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平成30年度 メカトロニクス科トピック(2年生)

 <4月>「自分のロボットを作る!」

2年生になると、製図や機械加工、電子回路、プログラムなど、1年次に学んだすべての知識を活かしながら、一人で一台のロボットを製作し、「全日本ロボット相撲大会」に出場します。

10月の近畿大会で上位入賞し、12月の全国大会(両国国技館)に出場できるよう頑張っていますが、なにより大切なのは、ものづくりの難しさと楽しさを学ぶこと!

分からないことがあれば、仲間と知恵を出し合って解決するなど、ロボット製作を通じて、応用力とチームワークを身に付けます。

CADによる筐体設計の様子

決められた規定寸法の中で、どのような構造にするか、先輩のロボットを参考にしながら自分達で設計します。

 

工作機械による部品加工の様子

設計図をもとに、自分で部品を加工するのですが、機械の台数に限りがあるため、決められた日程で加工を終わらせなければなりません。

訓練のなかで、日程や納期を守ることの重要性も身に付けていきます。

 <5月>「就職活動スタート!」

2年生になると、訓練と並行して就職活動も始まります。

「自分には何が向いているのか」、「何が得意なのか」、「どんな仕事をしたいのか」など、指導員と面談をしながら自己分析をするなかで自分の将来について考えます。

卒業生から体験談を聞いている様子

この日は、2年前の卒業生が来てくれました。

先輩の体験談は、在校生にとって最も参考になります。入社後の話や、休日の過ごし方、必要な資格、就職までに勉強しておくべきことなど、質問は尽きませんでした。

メカトロニクス科の卒業生は、機械系、電気・電子系、制御系など幅広い職種に就職しており、早い人では、1学期中に内定をいただくこともあります。

 <6月>「ロボットが動き始めました!」

筐体設計や部品加工がある程度終わり、人間でいうと骨格ができあがった状態になりました。ここからはロボットを動かすための、神経や血管をつなぐ作業に入っていきます。

そして、センサなどの電子部品を配線でつなぎ、頭脳にあたるマイコンにプログラムを書き込んでいきます。

プログラムを修正する様子

自分で作ったロボットは、まるで我が子のよう(笑)

二人で協力して動作を確認する様子

プログラムのチェックには、根気が必要です。同じタイプのロボットを作っている人と協力しながら、不具合を見つけ、理想の動きに近づけていきます。

たとえ動いたとしても、思い通りに動かすための調整には時間がかかりますが、練習試合などをしながら修正を重ね、訓練生もロボットも成長していきます。

 <7月>「練習試合で不具合を見つける」

「全日本ロボット相撲大会」近畿大会(10月)に向けて、製作が順調に進んでいる訓練生は、動作確認を済ませたあと、練習試合を重ねながら、ロボットを強化しています。

相撲ロボットには、「スピード型」と「パワー型」に分かれます。

「スピード型」は、俊敏に動いて相手の横や後ろに回りこみ、弾き飛ばす相撲。それに対し、「パワー型」は、強力な磁石で鉄板の土俵に張り付き、相手の攻撃を受け止めてからゆっくりと押し出す相撲をとります。

ロボットを土俵に置く様子

強力な磁石がついたロボットを鉄板製の土俵において、スタートボタンを押せばあとは自動で動きます。ここからはプログラム勝負!

ロボットが激しくぶつかる様子

スピード型は、鋭い刃物で相手の下に入り込みはじき飛ばします。練習試合をしながら動きを確認し、プログラムを調整していきます。

衝撃で破損した部品

破損した部品からも衝撃の大きさが分かると思います。

壊れた部品を作り直したり、改良のために設計変更をして、少しでも強くなるよう試行錯誤しながら製作に打ち込んでいます。

 

 <9月>「高校生との練習試合」

夏休み明け、高校生が自作ロボットを持って来校してくれました。ロボット相撲大会は、高校生の部と全日本の部があるため、大会で対決することはありませんが、お互い自作ロボットの調整や技術交流を兼ねて練習試合を行いました。

高校生5人が来てくれ歓迎している様子 高校生と実践形式で対決している様子

 <10月>「ロボット相撲近畿大会5位で全国大会出場!」

10月14日、全日本ロボット相撲大会2018近畿大会が大阪府内の高校で開催されました。
近畿大会は、全国6箇所で行われる地区予選のなかでも最も出場数が多いため、一番の激戦区です。私たちが出場する自立型の部には110台がエントリーしていました。
本校からは、1年生18台、2年生13台が出場し、トーナメント戦の結果、2年生のロボット1台が第5位に入り、3年ぶりに全国大会出場の切符を手にすることができました!
この日まで約半年間、設計から製作まで一生懸命取り組んできたので、実力を出し切れず悔しがっている2年生もたくさんいました。
全国大会では、負けた仲間の分まで思い切り戦えるよう、しっかり調整して臨んで欲しいと思います。

リモコンでスタートの操作をしている様子 土俵にロボットを置く様子 土俵でねばっている様子

 

 <11月>「自由課題でチームビルディング」

ロボット相撲は1人で一台を作る個人作業でしたが、自由課題(卒業製作)は3人~4人のグループで作業します。3月に開催されるテクノフェスティバル(文化祭)で来場者に遊んでもらえるアミューズメント機器を作るのですが、すでに内定をいただいている訓練生は、就職先で必要となる技術を盛り込んだ課題に取組みます。
決められた予算と期間で製作可能なアイデアをまとめて、企画発表で承認を得ることができたら、物品の発注からスタートします。計画、設計、加工、組立、制御など、ものづくりの全工程を約4ヶ月で完成させるには、チームで力を合わせなければなりません。
チームでひとつの目標に向かって進んでいくということは、仕事をする上で最も重要です。メカトロニクス科では、ものづくりを通じたチームビルディングを経験し、就職後に組織の中で能力を発揮できる人材に成長することを自由課題製作の大きな目的としています。
今年は、「ラジコンボールサッカー」、「ボクシングファイターロボ」、「ヘリウム飛行船」、「イライラ棒」などを製作することになりました。
写真は、ラジコンボールサッカーのボールを3Dプリンタで製作している様子です。

2月の最終発表に向けて、試行錯誤しながら取組んでいます。

3Dプリンタで球体を作成している様子 制作した球体にラジコンを入れる様子

 

 <12月>「ロボット相撲世界大会ベスト32!」(2年)

12月15日、16日に東京の両国国技館で全日本ロボット相撲大会が開催されました。昨年から世界規模の大会となり、国内だけでなく、世界35ヶ国から2000台以上が出場するなか、予選トーナメントで昨年優勝国を破り、世界でベスト32に入ることができました!

<試合結果>

予選トーナメント1回戦、アルゼンチン代表「Pampa」を相手に、パワーで押し切る相撲で快勝!
2回戦、昨年優勝国のポーランド代表「Speedster」の機敏な動きに耐え、パワー型の本領を発揮して勝利!念願の決勝トーナメントに進出することができました。
決勝トーナメントでは、イタリア代表に破れてしまいましたが、今後につながる結果を残すことができました。応援してくださった皆様、ありがとうございました!

ポーランド代表と対戦している様子 会場の大きなスクリーンに写っている様子

 

 <1月>「自由課題(中間発表)」

チームに分かれて10月から取り組んでいる自由課題(卒業製作)の中間発表を行いました。企画発表時に宣言した内容をクリアできているか、正常に動作するかなどを全員でチェックします。指導員からOKがもらえるかどうか…

ラジコンボールの動作確認をしている様子 小型カメラの映像をテレビ画面で確認している様子 ボクシングロボの動作を確認している様子 操作回路のLEDを点灯させている様子

多少の課題は残りましたが、予定していた動作確認ができたため、全チームが次のステップに進むことになりました。しかし、2月の最終発表に向けてやるべき作業は山積みです。納期を守りながらより良い物を作り上げるために、ここから更なるチーム力が求められます。

 <2月>「自由課題(最終発表)」

2月14日、いよいよ自由課題の最終発表です。製作物の概要や仕様、工夫した点、苦労した点をパワーポイントで説明した後、実演を交えた発表をします。限られた時間の中で各チームが役割分担をしっかり決め、2年間の集大成となる発表をしてくれました。ただし、まだ終わりではありません。耐久性を上げ、改善点を修正しテクノフェスティバルまでに完璧に仕上げなければなりません。もうひと頑張り!!

最終発表の様子 ボクシングロボの実演風景説明をしながら1年生に遊んでもらっている様子 ラジコンボールで実際に対戦する1年生

 <3月>「テクノフェスティバル」

3月3日、テクノフェスティバルが開催されました。自分たちが作り上げたアミューズメント機器で来場者に楽しんでいただけるか、最後まで壊れずに正常に動作するかなど不安な気持ちもある中、この日を迎えました。前日まで調整を続けていたチームもあれば、早く完成して装飾に力を入れたチームもありますが、子供たちの笑顔や、保護者からの高評価をいただき、疲れも吹き飛んだようです。

ラジコンボールで子どもが遊んでいる様子 イライラ棒で子どもが遊んでいる様子

ラジコンロボットで子どもが遊んでいる様子 飛行船キャッチャーで子どもが遊んでいる様子

自由課題は、「応用力」、「チームワーク」、「就職につながる技術」に重点を置いて取り組んでいます。今年の2年生も、1年次に学んだ基礎を活かしながらチームで協力し、見事に難題を乗り越えてくれました。就職してからも様々なことにチャレンジし、立派な技術屋さんになってくれることを期待しています。

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