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株式会社鹿島屋(京都企業紹介)

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濃厚スイーツのような新食感 ― 鹿島屋の「おとうふ」

(掲載日:平成29年6月21日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

 株式会社鹿島屋(外部リンク)(向日市)の中出常務取締役にお話をおうかがいしました。

濃厚プリン!? チーズケーキ!? いや、豆腐です。

―まずは御社の概要から教えてください。

中出) 従業員22名で、豆腐・油揚げなどを製造し、百貨店、スーパー、料亭、ホテル、給食センター等に卸しています。今までは近畿圏を中心に行っておりましたが、現在では全国に拡大中で、ギフト発送も承っています。

―全国展開ですか?! 豆腐ではなかなか難しいですよね。

中出) その話の前に、百聞は一見に如かず。まずは実際にどういうものかを是非味わってみてください。

―んっ、むちゃくちゃおいしいですね!すごくクリーミーで甘いですね。豆腐というよりも、濃厚なプリン、あるいはチーズケーキみたいと言いましょうか、スイーツに近い、新感覚です。これはおいしい!

中出) おかげさまで、この3年間で100万丁達成するなど、お客様より大変好評を頂いております。

無浸漬×脱皮×消泡剤無添加=安心、甘い、新食感

―それはすごい!製法にどういった秘訣があるのですか? 随分古い話になりますが、実は私、学生時代に豆腐屋さんでアルバイトしていたことがあります。ざっくりと言えば、大豆を皮ごと水に漬けておいた後、粉砕して煮沸し、その絞り汁である豆乳ににがりを加えるというのが、一般的な豆腐の製法だと思いますが。

中出) まず1点目は、甘みの秘密として「無浸漬」ということです。すなわち、大豆を水に漬けないので、大豆の成分が溶出することなく、大豆本来の風味を生かすことができます。次に、新食感の秘密として「脱皮」が挙げられます。粉砕後の工程で、大豆の皮を除去し、実の部分のみを使用するため、大豆のえぐみを抑え、なめらかな味に仕上げることができます。

―なるほど。

中出) 3点目としましては、「消泡剤」などの添加物や保存料などは一切使用しておりません。原材料は、大豆とにがりとお水のみなので、お子様からお年寄りまで安心して召し上がっていただけます。

現代の家庭事情にやさしい長い賞味期限

―いいですね。

中出) 弊社は今まで数日しか日持ちのしない商品ばかりを製造していましたが、こちらの商品は「賞味期限14日」を実現しています。これによって、当社は関東や九州など全国に出荷できるのです。

―なるほど。

中出) また、共働きで家族が一緒に食卓を囲めないとか、週に一度のまとめ買いで対応しなきゃとか、家庭の食事情も大きく変化していますから、「個食対応」のパッケージと、長めの賞味期限で、大変好評をいただいているところです。

―そうでしょうねえ、うちも共働きですから、大変よく分かりますよ。しかし、どうしてこのような素晴らしい新商品を開発されるに至ったのですか?

中出) 当社は、もともと私の父である現社長が、1968年に宇治で創業しました。はじめは、製造小売で対面販売をしていましたが、規模の拡大につれて、ちょうど1980年頃に、製造卸へと転換していきました。ところが、2005年頃から地域の垣根がなくなり、県外からも大手メーカーが入り込んできたこともあり、供給過多による価格破壊が進むなど、どこの豆腐屋も非常に厳しい状況になってきました。そんな中で、2013年から、この新商品を開発し展開することとしたのです。

―素晴らしい経営革新ですね。今後の展望はいかがでしょう。

中出) おかげさまで売上も伸び、今は目の前の対応で忙しいのですが、先日も第3回介護食品(スマイルケア食)コンクールにて審査委員長賞をいただいき、今までとは異なる分野で評価してもらえたことは自信にもなりますし、おとうふの価値を皆さまにお伝えするためにも、様々な分野とのコラボレーションも含めて展開していければいいなと思っています。

 

今後の展開が本当に楽しみです!

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商工労働観光部産業振興課

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