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川並鉄工株式会社(京都企業紹介)

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「大きなものこそ細やかに」をモットーに切削加工をさらなる高みへ

(掲載日:令和2年7月1日、聞き手・文:ものづくり振興課 岩橋)

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 令和元年度「知恵の経営」認証企業、川並鉄工株式会社(外部リンク)(京都市南区)の川並代表取締役、大原様にお話をおうかがいしました。

大物切削加工のスペシャリスト集団

-まずは、御社の概要を教えてください。

川並)弊社は、1904年に京都市下京区(河原町松原)にて創業し、金切削加工を主に営む事業者です。現在は、部品加工、デザイン加工(刻鈑®)、摩擦攪拌接合の3つの事業を行っています。

-創業から116年すごいですね。3つの事業の特徴を教えてください。

川並)一つ目の部品加工については、門型五面加工機や立型及び横型マシニングセンタを駆使し、大物金属部品の高精度な切削加工を行っており、主なお客様としては、医療機器、半導体・液晶製造装置、洗浄機、産業機械等の装置メーカーです。長年の信頼と実績から、同業他社からも大物切削加工については弊社に発注いただくこともあります。
 二つ目のデザイン加工(刻鈑®)については、金属製造に使う3次元切削加工技術を応用することで、金属パネルへの画像表現を可能にしたものです。切削の幅や深さで濃淡を表現し、観る角度により光の反射に連動してハイライトが移動するため、モチーフの画像がまるでホログラムのように立体的に浮かび上がり輝きます。従来の金属レリーフとは立体感を出すメカニズムが異なるまったく新しい表現方法で、平成25年に特許も取得しています。刻鈑には写真を元に精緻で迫力のある表現が可能な「アートパネル」と、様々な幾何学模様を施し、組み合わせてもお使いいただける「デザインパネル」があります。金属(アルミ)を素材にしていますので不燃で、建築分野で引き合いが増えています。京都センチュリーホテルや神奈川県鎌倉市のM‘s ark KAMAKURA外壁などで、納品実績があります。

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-そうなんですね。なぜ御社には同業他社からも引き合いがあったり、デザイン加工のような加工ができるのでしょうか。

川並)マシニングセンタなどの工作機械も年々高機能のものが出てきており、切削加工において品質による差別化が難しくなっているのが現状です。しかしながら、私たちは「大きなものこそ細やかに」をモットーに、大判のアルミ板などの原材料を非常に丁寧に取り扱い、非加工面についても全面金属シールで覆い加工することで、傷ができないようにしております。また、ワークの共振を原因として切削面にビビリ模様が現れないように工作機械への取付時に冶具を工夫しています。それらが功を奏しているのか、納品先で他の加工品を見る機会がある際に、手前味噌ながら自社の仕上がり面は美しいと思うことが多いです。

大原)私は営業ですので、他の加工品を見る機会がありますが、確かに私たちが加工したものは綺麗だなと感じることが多いです。かえって過剰品質だと言われることもあるくらいですが、その品質の高さによりお仕事をいただくことも多いです。

-素晴らしいですね。御社ではなぜそのようなアイデアが生まれてくるのでしょうか。

川並)今回のコロナ禍もそうですが、リーマンショックや豪雨災害など社会情勢は突如激変します。そのような状況下で職人を単に育てるだけではダメだと思っておりまして、プラスアルファがいると常々考えています。そのため、従業員が興味を持っていることについて、社外研修を会社負担で行っています。分野や可能性を広げるために社外研修で幅広く学んできたものを毎月の社内勉強会に還元してもらい、それぞれのテーマについて議論を行うことで、切削加工以外の分野についても従業員が知見を広げられる機会を提供しています。また、教養を深める、様々な視点で物事を視るということを目的に、社長の私から課題図書として年間3~5冊ほど本を提供し、私が読んだ際の感想とは異なる意見をもらうようにしています。こうしたことが回りまわって、社長の私に対しても意見が言いやすく活発な議論が生まれやすい、他分野からの応用ができる、様々な角度から物事を検討できるといったことにつながり、アイデアが生まれやすいのではと思います。

一つの事業がものになりそうなときこそ、新たな次の一手を検討

-素晴らしいですね。

川並)三つ目の摩擦攪拌接合については、国の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)を活用して研究し、基礎的技術を習得しました。摩擦攪拌接合は、円柱状の接合ツールを回転させて発生する摩擦熱で被接合材料を軟化させ、その部分を攪拌することで接合するものです。材料以外の素材を用いないため疲労強度が高く、材料自体が溶融しないことから変形(歪み)の少ない接合が可能です。弊社では、高価な摩擦攪拌接合の専用設備を活用することなく、マシニングセンタに装着可能な専用の接合ツールを開発し、従来の溶接ではできなかった薄板のアルミニウム合金や銅の接合に成功しました。これはデザイン加工事業がものになりそうな時に取り組んだもので、一つの事業がものになろうとしている時こそ次の手を打つタイミングとして着手しました。苦しくなってからでは遅い、自社の強みを活かして、いかにこの変化の激しい時代に対応していくのかということが、今後、あらゆる会社が生き残っていくための課題だと思います。

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従業員の研修の一環として「知恵の経営」に着手

-おっしゃるとおりですね。「知恵の経営」にも取り組んでいただきましたが、社長ではなく従業員の大原さんが取り組まれました。

大原)社外研修の一環として取り組みました。普段、営業の仕事はリピーターとのやり取りと新規顧客へのアプローチはどうしても待ちの営業になってしまっていました。営業の立場で現場の力を掛け算的に発信できる方法として、何か検討できないかと取り組みました。実際に取り組んでみて会社について新しい発見もあり、それを社内勉強会で共有することで全員の愛社精神が高まったと思いますし、会社を深く知ることで切り口を変えて新規開拓に向けて能動的に動けるようになり、一皮むけたように感じています。

-いいですね。最後に今後の事業展開について教えてください。

川並)部品加工は弊社の技術のベースであることから、安定した部品加工の受注をすることで技術力を高めつつ、大手設計事務所などにより積極的にアプローチし、デザイン加工の事業比率を高めるとともに、摩擦攪拌接合を第三の事業の柱に成長させていきたいと考えています。

-今後の展開が楽しみですね!

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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