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被覆栽培(覆い下栽培)

1 被覆栽培(覆い下栽培)とは

 被覆栽培(覆い下栽培)とは、新芽の生育中、茶園を遮光資材で被覆し、一定期間光を遮って育てる方法のことをいいます。光を遮ることで、露天で栽培される煎茶にはない、鮮緑色と独特の芳香やまろやかな旨味や甘味のある茶になります。
 この被覆栽培(覆い下栽培)で作られる、かぶせ茶、玉露、てん茶(まっ茶原料)のことを、被覆茶(覆い下茶)といいます。

 

露天の新芽 被覆内(覆い下)の新芽

 露天の新芽

 被覆内(覆い下)の新芽

 

 

2 被覆栽培(覆い下栽培)の始まり

 被覆栽培(覆い下栽培)は、400年以上前から始まりました。
 本来、被覆の目的は、春先に萌芽した新芽を晩霜による被害から守るために行われていました。しかし、霜よけ被覆の有無によって茶の品質が明らかに異なること、良質とされる茶は、林に囲まれ、霧の発生しやすい比較的日照の少ない茶園で栽培されていたことなどから、いつしか被覆栽培(覆い下栽培)は、高品質な茶を作り出すための技術となりました。

3 被覆方法

 被覆方法には、棚がけ被覆と直がけ被覆があります。

(1)棚がけ被覆

 棚がけ被覆は、茶園に棚を建て、その棚に資材を被覆して遮光する方法で、品質の高い被覆茶を作り出します。
 被覆資材として、黒カンレイシャを用いる方法が一般的ですが、一部の茶園でよしずとわらを用いる「本ず被覆」と呼ばれる方法が行われています。この方法は、400年以上続く伝統手法で、最高品質の玉露やてん茶(玉露)を作り出します。

 

黒色化繊二段被覆

一般的な被覆方法(黒カンレイシャ)

 

 

本ず被覆

伝統的な被覆方法(よしずとわらの本ず被覆)

 

 

(2)直がけ被覆

 直がけ被覆は、資材を茶株面に直接被覆して遮光する方法です。黒カンレイシャや表が銀色の資材を用いるのが一般的です。

 

直がけ被覆

直がけ被覆集団茶園

 

お問い合わせ

農林水産部京都府農林水産技術センター 茶業研究所

宇治市白川中ノ薗1

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