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平成30年度システム設計科 トピック

 3月(3) 京都府青少年課に「セキュリティ啓発アプリ」の試作品を納品しました

 昨年、京都府府民生活部青少年課より、青少年のセキュリティ意識向上のため試作アプリの提案依頼がありました。これを受けて、システム設計科訓練生2名が修了製作実習にて試作アプリの制作に取り組みました。青少年課職員に数回当校にお越しいただき、セキュリティ学習機能に加え、青少年や保護者向けアンケート集計機能等の追加要望を聞き取りながら制作してきました。
 去る3月12日(火曜)に試作品が完成し納品をするため、訓練生とともに青少年課を訪ねて報告を行いました。
 依頼主である青少年課の職員からは「試作品はよくできているので、何らかの形で本制作を紹介できればと思う」との高い評価をいただきました。
 システムエンジニアやプログラマは、自分の作りたいものを作るのではなく、依頼主(顧客)の要望を聞きながらシステムを構築する必要があります。就職してからもこの意識を忘れず活躍してもらいたいです。

青少年課職員への納品風景 作品画像1 作品画像2

 3月(2) 校内ロボコン大会を開催しました

3月3日(日曜)のテクノフェスティバル(学校祭)で、校内ロボコン大会を開催しました。ETロボコンの競技ルールをベースとして、1年生の訓練成果の発表の場として実施しました。予選では、1年生が1人1台コースを2回走行し、1年生の中での最速タイムを競いました。決勝では、1年生の予選1位と2年生のETロボコン出場チームが対戦しました。当初の予想通り2年生の圧勝となりましたが、1年生にとって良い経験になったと思います。
大会の運営にあたって、必要備品の洗い出しや体育館での会場設営、大会当日の司会など全て訓練生が企画・運営しました。これらの経験が就職してから役に立つことを期待しています。

校内ロボコン大会 校内ロボコン大会 校内ロボコン大会

 3月(1) 「ETロボコン参加者成功事例集」に掲載されました

システム設計科では、2013年から2018年までの計6回ETロボコンに参加し、2017年には全国優勝することができました。この取り組みが、ETロボコン公式サイトの「ETロボコン参加者成功事例集」に掲載されました。

ETロボコン活用事例「ETロボコン参加者成功事例集(9ページ目)」
https://www.etrobo.jp/case-study/(外部リンク)

 2月 資格取得状況報告

システム設計科の訓練成果の一つである資格取得状況をまとめました。現1年生から新カリキュラムを適用していますので、2年生とは目標としている資格が変わっています。1年生は3月から就職活動開始となるため、1年次にどれだけ成果を残せるかが重要となります。

平成30年度資格取得状況

 1月 修了製作実習 中間発表会を行いました

 1月15日(火曜)に修了製作実習の中間発表会を行いました。修了製作実習では「チームメンバ以外の第三者(顧客)に使ってもらうシステムを作ること」が指導員より指示されました。昨年4月から各チーム、顧客からの要望を聞き取りながら製作するシステムの提案や必要な機能を検討しました。
 発表会の質疑応答では、聴講者から設計の甘さなど厳しい意見が出る一幕もありました。今回の発表会での意見を基に3月13日(水曜)の完成発表会に向けて、質の高い作品が完成できるよう期待しています。
 なお、3月3日(日曜)のテクノフェスティバルでは、修了製作実習の作品展示と一部体験ができますので、ぜひお越しください。

平成30年度修了製作実習テーマ
・就職活動報告書管理システムの製作
・ネットリテラシー学習WEBアプリの製作
・案内マップ作成ソフトの製作
・簡単操作、単純ルール!音に合わせてリズムアクションゲーム
・独立二輪駆動型移動ロボットの速度制御システム開発

ネットリテラシー中間発表 ロボット制御中間発表

 12月 ネット・ショッピング・サイトの設計・開発

 2年生2学期の総まとめとして、ネット・ショッピング・サイトをテーマとしたグループ課題を実施しました。本課題では指導員を顧客と想定して、作成するシステムにどのような機能が求められているかを訓練生がヒアリングしていきます。システムが完成した時に、「思っていたのと違う」と言われないようにするために、文書としてまとめた要件に間違いがないかどうか顧客と一緒に何度も確認していきます。システムエンジニアは顧客の要望を吸い上げるという仕事であり、技術力だけでなくコミュニケーション能力が不可欠となります。

システム設計科実習風景 システム設計科実習風景

 11月(2) ETロボコン結果報告会

 2年生から1年生への引き継ぎを目的として、ETロボコン結果報告会ETロボコン2018の結果報告会を実施しました。9月の地区大会以降、2年生の出場メンバーは、走行ログ(地区大会の競技中に記録したセンサーやモーター等のデータ)を解析し、地区大会での失敗原因を追及してきました。校内の練習では100%の成功率だった競技課題が、なぜ本番の地区大会で失敗したのかをプレゼンテーション資料にまとめ、1年生にも分かりやすい表現で発表しました。現時点では、失敗原因は分かったのですが、その解決策は模索中です。3月の修了までに、次年度出場する1年生のメンバーと一緒に解決してくれることを期待しています。

 

 11月(1) システム設計科2年生全員の就職先が決定しました!

 システム設計科2年生の就職先が決定しました。全員がIT系職種かつ正規雇用での採用です。
 システム設計科では、就職活動対策として、入校当初より性格診断ソフトを用いた自分の強みの把握や履歴書、職務経歴書などの応募書類の作成を行いました。並行して、毎日の朝礼時に就職面接でよく聞かれる質問をテーマとした3分間スピーチを実施しています。
 このように入校時の早い段階から継続的に就職活動の準備をしてきたことが、就職先の決定に繋がったと考えられます。
 システム設計科2年生は、修了まで残り約4カ月の訓練期間となります。この期間にさらなる技術の習得に励み、来年4月から就職先で活躍することが期待されます。

 10月 情報処理技術者試験 受験

 システム設計科では、国家試験である情報処理技術者試験(IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)の受験を訓練生に推奨しています。情報処理技術者試験は、年2回(4月、10月)実施され、複数の試験区分で構成されています。その試験区分の中でも、1年次の10月に情報セキュリティマネジメント試験、2年次の4月に基本情報技術者試験の受験を想定して指導しています。将来ICT技術者として活躍するため、10年分の過去問を毎日解いて基礎を固めています。

 9月 ETロボコン2018関西地区大会 総合準優勝!

 9月16日(日曜)、京都コンピュータ学院で開催されたETロボコン2018関西地区大会にシステム設計科の訓練生4名(鹿島 俊祐、市原 勇志、藤井 研斗、吉村 海渡)が参加し、上級者向けのアドバンストクラスで総合準優勝となりました。

【成績】
 ・走行競技 2位
 ・モデル審査  ゴールドモデル(1位)
 ・総合準優勝

【訓練生の感想】 
 ETロボコンでの活動を通じて、設計書やプログラミングはもちろんですが、それ以外にも多くの学びがありました。その中から特に学べたことについて2点報告します。

(1)本番を想定した走行テストの重要性
本大会では、紙に印刷された数字をロボットに認識させる課題がありました。一般的にはカメラで撮影した画像を使って認識させますが、本大会では光センサー1つを付けたロボットが数字の上を走ることで認識させなければいけません。そのため、カメラ画像と同程度の情報量を集めるには、ロボットが数字の上を隅から隅まで走って情報を集める必要があります。しかし、限られた競技時間でカメラと同程度の情報量を集めることは困難です。競技時間内に正確に認識させる方法を検討し、走行テストを繰り返すことで、練習では100%に近い成功率を出すことができました。そのため本番では自信をもって挑みましたが、2つの数字の内1つの認識に失敗しました。原因は、練習と本番の照明環境の違いから数字の上を練習どおりに走れなかったことです。環境を変えた走行テストを綿密に行っていれば対策できたと考えます。このことから、走行テストの重要性を学びました。

(2)コミュニケーションの重要性
開発当初、他のメンバーの確認を取らず、個人の判断で作業を行っていたことがありました。そのため、間違いに気付くことが遅れ、数日間の作業が無駄になることがありました。そこで、複数人による作業内容の確認を徹底したことで、手戻りの発生を抑えることにつながりました。
また、大会当日では緊張から想定外のミスが考えられました。そこで、大会当日の作業手順を事前に作成し、チームメンバー全員で練習を行いました。その結果、練習どおりに競技することができました。
これらの経験からコミュニケーションの重要性を改めて実感することができました。

私たちは修了後それぞれの企業で働きますが、実務ではさらに難易度の高い課題に取り組むことになります。これらの経験を活かして乗り越えていきたいと思います。

 

【大会の様子】


チームメンバー


走行競技


表彰式(ゴールドモデル)


表彰式(総合準優勝)

 

 8月 ETロボコン ラスト1ヶ月の追い込み

9月16日(日曜)開催予定のETロボコン2018関西地区大会に向けて、設計も開発も終盤に近づいてきました。

今年の課題の一つであるAIアンサー(写真右)は、ロボットのセンサーでコース上の数字を読み取り、その数字に応じてブロックを移動させるものです。これは、走行中の自動車のナンバープレートを自動的に読み取り、特定の車両のナンバーと照合する自動車ナンバー自動読取装置(Nシステム)にも利用されている技術です。

昨年まで出場していたプライマリークラス(入門者向け)と比べて、今年出場するアドバンストクラス(上級者向け)の課題は、格段に難しくなっています。しかし、世の中で実際に利用されている技術を学び、それを自分達のシステムに組込み、チームメンバーと試行錯誤を繰り返して精度を上げていく過程は貴重な経験となります。ロボコンを通して、技術者としての成長を期待しています。

 2018ETロボコン設計 2018ETロボコンAIアンサー

また、昨年のETロボコン全国優勝について、今年のETロボコンに出場される株式会社電通テック様より取材を受けました。

平成30年7月23日 株式会社電通テックの公式メディアBAE
http://bae.dentsutec.co.jp/articles/robocon-02/(外部リンク)


IoT時代に乗り遅れるな! ETロボコンへの挑戦(第2回)
優勝チームに聞く「どうすればETロボコンで勝利できる!?」

 7月 組込み総合技術展 見学

携帯電話やデジタルカメラのように、特定用途向けに特化した機能を提供する機器を組込み機器と呼びます。さらに、これらの機器に搭載されて動作するソフトウェアを組込みソフトウェアと呼びます。システム設計科では、この組込みソフトウェアの基礎を学習しています。

この組込み技術についての理解を深めるため、7月5日(木曜)にグランフロント大阪で開催された組込み総合技術展を見学しました。展示会場では、具体的な製品を通して最新技術動向を知ることができました。また、組込み業界に就職した当校の修了生が、組込みエンジニアとして奮闘している様子も知ることができました。

組込み総合技術展 公式サイト
http://www.jasa.or.jp/etwest/(外部リンク)

 6月 ETロボコン アドバンストクラスへの挑戦

9月16日(日曜)開催予定のETロボコン2018関西地区大会にシステム設計科2年生4名が出場します。昨年度は、入門者向けであるプライマリークラスに出場し、関西地区大会3連覇と全国優勝を飾ることができました。今年度は、プライマリークラスの上位クラスにあたるアドバンストクラスへ挑戦します。

プライマリークラスは入門者向けのため、競技内容やコースの難易度が低いクラスです。スピードを競うスプリントレースのように、事前に決まっている競技を速く正確にクリアすることが求められます。

一方、アドバンストクラスは上級者向けのため、競技内容やコースの難易度が高いクラスです。競技の一部は、大会当日に仕様が与えられるため、仕様変更への対応力が求められます。さらに、その仕様に対する正解も複数あるため、与えられた仕様に対して最適な正解をロボットに判断させるAI(人工知能)の基礎技術も必要となります。このアドバンストクラスへの挑戦を通して、プログラミングだけでなく、分析や設計の能力向上も期待しています。

2018ETロボコンコース設置1 2018ETロボコンコース設置2

 5月 スーパーコンピュータ「京(けい)」見学

5月11日(金曜)、理化学研究所計算科学研究センター(兵庫県神戸市)を訪問し、スーパーコンピュータ「京」を見学しました。スーパーコンピュータによって、気象予測や災害予測、薬づくりなどのシミュレーションが行われ、日常生活の様々な問題が解決されてきたことを学びました。さらに、「京」の次世代機である「ポスト京」の設計も進んでいるようです。「京」の100倍の性能によって、様々な問題が解決されていくことになりそうです。見学後は、三宮駅周辺を散策し、訓練生同士の親睦を深めました。

2018スーパーコンピュータ京見学1 2018スーパーコンピュータ京見学2

 4月 新カリキュラム

最近、小学校でプログラミング教育が必修化されるというニュースを耳にします。小学校からプログラミングを学んだ子どもが成人すれば、現在のIT技術者はプログラミングができるだけでは生き残れない時代がやってくることが想像できます。

そこで、システム設計科では、今年度の入校生(平成30年度入校生)から新カリキュラムを適用することにしました。プログラミングだけでなく、より上流の工程である分析や設計を重視したカリキュラムに移行していきます。

従来のカリキュラムでは、C言語、C++言語、PHP、Java言語のプログラミング言語を学習していました。多くのプログラミング言語に対応できるようになるというメリットもありましたが、分析や設計の学習時間が多く取れないデメリットもありました。そこで、新カリキュラムでは、プログラミング言語をJava言語に限定し、分析や設計にかける学習時間を増やすことにしました。

また、二年間のカリキュラムの内、約6割程度は業務を想定したグループ課題としています。グループ課題では、指導員を顧客と想定し、何度も顧客から要望を聞きだしていきます。この要望を元にグループ内で意見を出し合って設計書を記述し、プログラミング言語でソフトウェアを開発していきます。さらに、これらの工程のスケジュール管理も訓練生自身が行います。このように、実際の業務を想定した課題を円滑に進めるためには、コミュニケーション能力が重要になってきます。

お問い合わせ

商工労働観光部京都高等技術専門校

京都市伏見区竹田流池町121-3

ファックス:075-642-4452

kyokgs-k1@pref.kyoto.lg.jp