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株式会社クロスエフェクト (京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

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軟質心臓モデル(株式会社クロスエフェクト

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(掲載日 平成28年2月9日)

 株式会社クロスエフェクトの竹田社長と営業グループの石田様にお話をおうかがいしました。(チャレンジ・バイ企業)

“世界最速”の光造形と真空注型を組み合せ、硬いものから柔らかいものまで高速試作!

-まずは、御社の「光造形」「真空注型」の技術について教えてください。

竹田) 「光造形」は、いわゆる3Dプリンタ技術の一つですが、航空宇宙、自動車、建築、玩具や医療分野など幅広い分野の試作に用いられる「プロ仕様」の技術です。複雑な形状であればあるほど威力を発揮し、切削加工等と比べると大幅な時間短縮、コストカットが可能です。最短でデータinから24時間以内に製品を発送することが可能です。

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-すごいですね!

竹田) ただし、使用する樹脂の主成分はエポキシ系で他の素材は選べず、仕上がりが固いものとなります。そこで「真空注型」を組み合わせることで、それを補います。光造形で作ったものからシリコン等で型をとり、型を半分に割って内部を取り出し、その型内の空気を抜き取って真空状態を作り素材を流し込みます。こちらは幅広い樹脂バリエーションを選ぶことができ、柔らかさも実現できます。こちらは最短でデータinから中2日以内に製品を発送することが可能です。

世界初- 内腔も完璧に再現した軟質心臓モデル

-これらの技術の発展形が軟質心臓モデルですね?

竹田) はい。CTデータからの正確な情報により作成され、軟質素材かつ内腔表現しているオンリーワン製品で、切る・縫う・曲げる・捻じる等の動きが可能となっており、複雑な心臓内部構造の理解に寄与するものとなっています。

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-軟質心臓モデルプロジェクトのきっかけは?

竹田) 国立循環器病研究センター小児循環器部の白石公部長から相談があったのです。赤ん坊の100人に1人が先天性小児心疾患を患っています。その手術は人工心肺装置を使用して行うため、手術時間は90分程度に制限されていると言います。しかし、いざ切開してみると、異形になり過ぎていて、1回の手術では終えることができないというケースも多く発生しているなど、医師の悲痛な現状があります。

-開発は順調でしたか?

竹田) いえいえ。技術的に困難な上に、開発資金の問題もあり最初は断ろうと思いました。しかし、人の命を救うという意義を前に、自分たちの使命は何だと問い直しお引き受けすることにしたのです。いざ開発を始めると、先生からは専門用語で問いかけられ、分からなければ「勉強が足らん」とご指導いただく毎日でした(笑)。ところが、意義ある事業をしていると、応援してくれる人たちも現れるものですね。経産省や京都府に補助金やサポート、多くの励ましをいただくことでき、プロジェクトは実現できました。

-販売については?

石田) 医師や大学の研究者におかれては、十分な予算をお持ちでないことも多く、術前シミュレーションという先進的な取り組みを広めていくのは簡単ではありません。そんな中で、京都府のチャレンジ・バイ認定に基づく購入促進助成は、開発者の私どもにとっても、医師や研究者にとって大変ありがたいものでした。

これまでも無理難題を解決してきた。今後もフロントランナーであり続ける

-そういう素晴らしい技術を生み出すことができたのは何故ですか?

竹田) 従前から様々な無理難題を解決してくる中で、すごい技術力を身に付けてきたからだと思います。

-今後、競合他社が技術を真似ることもありえますよね?

竹田) 世界初の技術ですらやがては陳腐化します。私どもは参入障壁を築こうという発想はなく、世界市場を作っていくために、むしろどんどんこの分野に参入をしてほしいと思っています。一緒に軟質心臓モデルを作ってくれるメンバー、強者連合を募っています。その中でもフロントランナーであり続けるつもりですし、その自信を持っています。

時間・コストから売上まで把握する「C-MAXシステム」

-御社の特長である「スピード」を支える工夫について少しご紹介ください。

竹田) 「C-MAX(Cost MAnagement of Xeffect)」システムという独自のシステムを構築しています。当社内では全ての作業を作業指示書に従って行っていますが、全従業員に配付してあるスマートフォンで、これから行う作業を選択し、スタートボタンを押します。そして作業が終了したら「終了」ボタンを押します。すると、瞬時に今行った作業の原価計算がされるとともに、予め入力してある資材費、建物・設備の減価償却費等を含め、利益が出たかどうかが全て分かるのです。私どもは、1秒単位で減価償却費がいくらかも把握しています。

-どういう効果をねらってらっしゃるのですか?

竹田) 単に速く作るだけでなく、どのくらい速く作ったらいくら儲かるのか、営業(見積もり)においても、このくらいの値段設定であれば儲かるのかとか、そういったことの肌感覚を身に付けてほしいです。経営感覚と言っても良いと思います。時間を意識して納期が早まったり、見積金額においても大外しすることがなくなったりとか、効果は出ております。

京都試作ネットとともに

-竹田社長は京都試作ネットの3代目代表理事も務めてらっしゃるなど多方面で活躍されてらっしゃいますが、そもそもの起業のきっかけは何ですか?

竹田) 父が町工場を経営しておりましたので、中学生くらいの頃から起業を意識していました。大学卒業後、アメリカで4年間経営を学んで帰国した後、マンションの一室にパソコンを置いて、2次元データから3次元モデリングサービスを提供する事業を始めました。その1か月後くらいに新聞広告で、京都試作ネットなるものを作った旨の記載があり、その主宰者である株式会社最上インクスに飛び込み営業をしたのです。同社の鈴木現相談役が飛び込みでやってきた若造に何時間も想いを述べられた後、私と同い年の同社現社長を紹介し、二人でPドラッガーを学べとおっしゃりました。これが私と京都試作ネットとの出会いです。

-光造形に取り組まれたきっかけは?

竹田) サービスだけでなく「ものを作れ」との、父のアドバイスです。中古機の造型機を買って取り組みました。その造型機は、中身は最新機に変更していますが、今でも残っています。その父が亡くなった際に落ち込む私を見て、京都試作ネットの先輩たちは、厳しく、そして温かく、励まし、指導してくださいました。今の私があるのは諸先輩方のおかげです。

クロスのデザイン、そして術前シミュレーションの標準化、臓器モデルへ-

-最後に、これからの展望について教えてください。

竹田) DESIGN & MEDICALです。まず、DESIGNは、単なる試作加工の受注から、企画・設計などの上流工程から一括して対応する「開発試作」を意図しますが、mechanical designだけでなく、意匠デザイン、すなわち、surface designも含む「感性のものづくり」を目指します。感性は無限の価値を生み出します。最近は「クロスのデザインがいい」とおっしゃっていただけるようになってきました。

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-MEDICALは?

竹田) まず、私どもが培ってきた軟質心臓モデルを作る技術を活かし、実際の臓器モデルを作っていくことです。最初はその一部分からのスタートになるでしょうけれど、最近は様々な生分解性樹脂が登場していますので、研究を進めています。もう一つは、「術前シミュレーション」を世界的にルール化、標準化することで、世界中の医師、ひいては患者を助ける、そんなことが実現できればと願っているところです。

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壮大な夢に向かって突き進んでらっしゃる同社の今後がますます楽しみです。

 

お問い合わせ

商工労働観光部ものづくり振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

電話番号:075-414-5103

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp

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