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平成27年度第2回京都府公共事業評価に係る第三者委員会の概要について

平成27年8月3日
京都府建設交通部
指導検査課
075-414-5225

平成27年6月9日に開催された平成27年度第2回京都府公共事業評価に係る第三者委員会の概要は以下のとおりでしたのでお知らせします。

日時

平成27年6月9日(火曜日)午後1時から午後2時30分まで

場所

京都ガーデンパレス「鞍馬」

出席者

  • 京都府公共事業評価に係る第三者委員会委員
    小林潔司委員長、関根英爾委員、深町加津枝委員、水原有香子委員、村上章委員
  • 環境保全専門家会議
    村上興正座長
  • 京都府
    文化スポーツ部部長、副部長、理事、担当課長ほか
    建設交通部部長、技監(土木担当)、理事、担当課長ほか

議事内容

対象事業

京都スタジアム(仮称)整備事業

  • 評価種別事:前評価
  • 事業種別:公園施設
  • 事業主体:京都府
  • 施工箇所:亀岡市

結果

  • 今年度の実証実験結果が出され、環境保全専門家会議による影響の評価が行われた後に、再評価を行うものとし、今回、スタジアムの事業がスタートすることは認めるが、本体の工事着手については、次回の再評価委員会まで行わないこと。

傍聴者

18名

(参考)委員会での主な意見

(委員)知事の定例記者会見において、アユモドキは亀岡市や市民、京都府が守ってきたもので、環境省などが守ってきたものではないとの発言があったが、私がイメージしていたものと違う印象を受けた。
アユモドキの現状や今後の保全、環境保全専門家会議について、知事との情報共有の状況は。

[京都府]アユモドキが環境省、文化庁、府や亀岡市、関係の方が協力し保全活動を行うことで維持されている現状や、今後、地元、関係機関と協力し積極的に保全を実現していくこと、環境保全専門家会議の状況も報告を逐一行い、情報共有を図っている。

(委員)第三者委員会は技術審査をするところではないとのことですが、治水対策や地下水保全対策、基礎構造に関する技術的な検討について、専門家に承認や確認をされるべきではないか。

[京都府]検討はコンサルタントに委託して行っており、内容は府で十分チェックを行っている。環境保全専門家会議においても、各分野の専門の委員がおられ、説明し意見を伺っている。

[京都府]治水対策については、河川を管理する建設交通部でも確認している。

(委員)スタジアム建設について地元の思いも大事だが、この委員会は、環境、治水、経済など様々な観点から判断する場である。アユモドキ等の自然にどれだけの影響があるか判断できないのが現状であり、そのような状況で事業評価はできないと思う。
スタジアムの建設で万が一アユモドキが絶滅したり、環境が非常に悪化した場合、府でどのような責任の取り方を考えているのか。この場の説明は今後の事前評価に向けた説明として聴くこととする。

[京都府]環境保全専門家会議の委員やその他の専門家の方々の意見をお聴きしながら、生息環境改善を行っていく必要があると考えている。
環境保全専門家会議の意見をお聴きしながら進む手順を踏めば、危ない方向にいかないと考えている。環境保全専門家会議で、立ち止まる必要があると意見が出れば、立ち止まる考えである。

(委員)アユモドキ等の保全とスタジアムの建設は別問題。スタジアムを造らないとアユモドキが守れないという論理はおかしい。スタジアムの建設によりアユモドキが保全されるといった誤解を招くような説明を行うべきではない。地元の保全活動だけではなく、アユモドキの生息する生態系がどうあるべきかという点も考えないといけない。

(委員)2年間の環境保全専門家会議で、アユモドキの評価に関わる科学的データが揃っていない事情は何か。

(環境保全専門家会議座長)一般的な生態も含め、新たに分かったことも多い。環境保全専門家会議の委員がアユモドキの稚魚後期の糞を回収し、その中の水生昆虫を調べた。プランクトンだけではなく、水路の底生動物が非常に重要との新しい知見が得られたが、稚魚前期の糞分析を今年度行う必要がある。
やるべき調査や課題は山ほどある。今後とも、多くの調査をハードスケジュールで実施していかなければならず、実証実験1回の知見で判断できないかもしれないが、推測するより実証することが必要。

(委員)今後の実証実験について、時期、内容、期間、調査主体、委託手法はどのようなものか。

(環境保全専門家会議座長)アユモドキにとって、どれくらい水田面積が必要なのか分かっておらず、今年度亀岡市が実証実験を行う。アユモドキが利用している水路とその周辺の水田は全部残し、西側の水田から来るプランクトンがどのように水路を流れているのか。アユモドキにとって、どの程度の水田面積が必要なのかなどを調べる。
府と市の協同事業であるが、連携がうまくいっていない部分もある。評価調書では京都府のスタジアム本体事業に関する部分のみとしているが、不十分である。評価調書には、広域的な生息環境改善対策も書いており、予算措置や府市連携など、もう少し全体的な取組が必要と考えている。

(委員)スタジアム建設については、道路問題、治水問題、経済効果、アユモドキの問題などがあるが、アユモドキに関しては、環境専門家会議の検討結果は尊重したい。その中で、アユモドキ等について不確定事項が多く、事業評価委員会としては、慎重にならざるをえない。
アユモドキ等の保全については、府は野生生物の保全条例を制定し、「アユモドキ保全回復計画」を策定し、先進的に取り組んでいるが、計画はできているが実施の姿がよく見えない。
地元活動の後方支援にとどまっている印象が強い。自ら条例をつくり、保全回復事業計画を立てているのであれば、府は積極的に主導的に取り組むべき。これまでの取組を十分検証するとともに、府は積極的に自らの責務として保全の取組を進められたい。長期的にはアユモドキ保全の拠点施設を設ける必要性があるのではないかと考える。

(委員長)環境保全専門家会議の方でデザインビルドの方式を最終的には了承されているが、なぜ、デザインビルトなのか。デザインビルドを採用するメリットは。また、デメリットは何か。

[京都府]実施設計と工事、それぞれの段階で環境保全専門家会議の評価の結果を反映し、環境保全を図りながら進めることとしていることから、デザインビルド方式がよいと考えている。
デメリットとして、環境保全を図りながら進めることから、受注者の技術的ノウハウを反映しきれないものがでてくる可能性があると考えている。

(委員)環境影響評価の結果によって、設計の見直しやスタジアム本体施設の位置の見直しもあり得るということであるが、仮に事前評価を行った後に、設計の見直し等を行う場合の事業評価の手続きはどうなるのか。通常、再評価は5年毎であるが、そのための事業評価は改めて必要なのか。

[京都府]再評価は通常5年となっているが、必要と認める場合は随時行う規定がある。委員会の判断が出れば対応する。

(委員)事前評価を行った年度内に再評価もあり得るということになるが、そうであれば、環境影響評価をやってから、何故事前評価をしないのかとの意見に対しての説明はどうなるのか。

[京都府]6月議会に実施設計費と建設費予算の両方をあげ、入札手続きに入っていき、実験結果を受けて影響の評価が出る段階で契約したいと考えている。そのためには、今の時点で事前評価を行うことが必要となる。また、スケジュールにもあるように広域的な生息環境改善対策を同時並行的に、積極的に推進していきたいと考えている。
環境保全専門家会議で環境影響の評価をした後に、再評価をしていただけるのであれば大変ありがたい。

(環境保全専門家会議座長)評価調書のスケジュールに記載されている広域的な取組について、現在は素案とされているが、しっかり実施されると保証されなければならない。実現していく努力をしましょうとしている。

(委員長)本委員会は、原則的には、5年に1回、事業の妥当性、経済性を総合的に判断するのが目的で、また、意思決定機関ではなく、専門的な見地、市民的な目線、いろいろな角度から意見を申しのべるのが委員会の使命である。
とはいえ、評価調書のスケジュールに記載されている計画案やロードマップが実施されていく道筋をつけることは重要であるとのお話があった。
環境専門家会議の方で、具体的な結論を出される度に、その都度、本委員会でも環境専門家会議での結果を踏まえながら一歩一歩段階的に進めていくやり方がいいと考える。
意見のとおり、実証実験の結果を見ないと判断できないことが沢山あり、実証実験が終わり、環境保全専門家会議による影響の評価が行われた段階で改めて第三者委員会を開催する方がよいと思う。
事業評価としては、事業はスタートするが、次回の第三者評価委員会までは本体工事には進めない、行わないということをもって、その結果の報告を受けたい。
亀岡市と府の連携の問題や懸念事項について、次回の第三者評価委員会までに払拭できるような情報をそろえていただきたい。治水、地下水の問題について、専門的な情報も揃った段階で示していただきたい。
今回の委員会は、実質的には、委員からの発言にあったように、次回の事業評価委員会のための準備を決めた、ということになると思いますし、一つのとりまとめの仕方ではないかと思う。

(委員)治水対策について、専門家を臨時委員に加えることはできないか。

[京都府]この委員会か、または委託を受けた他の委員会でやるかも含めて検討する。

(委員)スタジアムの建設を期待しているが、急ぐあまり規模が小さくならないようにしてもらいたい。現在、アユモドキの産卵場所が一箇所しかなく脆弱なため、昔生息していた箇所などから、もう一箇所生息箇所を確保したほうがよい。

(委員長)次回、再評価を行う第三者委員会で事業の継続性を議論するため、今の段階で、工事には入らないが事業はスタートさせ、本体工事の着手は次回、審議させていただくという確認をとらせていただきたい。そういう形で進めて行かざるを得ないということを、委員会の合意とさせていただきたいがよろしいですね。

(委員)万が一、いろいろな検討をした結果、今の予定地の範囲の中では、スタジアムにとっても、アユモドキ等の自然にとっても、どちらもうまくいかないとの結論、評価が出ることもあり得る。その場合、どういうことになるのか。

[京都府]環境保全専門家会議の委員の方々には色々なご苦労も頂きながら、調査を行っており、その意見については、真摯に応えていくものと考えている。

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