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株式会社センスタイムジャパン(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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第1回AI・人工知能EXPO出展

(掲載日:平成29年6月30日 ものづくり振興課)

第1回AI・人工知能EXPOご出展の様子!

京都からディープラーニングで日本産業を元気に

(掲載日:平成29年2月2日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

株式会社センスタイムジャパン(京都市中京区)の勞代表取締役CEO様と上野山CTO様にお話をおうかがいしました。

京都から日本にディープラーニングを

―まず、御社の概要から教えてください。

勞) ディープラーニング、特に画像認識の分野で世界をリードしてきた香港中文大学のメンバーが立ち上げた、中文大学発ベンチャー企業の日本法人として、2016年1月に立ち上げました。中国法人は2年間でのうちに今や500名規模になりました。京都の日本法人は10名です。ディープラーニングは日本でも盛り上がってきましたが、海外が少し先行していますので、日本には大きなビジネスチャンスがあると考えています。

―海外が先行している背景とは?

勞) 様々ありましょうが、例えば、中国では数年前に消費者金融が解禁になりましたが、みんなスマートフォンを使ってお金を借りています。そこには、顔認証サービスが必要なわけですね。あるいは、安心安全の社会インフラとして監視カメラが至る所に設置されるようになり、監視カメラの数も驚異的に伸びましたね。そこには、ビデオ分析サービスなども必要なわけです。

―なるほど。日本の中で京都を選ばれた理由は何でしょう。

勞) 千年の歴史がある京都には物事を極める風土があります。京都は茶道、華道、京料理など日本を代表する文化の都であると同時に、ハイテクの世界的な企業が多く生まれ育っているのはこの極める風土に関係があるに違いないと私は思っております。この地で、人工知能の技術を極めたいというのは私の夢です。人工知能の開発には、日本人の職人気質が重要な役割を果たすと考えております。

―それはありがたい。どういう仕事が多いのですか?

勞) 画像認識を始めとするディープラーニングを使った様々なシステムに関して、国内の様々な企業のかたに対してご提案や連携しながらの開発を進めております。自動車産業で言えば、自動運転技術やドライバーの状態認識、FA分野で言えば、人の代わりに作業を行ってくれるロボット、その自律走行、あるいは物流ピックアップなど多岐に渡ります。

お気に入りファッションを探す「fai(fashion meets ai)」、顔に落書きできる「SNOW」

―幅広いですね。

上野山) 自社サービスもございます。例えば「fai(fashion meets ai)」は、例えば自分がほしいファッションを見かけたら、その写真を撮ってアップロードします。すると、インターネット上の、それに類似したファッション、例えば黄色い花柄のミニスカートを検出するものなのです。既存の技術では不可能だったファッションの識別、服装の分類やスタイルの認識を、ディープラーニングにより行うものですね。類似するファッションの検索や、コーディネートアドバイスなどへの活用が想定されます。

―すごい。

上野山) また、他社に提供しているものとしては、スマホアプリ「SNOW」に顔認識エンジンを提供しています。このアプリは写真や動画の顔に様々なアイテム、例えば眼鏡などを自動で重ねていけるものです。2人が写真や動画に写っていたら、その2人の顔を自動で入れ替えることもできます。

世界で初めて画像認識にディープラーニングを導入

―あはは(笑)。これ、おもしろいですね!さて、こうした開発ができる御社の強みはどういったところでしょうか?

勞) 香港の親会社の強みとなるわけでが、まず1つは、アルゴリズムの設計の仕方に長けており、日々進化させているということです。冒頭で申しましたとおり、画像認識の分野で世界をリードしてきたメンバーが中心となっています。コンピュータにおける画像認識に関する論文数も世界トップレベルですし、2011年には世界で最初に、画像認識にディープラーニングを導入したメンバーです。

―すごいですね。

勞) ディープラーニングでは、モノだろうが、動物だろうが、動いて姿勢が変化したものでも認識できるのが素晴らしいところですね。2014年には、人間による認識よりも、ディープラーニングによる顔認識の性能の方が上回りました。こうした分野で先行してきたことから、中国には優秀な人材が豊富なのです。

ビッグデータを持っている!

―なるほど。

勞) 2つ目として、ビッグデータを保有しているというころです。中国ではデジタルの全員身分証明書を持っており、それが社会インフラとして産業利用されているのです。先ほどの消費者金融の顔認識もそうですね。そして3つ目としては、こうした大量のデータを処理することができるハイパワーのインフラを自前で持っているということです。

―最後に、今後の展望はいかがでしょうか。

勞) 京都からディープラーニングで日本の産業を支えていきたいのです。かつて日本のものづくりは世界屈指の強さを誇りました。そうした日本をもう一度取り戻すお手伝いを、私どもが担えればと思っています。

 

同社のこれからの活躍が大変楽しみです!

 

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