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令和元年度第1回京都府公共事業評価に係る第三者委員会の概要について

令和元年12月23日
京都府建設交通部
指導検査課
075-414-5225

令和元年11月18日に開催された令和元年度第1回京都府公共事業評価に係る第三者委員会の概要は以下のとおりでしたのでお知らせします。

日時

令和元年11月18日(月曜日)午前9時30分から午前11時15分まで

場所

京都平安ホテル「平安の間」

出席者

  • 京都府公共事業評価に係る第三者委員会

多々納裕一委員長、岸田潔委員、黒木さやか委員、黒坂則子委員、関根英爾委員、深町加津枝委員

  • 京都府

建設交通部部長、技監、理事、課長ほか

議事内容

対象事業と結果

国道429号(榎峠バイパス)道路整備事業

  • 評価種別:事前評価
  • 施工箇所:福知山市
  • 結果

兵庫県側の事業評価に関して質問があり、両府県が評価結果を踏まえ、調整の上、事業化を決定する旨説明。

トンネル工事は、一般に事業費が着手後増加する傾向にある。安全性と経済性に十分配慮しながら、早期の完成を目指して努力されたいとの意見があった。
自然環境、地域の景観に配慮して進めるべきとの意見があった。

国道178号(木津道路)道路整備事業【再評価】

  • 評価種別:再評価

  • 施工箇所:京丹後市
  • 結果

山陰海岸国立公園及び山陰海岸ジオパークの範囲内で実施する事業であることから、地域の景観に考慮して、事業を実施するよう意見があった。

国道178号(蒲入バイパス)道路整備事業【事後評価】

  • 評価種別:事後評価
  • 施行箇所:伊根町
  • 結果

本事業で得られた知見を、他の事業の計画や施工方法等に活かしてもらいたいとの意見があった。

傍聴者

  • 5名

(参考)委員会での主な意見

国道429号(榎峠バイパス)道路整備事業

(委員)
絶滅危惧種とは具体的に何か。
[京都府]
○○○○です。
(委員)
案3の方が遠いので配慮する面では良いのではないか。
[京都府]
案1でも十分に離れており、影響はないと考えております。
(委員)
将来の計画交通量は3,000台となっているが、現況の交通量は何台なのか。
[京都府]
現道はつづら折れの道であり、165台です。
(委員)
交通量が増えることになるが、騒音、振動の問題は起きないか。
[京都府]
3,000台程度では、周辺への騒音、振動の問題は発生しないと考えております。
(委員)
事業区間は兵庫県と延長が等分されている。丹波市から福知山市へ行く利用の方が多いと思われるが、どちら側から強く要望されているのか。
[京都府]
丹波市、福知山市が入っている改修促進合同協議会から要望されている。福知山側からも災害時の利用などの理由で要望されている。
(委員)
事業化の段階は、兵庫県も京都府も同じなのか。
[京都府]
兵庫県と同じタイミングで進めています。
具体的には、兵庫県では10月3日に審議してもらっています。両府県の審議会で了解を得たうえで、事業化されます。
(委員長)
兵庫県は、10月3日の審議会で審議が終了しているが、両府県の審査を踏まえ、意思決定していくということですね。
(委員)
府内で唯一の未事業化区間と説明にあったが、京都府内でここだけなのか。
[京都府]
国道429号の京都府域ではここだけという趣旨です。京都府内では他にも残っております。
(委員)
案3は整備済み区間を活用できないので、そもそも候補案にはならないのではないか。ルートはもう少し前の段階から考えるべきだと感じた。
トンネル事業は総事業費が増える傾向にある。早く整備を進めると事業費は安く抑えられるが、急ぐと安全性が疎かになる懸念がある。安全性を十分確保したうえで早く進めてもらいたい。
[京都府]
トンネルの掘削にはNATM工法を採用しております。
施工の際には細心の注意をもって進めてまいります。
(委員長)
原案どおり新規着手が適切である。

国道178号(木津道路)道路整備事業

(委員長)
前回の委員会と今回の委員会で、費用と便益が変わっている理由は。
[京都府]
B/Cの算出にあたり、費用と便益は、現在価値に換算して算出します。現在価値の算出では、過去に投資したものは高くなり、将来投資する金額は低くなることから、評価時点の違いによって、費用と便益が変わります。
また、便益の大きな要素となる将来交通量も評価時点により異なります。予測交通量は、前回と変わらず、4,300台となっていますが、丹後半島全域での交通量が減少する予測となっていることから、便益が下がっています。
(委員)
予測交通量は4,300台で、変わらないのか。
[京都府]
本事業地点における予測交通量は変わりません。ただし、便益の算出にあたっては、ネットワーク全体の交通量を考慮することとなり、周辺の交通量が減ってしまうために、便益が減少しております。
(委員長)
前回はH17年の交通センサスデータから、交通量を予測しているのか。
[京都府]
前回はH17年の交通センサスデータから予測しており、今回はH22年の交通センサスデータから予測しております。
(委員長)
あくまで、評価時点の違いにより費用や便益が変わったということか。
[京都府]
そのとおりでございます。費用については、実質的には変わっておりません。あくまで、評価時点の違いによるものです。
(委員長)
便益も評価時点による変更のみで、実質変わっていない、ということか。
[京都府]
そのとおりでございます。評価時点による変更のみです。
(委員)
再評価は5年ごとか。
[京都府]
事業中の案件につきましては、5年ごととなります。
(委員)
事業費はH15年からのもので、休止中も含まれるか。
[京都府]
休止が4年ほどございますが、含んでおります。
(委員長)
便益の変化としては、交通量変化分が大多数を占めると思うが、比率はどれくらいか。
[京都府]
便益は、時間短縮効果や交通事故削減効果などから算出しています、9割程度が交通量に依存する時間短縮効果と考えております。
(委員長)
評価時点が変わっても、何も変わらなければ、費用と便益の比率は保たれるので、B/Cは変わらないという認識であるが、今回B/Cが減少したのは、予測交通量が減少したことが主要な理由と考えてよいか。
[京都府]
そのとおりでございます。
(委員)
絶滅危惧種の生息が見つかったために、それを避けるようなルート設定を行ったということであるが、ルート選定にあたってどのような範囲を調査されたのか。1種の動植物だけを気にして、ルート選定したということか。
また、環の公共事業ガイドラインの中で、景観配慮の記述がある。事業地は、畑や果樹園がある地域と思われるが、景観についてどのように考えているか。
[京都府]
調査については、まず、文献調査を行っております。例えば、海辺につきましてはクロマツが確認されております。その後、現地調査を行いまして、特徴的な植物としては、いくつかの植物や昆虫が文献に記載されておりましたが、クロマツの林の中に絶滅危惧種が見つかったことから、それを避ける形でルート選定を行っております。
都市景観を形成しているのは、旅館などもある現道部分でございます。今回の事業については、現道部の景観保持のため、現道部の拡幅を行うのではなく、バイパス整備を行うことといたしました。
(委員)
絶滅危惧種を避けるようなルート設定を行ったということであるが、どのような広さの範囲を調査したか。例えば、浜辺や森林を調査することで、湿地性の植物が発見されることなどがあると思うので、どれくらいの範囲で調査をした結果、1種類の絶滅危惧種のみを考慮する、という結論を得たのかを確認したかった。
都市景観については、現道部の景観を守るためバイパスルートを選定したとのことであるが、バイパス部分についても都市景観を考えるべきではないか。田畑であるから景観に配慮しなくてもよいということではなく、その地域の景観に配慮するために、どのようことを考えたかということが大切ではないか。
[京都府]
環の公共事業ガイドラインについては、現道部の景観を守るため、違う部分にバイパスルートを選定いたしました。ご指摘のとおり、田畑であれば景観配慮をしなくてよい、ということではありませんので、次回以降よく考えるべき内容であると考えます。
(委員長)
環の公共事業ガイドラインについては、現道部の景観を保持するため、という記載となっているが、バイパス部においても景観配慮を行っていくことを考えてもよいのではないか。
[京都府]
ご指摘のとおり、田畑であれば、景観配慮しなくてもよいとは全く考えておりません。今回の事業は、バイパス部のほとんどが平たんな地区であり、切土や盛土を最小限とすることで、工事による改変が最小限となるよう計画しております。工事区間に法面もないことから、植生への配慮も少ないという認識であります。
(委員)
評価シートの目指すべき環境像で記載のとおり、「山陰海岸国立公園」と「山陰海岸ジオパーク」の2つの配慮すべき区域にあり、大きな改変がないから配慮しなくてよいということではなく、その地域の特性を踏まえて考えていくべきではないか。また、配慮する方法がないから、工事による大きな改変がないから、という理由で不要となれば、環の公共事業ガイドラインの取り組みをすることの重みが小さくなってしまう。環の公共事業ガイドラインは、目指すべき環境像を考えるものである。地域の中で行う公共事業について、どう進めるべきかということが大事だと考えている。そういう意味で、国定公園などが近くにある地域で、配慮すべきことが何もないということは、少し疑問を感じる。
[京都府]
ご指摘のとおり、目指すべき環境像が記載されているものでありますから、現地の施工や設計について、もう少し配慮できることがないのか検討しまして、修正させていただきたいと思います。
[京都府]
バイパスの計画にあたっては、現道とバイパスの両方の視点からの検討が必要かと思います。今後もこういった案件はあると思いますので、次回以降、特に気を付けたいと思います。
(委員)
地域の景観に対する配慮については、いつも言及しているが何も変わっていないと思う。バイパスを計画することで、地域の生活道路が改善されれば、バイパスの整備と合わせて現道部もしっかり整備しなければならない。しかし、整備されていない現道が多いように思う。都市景観の形成や地域の個性に道路は非常に大切であるので、景観についてはきちんと考えてもらいたい。毎回言及しているので、そのあたりはしっかり検討いただきたい。
バイパスが整備されれば、通過交通がバイパスに流れるかと思うが、現道部はどうするのか。通学する子どもの安全確保が、バイパス整備の大きな理由と思うが、その後、現道部は安全のために整備されているのか。それとも市町村道路となることから、関与されないのか。バイパス整備と一体となって、現道をしっかり整備することが望ましいと思うが、いかがか。
[京都府]
バイパスが整備されれば、特に大型車の交通がバイパスに流れますので、現道部が改善されることになると考えますが、現道部の安全はさらに確保されるのか、というご主旨かと思います。
今後、現道部は京丹後市へ引き渡すこととなりますが、最終的にどういった整備を行って引き渡すのかは、京丹後市と協議して、決めてまいりたいと考えております。
[京都府]
景観については、かねてからご指摘されているところであります。KTR(北近畿タンゴ鉄道)に沿ったような形でルート選定を行っておりまして、なるべく地域への影響が小さくなるよう選定は行っているところであります。
現道の景観については、もともと国道178号は、丹後半島を周回する道路で、観光バスが城崎方面へ向かうのに通過しており、そうした交通はバイパス部へ流れることになると考えています。
現道部は、温泉街に向かう自動車が通る道路となり、また、生活道路となってくるので、景観や安全に配慮した道路にしていく必要がございます。ただ、景観については、最終的には京丹後市がどういう道路にしたいか、どういう街づくりをしたいか、ということが大切でございます。現道を引き渡すにあたって、景観を良くした状態で引き渡すのではなく、京丹後市が温泉地にふさわしい道路とするためさらなる事業を実施していくかどうかは、京丹後市が判断して実施されるべきと考えています。
極端にいえば、安全のために現道部の車道を1車線として歩道を広げる対策などを実施した上で引き渡すことができるかもしれないが、景観と安全は分けて考えないといけない、と考えております。
景観への配慮は、安全が確保できた状態で満足しているところがありまして、検討が不足している傾向がございますので、都市計画的な部分をもう少し検討し、評価シートを追記・修正したいと考えます。
(委員長)
回答のありましたとおり、本来、京都府の事業の後に、京丹後市さんが考えるべき景観対策の内容について、京都府側が言及するのは難しいという側面もあるようです。ただ、安全対策については、京丹後市と協議の上、引渡しの前にできることもあるだろう、ということのようです。
いくつかご指摘がございました。特に、景観や都市計画的な部分、現道とバイパス部の関係については配慮いただいた方がよいかと思います。
事業自体の継続については、異論はないかと思われますので、景観への配慮をしっかり検討いただいて、事業を継続いただければと思います。

 

国道178号(蒲入バイパス)道路整備事業

(委員)
旧道の生活道路としての維持管理や、緊急時の対応はどのように考えているのか。
[京都府]
漁港周辺に大きな集落があり人口が集中している。
旧道についてはもっぱら山の管理等に利用されると想定しています。
(委員)
動画で見せるということはできないのか。例えば、完成イメージ動画とか、完成後の動画を見せた方が分かりやすいのではないか。
[京都府]
現道が狭くて走りにくい、ということを写真1枚でしか示しておらず、確かに、動画を使って運転者目線から自動車同士の離合のしにくさや、完成後の現状などのお示しすれば、もっとわかりやすく伝えることができるかと思います。ぜひ、検討させていただきたいと思います。
(委員)
維持管理していくことを考えると、ドローンなどを飛ばして、初期状態のデータを保存しておくことは非常に重要である。
[京都府]
事業計画の説明をする際にも、ドローン映像などを用いたりしていますので、ドローン映像などの活用も前向きに考えたいと思います。
(委員長)
いただいたそれぞれの意見は、若干ニュアンスが違うかと思います。わかりやすく伝える、という意味と、管理状況が分かるように映像データを残しておくべき、という意見かと思います。ご検討いただければと思います。
今回、事後評価については、わかりやすくなっていると思います。伝えるべきポイントに対してデータでしっかり示されているかと思います。残念なのは、孤立集落解消については、図で説明いただきましたが、調書には掲載されていませんでしたので、調書にも図を掲載いただいた方が良かったかと思います。
それぞれの観点で、どういう風に良かったのかということを、ヒアリングやデータにより示していただけたので、今後もこうした形で作成いただきたいと思います。
最後のところで、ストック効果を十分に発揮しているとなっておりますが、十分に発揮しているということを示すにあたっては、例えば、観光バス会社へ整備後に働きかけたところ運行ルートを工夫してもらったとか、周遊している車のために駐車場を整備したとか、いろいろなことがあって発揮しているのだと思いますので、そういうことを示していただければ、より良かったかと思います。
(委員)
760mのトンネルに3年というのは、少し時間がかかりすぎかなと思う。事業費が増えているわけではないが、もともとの見積の条件や妥当性などについて調べておいて、今後の他の事業で時間がかからないように努めていただきたい。
[京都府]
トンネル工事にあたって、大きな変更はありませんでしたので、工事は順調に進んだと認識しております。
入札手続きなども含めて3年ですので、トンネル工事については2年程度でありました。事業期間の設定や見積方法について整理をしまして、今後の事業に活かしたいと思います。
(委員長)
事後評価は、効果が発揮していますということを言うのではなく、どうして良かったといえるのか、今後の別の事業にどう活かすのか、ということが大切です。今回の報告事業で得られたことは、今後の事業に反映して、活かしていただきたいと思います。


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