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平成30年6月1日知事記者会見

京都大学との植物多様性保全に関する教育及び研究の連携に関する
協定の締結について

私からは2点あります。

一点目は、府立植物園と京都大学との協定の締結についてです。従来から府立植物園の魅力向上と研究機関としての機能充実を目指しておりましたが、この度、京都大学と植物多様性保全に関する教育及び研究の連携に関する協定を締結することにいたしました。協定の内容は、(1)絶滅危惧植物の保全に関する事項、(2)京都府立植物園で栽培されている植物等の維持・管理と研究に関する事項、(3)京都府立植物園における環境教育に関する事項、(4)フィールド科学教育研究センター研究林・試験地に自生する植物の域外保全に関する事項です。

具体的には6月13日(水曜日)10時40分~11時10分、植物園会館2階多目的室で、京都大学総長の山極壽一様と私との間で協定の締結を行います。

今までもある程度連携をしていましたが、紙面で取り交わしていなかったので、是非はっきりとした形で連携をしたいということです。

植物園の中の植物を一緒に研究することもありますし、植物園で環境関係教育をやっていますが、大学に協力をしていただくこともあります。京都大学フィールド科学研究教育センターの研究林には貴重なものが多いですから、そこに植物園から出向いて、植物の保全にも協力しますし、一方で職員のレベルアップにもつながるということで、いずれにしても互いに持っている知識や技術を交流することでより高めていくものです。最終的にはそれによって貢献できればと思っています。

 

京都大学との植物多様性保全に関する教育及び研究の連携に関する協定の締結について(PDF:206KB)

 

東京2020オリンピック・パラリンピック フラッグツアー フラッグ歓迎イベント等の実施について

 二点目は、東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアーフラッグ歓迎イベント等の実施についてです。
リオオリンピック・パラリンピックの閉会式でフラッグが引き継がれました。2020年のオリンピック・パラリンピックで、日本全体の機運を盛り上げるために東京都や組織委員会、JOC・JPCが全国各地を巡回するフラッグツアーを実施されています。京都府では7月4日(水曜日)から8月1日(水曜日)に開催することになりまして、フラッグ歓迎イベントを7月4日(水曜日)に開催します。この期間中は、府内の全市町村においてオリンピックフラッグ・パラリンピックフラッグが順次展示されますし、応援プログラムが行われますのでPRにご協力をお願いいたします。
フラッグ歓迎イベントは9時~10時、京都府立府民ホールアルティで開催します。私と村田正治議長にも参加していただいて、田中琴乃アンバサダーからオリンピックフラッグ・パラリンピックフラッグの引き継ぎを行います。調整中と書いてありますが、具体的なイベントの内容については詰めておりますが、時間と場所は記載の通りですので、よろしくお願いいたします。
期間中の市町村のフラッグ展示は別紙の通りです。市町村の展示はお任せしているところもありますので、ご興味があれば市町村に問い合わせをいただければと思います。
同時開催イベントとして、小中学校の訪問ですとか参画プログラムについても記載の通り行いますので、よろしくお願いいたします。

 

 東京2020オリンピック・パラリンピック フラッグツアー フラッグ歓迎イベント等の実施について(PDF:486KB)

 

主な質疑応答

記者

植物園の協定について。府民の中に希少種や絶滅危惧種の保全をする方もいる。協定締結することで、保全のための講習会や問い合わせで情報を教えてもらえる等の可能性があるのか。

 

知事

植物園は府立の施設ですから府民の方に還元して、活用してもらいたいと思います。大学が加わることで、そのレベルや範囲がより広がるという意味で活用の可能性があります。この連携協定によって、そういう機会が増えるかどうか具体的なところまで聞いていませんが、まずは研究レベルや具体の実務や知識、研究成果の交換などレベルアップに繋がることは間違いありません。それを更にいろいろな方に還元していただくのは、いいご指摘なので、私の方からもそのきっかけになるように指示していきます。

 

記者

滋賀県知事が県として大戸川ダムの勉強会を行った。知事は大戸川ダムの必要性や治水効果をどう考えるか。

 

知事

5月16日に滋賀県知事が大戸川ダムの建設予定地を現地視察されて、一昨日、滋賀県として大戸川ダムの勉強会を開催されたことは承知しています。ただ、これは滋賀県側の動きではあります。

私としては、過去の府の技術検討会の評価の中で、大戸川ダムの緊急性は低いということと、京都府域の中上流の河川改修の進捗状況やその影響を検証しながら、その実施については更に検討が必要、という結論がありますので、今のところ、その評価に変わりはないと思います。

天ヶ瀬ダムの再開発も今やっていますし、ダム操作や中上流域の堤防の状況を踏まえ、滋賀県の意見や国の検証結果も見ながらになりますが、いずれ大戸川ダムについては判断する時期が来ると思います。今の段階では、過去の有識者検討会の評価を変える事情が出てきたとは思いません。

 

記者

有識者検討会から10年経ち、雨の降り方が実感として変わってきた。緊急性が低いというが、中上流についても天ケ瀬ダムや桂川や嵐山の課題も進み、あと3~4年で決まると思うが、具体的に判断する時期のタイミングはあるか。

 

知事

今のところ具体的なタイミングは無いです。もちろん、雨の降り方は感覚としてはそうですが、この流域でそれがどれだけ影響を与えているのかということと、天ヶ瀬ダム再開発などの整備によって、安全度がどれだけ高まるのかという具体的な検討が行われているわけではありません。いずれ、新しい判断材料が整ってくると思いますが、いつになるか具体的な時期は今の時点ではないです。

 

記者

宮津市が新たに北前船の関係で日本遺産に追加認定された。「もうひとつの京都」の今後の展開と関連して、府内の日本遺産を府の観光政策とどのように絡めて活用していくか。西国三十三所の巡礼と亀岡・丹波の自然についても登録を目指しているが、その動きをどのように見るか。

 

知事

日本遺産に認められることは、観光政策上、当然、追い風にもなるし、活用することは当然のことだと思います。「もうひとつの京都」と絡めての質問でしたが、新しい執行体制でもお話しましたが、「もうひとつの京都」は、優れた政策だと思います。それを深化・発展させたり「もうひとつの京都」同士の連携や、府域全体の大きな交流を作ったりするために私をトップとした観光戦略推進本部を作ります。

西国三十三所と亀岡・丹波の話も、登録を目指して後押しをしていきたいと思います。

 

記者

先日の知事選挙の全体投票率も過去2番目に低いという結果が出た。18歳・19歳に限ると、全体より13ポイントも低く、5人に4人は知事選挙に関心がなかったことになる。知事の受け止めと、理由はどう見るか。今後の若者の投票率向上に向けてどのような施策を考えているか。

 

知事

京都府全体として、投票率が低いということがあります。知事選挙独自に私が感じていることは無いのですが、若者に絞って言うと他の世代と比べて低いことは間違いないわけで、残念な結果だと思います。

19歳が一番低いのは、受験など色々な要素があると思いますが、投票は民主主義の権限を行使する根幹的な行動だと思っているので、なるべくたくさん参加してもらいたいと思っています。特に若い人に関心を持ってもらうといいのは、少子高齢化や人口減少の話があり、人口構成上、高齢者の方が人数が多いから高齢者政策にウエイトが置かれやすい。これは京都府ではなく一般的な行政として言われています。

人口減少の中で活力や賑わいをつくるためには、若い人の意見を把握する必要があります。個別の話もありますが、投票は意見反映の一つだと思いますので、投票率は高い方がいいと思います。

施策については、今考えていることはありませんが、やりすぎると民主主義との関係で問題が出ても困るのですが、一般的に教育の中で日本の選挙制度、根幹である行政や選挙の制度についての理解を深めていく。地道なことだと思います。

 

記者

若年層の投票率の18~19歳の投票率を上げることは難しい課題だが、知事としても若い人に政治に対して関心を持ってもらいたいと考えているか。

 

知事

投票率アップということではなくて、どんなことを考えているのだろうという意味においては、なんで関心がないのか実はわからないところもあるわけで、意見を聞きたいという思いはあります。それが投票率につながるかどうかまではないのですが。

例えば、政治はいきなり「投票」ではないと思うのですよね。一般に行われている行政サービスは、どういう仕組みでお金が賄われているのかが、とっかかりだと思います。公の仕組みに関心を持ってもらうために、それぞれの行政主体が学校以外にコミュニケーションが取れる場があればあればと思います。

 

記者

選挙中、若者と会うこともあったと思うが、どんな施策を若者は求めていると感じたか。

 

知事

就職と言う言葉が良いか別としても、教育のことよりも、その後どういう風に社会人になっていくかの関心はもともと高いと思います。それ以外は、かなり地域性もあるのでよくわからないのですが、そこも一つあると思いましたね。

 

記者

3月末に政務活動費の使い方を巡って、民間から疑義が出され、結果として5月に棄却された。透明性の向上や、裏付けとなる書類は議員が保存をしておくもので提出はしなくてもいいという基準を見直して欲しいという要望があった。今のマニュアルについて京都府としてどのように見直していくべきか。

 

知事

基本的には政務活動費の諸制度については、規定やマニュアルもこれまでかなり進化してきて、説明責任の強化や透明性の向上など、主に府議会の方で見直しがされてきたと思います。議会でも社会情勢や府民の意思に基づいて、政務活動費に対する見る目が変わっている。それに応じて、まずは議会で答申を受けられて、どういった見直しをするか考えていただく。それを受けて制度化していくことだと思います。議会の一次的な判断の前に、私の方で具体的にああしろこうしろというのは、控えたいのが率直な感想です。

ただ、税金を使っているのは確かなので、府民の皆様に理解・納得いただく制度の運用をしていただきたいのは間違いありません。

 

記者

6月15日から民泊新法が施行されるが、推進か規制か、どのように舵を切ったと考えるか。

 

知事

この制度に、推進か規制かというのはあり得ないと思います。民泊は非常に多くの影響や利害が絡んでいるので、場所や周りの状況などによって違うと思います。条例によって、公平の仕組みがある程度、地域の特性や地域が置かれている状況に応じた内容ですので、まずは的確に運用することに尽きるのかなと思います。営業日数のことでより厳しくしたいところもあれば、宿泊施設の不足によって地域振興や地域の活性化が妨げられているのであれば活用したいというところもあります。それぞれの立場があるので条例にしたということで、単純に推進か規制かという話では全くないと思います。

ただ、違法民泊については適正に対応しなければ、制度全体が信頼を失うことになると思うので、きちっと条例を運用されることが重要だと思います。

それともう一つは、初めての制度化なのですね。実態が先に動き始めたことやアメリカでの動きもあります。スタートした制度が最初から完璧ということはあり得ないと思います。あまり無責任になってはいけませんが、運用する過程で見直しや改良の余地はあると思います。今のところは、まずできた制度を適正に運用していくことをお願いしたいと思います。

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