし、医療関係の支援もそうです。

いずれ、インフラの復旧も含め幅広いニーズについて、現地でしっかりと把握されて支援の要請がくると思いますので、それに向けてこちらも準備をしながら全力で支援をしていきたいと考えています。

また義援金や経済的支援も当然必要だと思いますので、被災地に寄り添いたいという府民の皆様の気持ちを出来る限り伝えるように努力をしていきたいと考えています。

記者

府内で確認された「その他の被害」については、この間きちんと調べる中で新たに判明したということか。

知事

はい、そういうことです。

記者

府内には多くの大学があり、受験生の中には被災した方もいると思う。また、被災地出身で京都の大学に通う方もいると思うが、そういった方にどういった支援をしようと考えているか。

知事

まず、府内の大学を受験される皆さんについては、1月5日付で文部科学省の高等教育局長から、「令和6年能登半島地震の発生に伴う令和6年度入学者選抜における対応について」という通知が発出されており、出願期間の延長、出願方法や手続きの弾力化、入学検定料の納入期限延長や減免、受験日程の別日程への振替、それからもう少し先のことにはなりますが入学手続き期間の延長、入学金や授業料の納入期限の延長や減免などを例示して、各大学の実情に応じて柔軟な措置を講じるよう依頼されています。

全てを把握している訳ではありませんが、その通知に基づき各大学の方で順次措置を実施されていますので、我々も必要に応じて各大学と連携して相談に乗りたいと思いますが、各大学できめ細かく配慮されると聞いています。

府内大学に通われる被災地出身の学生についても同じように、高等教育局長から10日付で、「令和6年能登半島地震により被災した学生への配慮等について」という通知が出ています。

就学困難な学生への経済的な支援、外国人留学生に対する配慮、学生に対する単位の授与、就職活動への配慮など、具体的な奨学金等による支援の周知も含めて、各大学に依頼されており、各大学において実情に応じて支援内容の周知や、今後の対応について検討されています。これについてもかなりきめ細かく対応するということです。

ちなみに、府立の2つの大学については、大学が学生に対して被害状況の確認をしたところ、現時点では大きな被害を受けた学生はいなかったということです。引き続き府立の大学についても、きめ細かく対応したいと思いますし、我々もこの問題について大学と情報収集しながら何かお手伝いできることがあればしたいと考えています。

大学の方でも、文部科学省の通知に基づいて、かなりきめ細かに対応いただけると聞いています。

記者

被災地への支援が広がっていくにあたり、京都府として予算を編成する必要がはあるか。

知事

我々は行政なので、様々な活動には全て何らかの経費がかかっていることは間違いないのですが、今のところは既定の経費の中でやっています。

今後の支援内容にもよるので、どういうことが起こればどういう経費がかかるのかを見定めないといけません。

今すぐに我々の方で何か予算を編成しなければいけないということではないと思いますが、ここは柔軟に考えておく必要があると考えています。

記者

被災者の生存率が落ち込む72時間までに幹線道路が分断されたりして救助作業の妨げ生じた。仮に京都で同じ規模の地震が起こった場合、同じ問題が起こる可能性があるのかと、その場合に必要な対策について伺いたい。

知事

同じ問題が起こるかどうかは、地震の規模や震源地の位置、半島の地形など、色々と関係することが多いですが、基本的に半島の道路は通るところがないので、海にせり出しているところに空地を作って道路を作っているという構造は同じであり、元々は一方が崖で一方が海であり、そこが被災した場合は、そこへのアクセスが極めて難しくなる地形であることは間違いありません。一般論として、同様の規模で地震が起これば、他の場所でもそうした事態が起こる可能性は十分にあると思います。

京都府内で言えば丹後半島などにおいて、いくつかそうした半島を巡る道路がありますので、それについては同じようなことが起こる可能性はあります。元々、半島道路については、その地域を活性化し、産業を興し、あるいは生活を守る道路として作られました。今後は、もし、そうしたことが起こった場合について、どのような対処方針とするのかというのは一つの課題だと考えています。

私がいつも言っているように、災害が起これば、全国のどこで起きても、それを京都府の防災対策にどう活かすのかを常に検証して、それを活かしていくという姿勢を持っています。

一方でかなりのインフラ投資をした上でできている道路なので、どこまで、しかもどの期間でできるかというのは難しい課題ですが、当然今後の防災対策には今回の地震による被害については活かしていきたいです。

記者

今回の地震では高齢化率が50%前後と高い自治体で特に被害が拡大しているが、京都府にもそうした自治体があると思うが、そういった場合、住民同士で助け合う仕組みが機能しなくなることが考えられる。

京都府で同様のことが起こる可能性があるのかと、起きた場合にどのような対策が考えられるかを伺いたい。

知事

高齢化率の話は、先ほどの半島道路の件よりもはるかに一般的な問題として、先日発表された人口問題研究所の2050年の人口予測でも非常に高い高齢化率になることが予測されています。

災害が起こった時の対応についてということですが、今回はそれだけではなく、公共交通や買い物、医療、介護といった全てに渡って高齢化率が非常に高い地域において、そうした住民サービスをどのように維持するかという問題がある中で、災害が起きた時にどのように助け合うのかということについては、今回のような極めて大規模な地震でなくても、例えば大雨でも同じようなことがありますので、高齢化率が高いことを前提とした対策を講じるのは当然のことだと考えています。

記者

過疎地の市町村の防災力や発災時の対応について現段階で感じている課題や、京都府として取り組んでいることはあるか。

知事

地域防災計画は常に更新していますし、復旧・復興に向けての考え方も整理していますが、防災力というよりも、例えば、地震のタイムラインを作ってもらう取組をしており、「逃げ遅れゼロ」を達成するためにどうするのかは市町村ごとに若干取組の力の差はありますが、そういう時こそ広域行政である京都府が対応の状況を常に把握して、足りないところはアドバイスをしたり、場合によっては支援をしていきます。

市町村によっては先程申し上げた半島がある等、地理的条件も違いますので、市町村の特徴に合わせた地域防災計画や復旧・復興計画を作っていくということに尽きます。

高齢化率も含めて地域を維持することが少子高齢化・人口減少の中で、非常に厳しい団体が増えていることは間違いないので、きちんと我々の方で支援していく必要があると考えています。

記者

先週から府の職員の被災地入りが本格化しているが、派遣したことで把握したニーズというのは、具体的にどのようなことがあるのか。

知事

先ほど言いましたように、警察や消防、医療・福祉関係で行かれた方は被災地全域にくまなく行かれておりまして、そうした方からは、被災地は非常に過酷な状況で、救出・救助に相当苦労されたと聞いています。

我々が対口支援で行っている七尾市への避難所運営支援については、断水が一番大変だと聞いています。電気はそろそろ戻ってきていて、食料や通信、飲料水はペットボトルの水等で充足しているのですが、断水しているのでトイレ等も含めて非常に不自由な状況になっていると聞いております。

それから状況が変わっているかもしれませんが、断水が解消された避難所では避難所運営支援のニーズが比較的低くなっているので、より厳しい状況にある避難所運営を支援するように、箇所を変えて回っていくというようなことを聞いています。

そうしたことからすると七尾市で言えば避難所運営については断水が一番、大きな問題だと考えています。

ただ、輪島市や珠洲市、穴水町といった地域では、道路の寸断が色々な支援の妨げになっていると聞いており、我々が支援している七尾市とは違う課題があると思います。

記者

七尾市での支援のメインは、避難所運営支援になってくるのか。

知事

先ほども言いましたように医師や看護師の方もかなりたくさん入っていまして、そこについては七尾市だけでなく、避難所での健康管理であったり、救出・救助についてもDMATが活動されています。そうしたニーズもありますが、我々は七尾市のカウンターパートで入って、まずは避難所運営に力を貸してほしいと言われましたので、避難されている方の生活をきちんと守っていくということをさせていただいているということです。

記者

第2陣以降は京都市以外の他の市町村からも支援に行かれるとのことだが、どういった経緯でそうなったのか。

知事

京都府と京都市からは既に職員を派遣していますが、京都市以外の府内の市町村からは、市町村長さんからも「何でもお手伝い、支援をしたい」との声をいただいていました。ただ、バラバラ行っても迷惑になるということで、府の方に調整をお願いされていました。

第1陣は府の職員だけで行きましたが、明日からの第2陣で派遣する30名のうち、半分の15名を市町村の職員の方にお願いしようと考えています。全市町村から派遣の申し出がありますので、その次の派遣においては、第2陣で行っていただく15市町村以外の方にもお願いしようと考えています。

派遣にあたっては、支援物資も併せて持っていっております。非常食や飲料水、毛布、子供用のおむつなどの、いわゆるプッシュ型支援に使われているものについては、市町村から提供いただいたものもあります。避難所運営にあたっては、そういった市町村の「支援したい」という気持ちを我々の方できちっと受けとめて、調整して円滑な支援につなげていっているということです。

記者

災害の経験を京都府の防災対策に活かすという話があったが、能登半島地震の被害状況を見たり、支援をされる中で、京都府の災害への備えとして改めて確認したことや検討すべきこと、見直すことはあるか。

知事

地震について言うと、平成20年に府内にある22の活断層の被害想定を公表しています。人口や建物の耐震化率が相当変わっていますので、現在府内では、おそらく最大の被害が想定される花折断層帯の地震の被害想定の見直しを行っておりまして、その結果を踏まえて第三次の京都府戦略的地震防災対策推進プランの見直しに反映させていきたいと考えています。その場合に、今回の地震における課題も当然そこに加味されてくると考えています。

今回の地震は、トータルとして政府できちんと分析されている訳ではありませんが、見る限りは、津波の到達速度が早かったことや、能登半島の東側での津波被害が多く、これは海底の地形が影響しているのではないかなど色々言われています。

それから、建物の被害もさることながら、地滑りと土砂崩れが起こることによってインフラが寸断される状況や、海底の隆起といった様々なことが起こっています。計画の見直しにおいて専門家の方がこれを考慮して、京都府内の地震による被害想定に今回の状況が反映されることになると考えています。

それから、地震が起こる季節にもよります。もう少し暖かい時期なら避難所運営もかなり違う様相で、感染症の心配もあまり無かったと思います。また、地震が発生する時が朝なのか昼なのか夜中なのかによっても全然対応が違うということもあります。そうしたことも今回の地震被害の一つの大きな要素になっていると思います。

それから、道路が寸断された時に、最初は個人の方の車両が一斉に来たために渋滞を起こして、緊急車両や支援物資を大量に輸送する車両が通れないといったことがあり、途中から控えるよう呼びかけられました。

色々なことが起こっていまして、今はまだつぶさに検証する段階ではありませんが、一定落ち着いたところでは我々もきちんと見て、似たような地理的環境があるところについては当然、計画の見直しに反映させていきたいです。

記者

府営住宅に15件の問い合わせがあったということだが、これは住みたいというものなのか、とりあえず聞いてみようというものなのか。

知事

とりあえずということではないと思います。前回の会見でもどういう方が来られるかについて例を挙げていましたが、今回の15件の問い合わせは、被災者の親族や友人、自ら避難所で生活されている方から来ており、どのような公営住宅に入居できるのか、入居の条件、どのような申し込み手続きをすればいいかという質問でしたので、一定のニーズに基づいて問い合わせをされているのではないかと思っています。

東日本大震災の時でも、親族が京都府内にいらっしゃる方であれば京都に来れば近くに相談に乗ってもらえたり、支援をしてくれる方がいる、また今までに京都府内に住んだことのある人は、土地勘があるということなど、いわゆる京都にゆかりのある方からの希望がありました。今回もおそらく同様だと考えています。

実家が府内にあったり、親族が府内に住んでいる方からの問い合わせもあったと聞いています。まだ15件ですが、今後、徐々に増えていくのではないかと考えています。

京都市を除く市町村全体でも提供可能戸数は57戸と言っており、今のところ問い合わせはないようですが、これはまさに二次避難ではなくて、避難所から出てしばらく仮設で住むというものだと思います。

東日本大震災の時のことを考えても京都ゆかりの方が来られていましたので、とりあえず聞いてみようというより、一定具体的なことを念頭に置きながらの問い合わせだと思います。

記者

今は救出・救助・救命が最大のポイントだと思うが、しばらくすると復興に軸足が移ると思う。その場合も、万博の工事と復興はどういう割合で行われるのか。場合によっては復興を優先させた方がいいという意見もあるようだが、どうか。

知事

万博は来年の4月に始まりますので、極めて期間が短いことですし、工事の種別として一部、インフラは万博会場以外で整備が行われていますが、ニーズの局面は違うと思います。

二つを比べてどちらが優先するといった判断をするような局面に置くべきものではなく、両方とも必要な仕事だと思います。

今の被災状況を見て、復旧・復興需要はなるべく早く需要が出た方が被災された方のためになることは間違いないですが、それが万博工事との兼ね合いでどういう時期になるのかを、まずは復旧・復興を企画立案される方ができる限り被災地に寄り添って決めることが先決です。

その上で、それを円滑に行うためにどのような手法があるのかという時に、もし万博と関連するとすれば、どちらかを優先するのではなく、いろんな工夫をして両方成り立つようにやっていくことだと考えます。

現地は救助の段階であり、まだそこまで至っていないと思います。

また、避難されている方の健康管理という大きな問題があり、まずはそちらに全力を傾注されていると思います。ただ、いずれ復旧・復興の段階になっていくと思います。

記者

先日、人口戦略会議が、2100年には人口を8000万人とすることも考えるべきであり、内閣に司令塔を作ることが必要だと総理に提言されたが、これについて知事の所見はどうか。

知事

提言はまだ中間報告であり、年末に最終報告を取りまとめる予定と聞いていますが、提言内容を見ますと、私も「我が国の最大の構造的課題は人口減少だ」と言っており、しかも「国を挙げて対応しなければいけない」と言っており、問題意識はこの人口戦略会議と同じです。

しかも、国が強いリーダーシップを発揮してオールジャパンで取り組む必要があると仰っているので、我々の思いと同じように、この人口戦略会議の提言を受けて、政府として本気で取り組んでいただくことを期待いたします。

この提言は私の考えと軌を一にするところが多く、私も人口減少を緩和させるための対策と人口減少下でも社会経済システムを維持する二つの対策が必要だと言っておりますが、提言でも「定常化戦略」と「強靱化戦略」と分けておられます。

しかも、提言の中では、子育てには共同養育が必要だとか、子育てが大変だというイメージを払拭すべきだとか、子育ての楽しさや喜びを世の中に伝えるイメージ作りが必要だとか、ジェンダー格差の改善や仕事と子育てが両立できる職場作りが必要など、府が12月1日にまとめた戦略と極めて共通することが盛り込まれておりますので、改めて戦略を取りまとめた我々の思いが、オールジャパンで考えられる方の思いと同じだということで、意を強くすると共に、これは言うだけではなく、実現するために改めて全力で取り組まなければいけない課題だということを認識しました。

記者

京都市長選に立候補を表明されていた村山祥栄さんの政治資金パーティを巡る問題で、日本維新の会と教育無償化を実現する会が、推薦を撤回されるという報道がされているが、知事の所見はどうか。

知事

報道は承知しておりますが、私自身がそれぞれの政党の判断についてコメントする立場にはないと思います。

吉村知事が囲み取材で答えられており、まだ正式に決まった訳ではないと仰られていますが、一定の方向を向いた発言もされていますので、いずれ決められると思います。私自身がその政党の判断についてコメントすることは難しいです。

記者

疑惑を持たれている本人が表に出てきて説明をしないことについてどのように感じるか。

知事

疑惑を持たれていることについて本人が意識をされているか分かりませんが、報道はされています。一般論で言えば、政治資金は法に則って適切に処理されることが当然ですし、疑義がある場合は政治家としては説明責任を果たすべきだと思います。

 

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