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地方分権改革

「地方分権改革」とは

 「地方分権改革」とは、「住民に身近な行政は、できる限り地方公共団体(都道府県や市町村など。総称して「地方」とも言います)が担い、その自主性を発揮するとともに、地域住民が地方行政に参画し、協働していくことを目指す改革」です。

 簡潔に言えば、「自分たちの地域のことは、自分たちで主体的に決められる仕組みにすること」で、次のような取組が挙げられます。

  •  国の事務・権限や財源の地方への移譲
  •  地方に対する国の関与の廃止・縮小

なぜ「地方分権改革」が必要なのか

 日本では、長い間、国が政策を決定し、地方がそれに従って仕事を行う「中央集権型」の行政システムにより、明治以降の近代化や戦後の経済復興、高度経済成長を成しとげてきました。

 しかし、近年、人口減少・少子高齢化の本格化や生産年齢人口の減少、自然災害の激甚化・頻発化、国際情勢のめまぐるしい変化など、私たちを取り巻く社会情勢が大きく変わり、また、住民の価値観や行政ニーズも多様化する中、個性豊かで活力のある地域社会を実現するためには、従来のように、全国画一的な基準で様々な課題に対応していくには限界があります。

 地域の課題を解決するためには、国が全国一律で考えた政策ではなく、地方公共団体が、地域の実情に応じて、きめ細かな政策を決定できる「地方分権(改革)」を推進し、国と地方が適切な役割分担の下、協力・連携して取り組むことが必要となっています。

これまでの経緯

第1次地方分権改革(平成5年~平成12年)

 これまでの中央集権的行政のあり方を問い直し、地方分権を一層促進するため、平成5年6月に「地方分権の推進に関する決議(外部リンク)」が衆参両議院で採択されました。

 その後、平成12年4月に施行された「地方分権一括法」により、機関委任事務制度(※1)の廃止、国の関与の抜本的見直し、新たなルールの創設、権限移譲、条例による事務処理特例制度(※2)の創設などが行われることとなり、国と地方の関係が「上下・主従」の関係から「対等・協力」の関係に変わり、地方分権の理念・基礎が形成されました。

※1 知事や市町村長を国の下部機関と構成して国の事務を執行させる仕組み 

※2 それぞれの地域の実情に応じ、都道府県の条例により、都道府県から市町村に権限を移譲することを可能とする制度

三位一体の改革(平成13年~平成17年)

 「地方にできることは地方に」という理念の下、国の関与を縮小し、地方の権限・責任を拡大して、地方分権を一層推進することを目指し、国庫補助負担金の見直し(約4.7兆円)、地方への税源移譲(約3兆円を所得税から個人住民税へ)、地方交付税の見直し(約5.1兆円削減)の3つの改革が一体として行われました。

第2次地方分権改革(平成18年~現在)

 地方公共団体が行う施策についての国による関与・義務付けの廃止、国から地方自治体への権限移譲、税財源の移譲などがまだ十分進んでいないことから、全国知事会など地方六団体がさらなる分権改革に向けての意見書を政府に提出するなどした結果、平成18年12月に「地方分権改革推進法」が成立しました。

 この「地方分権改革推進法」に基づき、平成19年4月に「地方分権改革推進委員会」が発足し、4次にわたる勧告が行われ、勧告等に基づき、第1次~第4次の「地方分権一括法」が成立し、個別の法令により定められている「地方公共団体への事務・権限の移譲(国→都道府県、都道府県→市町村など)」や「地方に対する規制(義務付け・枠付け)の緩和」が行われました。

 また、平成23年4月には「国と地方の協議の場に関する法律」が成立し、地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画及び立案並びに実施について協議を行う「国と地方の協議の場(外部リンク)」が毎年数回開催されています。

 さらに、平成26年からは「地方分権改革に関する提案募集(提案募集方式)」(外部リンク)が導入され、毎年、住民により近い地方公共団体の発意に基づく提案により、様々な課題の解決が進められています。

【参考①】「提案募集方式」における京都府からの主な提案(→国の対応)
  • バリアフリー法における建築物特定施設を条例で追加可能とする見直し<令和3年提案>

→ 建築物特定施設(「出入口」「廊下」等。法で限定列挙)に「劇場の客席等」を追加するとともに、現行の枠組みでも柔軟に基準設定が可能であることを明確化

※ 京都府では「京都府福祉のまちづくり条例」において、誰もが観劇等を楽しめるよう「客席」の基準を独自に規定。今回対応により、法と条例による基準適合の確認手続きの一本化が可能に

  • 海区漁業調整委員会の公選委員に欠員が生じた際における、補欠選挙実施基準の緩和<平成30年提案>  

→ 公選制そのものが廃止され、知事が議会の同意を得て任命することに

  • 医療用麻薬に係る薬局間の譲受・譲渡許可権限の都道府県知事への移譲<平成26年提案>

→ 事務・権限について、国から都道府県に移譲

【参考②】京都府分権型行政推進本部

 平成19年10月に知事を本部長とする「京都府分権型行政推進本部」を設置し、国と地方を通じた真の地方分権改革を推進するとともに、分権時代にふさわしい府庁のあり方等について検討しました。(平成25年6月までの取組)

【参考③】関西広域連合

 関西広域連合(京都府を含む8府県4政令市で構成する府県域を超える唯一の「広域連合」)は、設立の趣旨である「分権型社会の実現」に向け、「文化庁の京都への全面的移転」などの政府機関の地方移転を全国で唯一実現したものの、国の出先機関の移管をはじめ国の事務・権限の移譲については、大きな成果は得られていません。

 広域行政の成果を積み重ね、国の事務権限の受け皿たる能力を示し、省庁等が有する権能の移管や関西広域連合に相応しい大括りの国の事務・権限の移譲につなげ、地域が自ら政策を決定し実行できる分権型社会の一日も早い実現を目指しています。

全国知事会の取組

 全国知事会では「地方分権推進特別委員会」(外部リンク)(委員:全都道府県知事)において、毎年「地方分権改革の推進について」の提言をとりまとめの上、国に要請活動を実施しています。

 令和3年の提言(外部リンク)からは、「地方分権改革の推進に向けた研究会」(構成員:有識者及び関係知事)の報告書(令和2年10月)に基づき、地方の負担となっている「計画策定に関する規定の見直し」について、実態調査なども踏まえ、国に提言しています。

 また、新型コロナウイルス感染症や相次ぐ災害への対応、持続可能な社会保障制度の構築や少子化をはじめとする諸課題の解決に向け、国と地方は役割分担の下で協力・連携して取り組むことが必要という認識に立ち、「国と地方の協議の場」(議長:内閣官房長官、副議長:全国知事会長)など様々な機会を通じて、国と積極的に協議・意見交換を実施しています。 

関連リンク集(内閣府HP)

 

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