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天橋立周辺景観まちづくり検討会・天橋立公園の松並木と利用を考える会 第1回合同検討会 議事要旨

日時:平成17年9月22日(木曜)13時30分~16時

場所:宮津市歴史の館 文化ホール

1.開会

天橋立景観まちづくり検討会:前田委員を座長に選出(合同検討会座長兼務)

天橋立の松並木の利用を考える会:真板委員を座長に選出

2.主旨説明

京都府都市計画課

  • 取り組みの背景について

3.検討調査等に係わる報告

景観法の制定背景・概要等:京都府都市計画課

地域の現況地形等:地域計画建築研究所

天橋立公園の現況:京都府公園緑地課

松並木の状況:京都府樹木医会 伊藤委員

住民主体の取組状況:天橋立を守る会 森委員、天橋立名松リバース 幾世委員

4.調査等の企画

京都府公園緑地課

  • 住民、来訪者アンケートの実施について
  • ワークショップの実施について

5.意見交換

座長: 今日は第1回目なので各委員に所信を2分~3分で話していただきたい。まず「天橋立公園の松並木と利用を考える会」の皆さんからお願いする。

委員: 京都嵯峨芸術大学観光デザイン学科でエコツーリズムを教えている。東京生まれの東京育ちで宮津のことはあまり詳しくないが、縁あって天橋立に関われることを嬉しく思っている。

松林はサクセッションを途中で強制的に人間が止めている状態なので、人の関わりが消えると森林に変わっていく。そういう森林化で困っている地区が全国各地で出てきた。それは景観と人間の関わり方が現代社会において大きく変わってきたからだ。その典型的な例が阿蘇の草千里である。草原景観が阿蘇九重国立公園の指定要件であるが、毎年数%ずつ草原がなくなって森林化している。その原因の一つは、和牛の需要が落ちて放牧するウシの数が減ったこと。ウシが食べる草の量が減ると樹木が大きく育ち、やがて森林に変わる。そのため毎年かなりのボランティアを全国から募集して野焼きをやりながら草原を管理している状況である。

天橋立の松林も、自然に人が関わる仕組みが前提にあって現在がある。地域の人々の生活を含めた社会的仕組みとしてどのように松林が維持管理されてきたのか。今後、行政と民間の方々がどういう役割を担って、古来の仕組みを現在の仕組みへとつくり替えていくのかということについて話し合いたい。

砂州が維持されているのは、森林部が土砂供給のエリアとしてストックされてきたことも大きい。広域の目で見て天橋立のリソースがどのように維持管理されたのか、国の一つの役割として地域行政を超えて提言すべき話として考えていきたい。

委員: 松があっての天橋立である。松がなければ単なる砂地にすぎない。その松にとって好ましくない土壌の肥沃化が進んでいる。池田先生が生態的な詳しい調査をやっておられるのでその結果を尊重して、ダイエット方法について検討していきたい。

委員: 学説も科学的データもないが、この地域に生まれて毎日天橋立を見てきて土地カンはある。酸性雨に加えて、築80年の公園事務所など構造物を含めて酸性化している。それをアルカリの正常な状態に戻したい。天橋立があってこそ1市3町の経済サイクルがまわっている。「地域の環境は住民の手で守る」をモットーに、ゴミのない、肥沃化につながる葛が蔓延しない、松が元気になるキノコが生えている、草のない美しい天橋立にしていきたい。

委員: 昨年の23号台風により200本近い松が一度に倒れたとき、われわれは松に対してどれだけ関心があったのかを思い起こさせた。京都府に全部任せてわれわれは掃除に専念するのではなく、われわれも松の生態を知らなければいけないというところから天橋立名松リバース実行委員会がスタートした。

景観は人がつくると同時に自然がつくるものである。歴史的に蓄積したもの、文化的なものにこだわって、例えば文殊地区であれば智恩寺にこだわったまちづくり、景観づくりが大事である。人が風景を守ると同時に、風景が人を育てる。その関係を忘れたときに景観問題が希薄になる。その意味で原点を見つめながら考えていかなければいけない。

委員: ビューランドの上の山林を、天橋立がよく見えるように、下からのぞいても美しく青くしたいと考えている。天橋立の整備については、橋立神社の清掃をしていきたいし、磯清水もしっかりしていかなければならないと思う。

委員: ホームページ「丹後情報蔵」を開設して、丹後の歴史や自然環境などの情報を載せている。昨年の23号台風では砂の弱さと強さを感じた。宮津湾側には簡単に波にさらわれた砂地もあるが、逆に小天橋の砂浜は完全に波が越したのに砂が波の力を吸収して地形はほとんど変わっていない。地質や地層に興味があって、阿蘇海を含めた宮津湾の海底地形について調べている。歴史や文化関係の視点から天橋立を見せると観光の幅が広がるだろう。

委員: 京都市内の小学生低学年を対象に、天橋立ユースホステルに泊まって夏の海辺で遊ぶ「あまのはしだて海辺の探検隊」のディレクターをしている。詳しい知識がないのでこれから勉強しながら日頃感じていることを発表していきたい。

委員: 行政の立場から、いろいろなご意見を聞かせていただいて参考としたい。松枯れ対策を天橋立のみならず周辺の山林等も含めて進めてきた。年間260万人の観光客が訪れるこの地域の観光の核である天橋立の景観については、まちづくりを含めて行政として何ができるのかを考えていきたい。

委員: 丹後郷土資料館では展示、あるいは地域文化の調査などをしている。この検討会は最終的に、人の心を打つ景観とはどういうものかを探していく会ではないかと思う。自然・文化遺産のほか、心象風景も大事な要素になる。それはそれぞれの心の中にあって多様だが、そういうものを創造させる仕組みや仕掛けが多いほど広がりが出るので、伝承とか地域の風景がどう伝えてきたかについて情報提供ができればと思う。

座長: 続いて「天橋立周辺景観まちづくり検討会」の皆さんにお願いする。

委員: 観光協会の府中地区では、府中小学校の児童が天橋立の倒れた松を使って灯籠をつくることで、どれほど大事な松だったのかが理解できたと思う。子どもたちが将来住みやすく、地元に残れるようなまちづくりができればと思う。

委員: 観光協会で文珠地区のまちづくりを担当している。ここ数年、歩道の拡張問題に関わっているが、商業施設と住居が混在しているため難しい。この会で勉強したことをまちづくりに生かしていきたい。

委員: 台風で天橋立の松が痛んでいる。松の生育に適した土の酸性・アルカリ性について教えてほしい。刈り取った雑草を放置しておくと肥沃度が高まるので、外に出したほうがいいか。いろいろ勉強させていただきたい。

座長: 今日は時間の余裕がないので、次回の検討会で議論したい。

委員: 文珠地区と府中地区と合同で天橋立の清掃をしている。集めたゴミに湿った海藻が含まれているため焼却できず、ゴミの捨て場に困っている。ゴミ処理問題についてこの会で議論できればと思う。阿蘇海周辺の自転車道の整備が文珠地区だけ遅れている。3.5メートルにとらわれず良い方法があれば助言を賜りたい。丹後観光の玄関口であるKTR天橋立駅前に空き家が目立つ。どうすれば空き店舗が見映え良くなるのか考えていきたい。源氏と平家の物語の「涙が磯」が小天橋水道に隣接してあるが、立て看板だけで汚れているので整備できればと思う。

委員: 宮津商工会議所では創立50周年の節目に産業ビジョンづくりに取り組んでいる。人口減少、高齢化、資金がない状況では、工場立地も難しく、現在の商工業では力不足のため、観光中心にした産業ビジョンを考えている。検討会で出た意見をビジョンづくりに生かしていきたい。

委員: 砂州が瘠せる、土壌の酸性化は、天橋立の府中側を隧道にして切って、阿蘇海の還流をよくすれば砂の流れも潮の流れも魚の流れも変わってすべて解決するのではないか。これが大きなうねりになるように検討会で答えを出していきたい。天橋立駅前の活性化を真剣に考えないと、とても楽しく観光する雰囲気ではない。温泉ができたが駐車場がない。そのへんも議論できればと思う。

委員: 名松リバース実行委員会では、炭をどうするか苦慮している。天橋立に炭を戻す場合も管理者の京都府の許可が必要で、ボランティアとしての限界を感じている。天橋立公園の利用についても考えていきたい。リバースの「松の香りをまちなみに」というところで、まちづくりに協力できればと思う。商店街の統一看板、倒木松でつくった灯籠コンテストなど順次やっていきたい。

委員: 3年間小天橋をくまなく歩いて、珍しい植物が生育しているのに気がついた。松だけではなく、これも橋立の宝として提案したい。3年ほど前にデンマーク、スウェーデンに行って、まちに電線、電柱、看板、旗がなくて、きれいなことに驚いた。日本にようやく景観法ができて、これは大きなチャンスだと思う。天橋立に白羽の矢が立って、こういう委員会がもたれたことを歓迎している。

座長: 天下に名高い天橋立周辺の景観問題に取り組めるのは身が引き締まる。天橋立は国家的な財産だと思う。景観まちづくり検討会とは別に、天橋立公園の松並木と利用を考える会がつくられてよかった。各委員の意見を聞いて、いかに皆さんが天橋立を愛しているか痛感した。

景観という言葉は、明治時代に入ってきたドイツ語のランドシャフトの訳語として生まれた。これは科学用語で、むしろ日本人は文学的な表現である「風景」のほうを使ってきた。心を打つ風景は、人々が故郷を愛するもととなる。ここでは景観まちづくりと観光まちづくりをクロスして考えなくてはならない。地区によって温度差がある。地区の特性に合わせて議論する必要がある。

私は景観・観光の問題が専門で、埼玉県川越、北海道小樽、三重県伊勢などの成功例に関わった。その方面の経験が若干あるので、この問題に皆さんとともに取り組んでいきたい。

6.その他

事務局: 次回委員会は平成17年11月上旬に予定している。詳しい日程は事務局で調整したうえ追って連絡する。平成17年10月7日に京都文化博物館で、京都府まちづくりワークショップ「今後の景観まちづくりを考える」を開催する。募集期間はすぎているが、意見発表者と景観資源の情報を募集している。もう一つ、この二つの委員会の検討の一環としてワークショップを平成17年10月22日に開催する。ここでは天橋立周辺の景観を点検してマップにまとめる。知り合いに声かけをお願いしたい。

事務局: 平成17年10月7日と平成17年10月22日のワークショップのコーディネーターとして、これからの景観を考えるうえでお役に立てればと思っている。皆さんの熱い思いを 2回のワークショップの中で一つにまとめることはできない。皆さん自身の天橋立物語を語っていただくことでいろいろな人に情報を伝達できるのではないかと考えて、ワークショップはまずそこを目的にしたい。それから具体的な景観の問題、松並木の問題へと発展させ、生業が元気で、住んでいる人が気持良くて、この素晴らしい天橋立を毎日見られるまちづくりを考えていただければと思う。できるだけ大勢の方に参加いただいて楽しくやりたいのでご協力をお願いする。

7.閉会

事務局: 本日は二つの委員会を合同で開くことにより、それぞれの理解を一つにできればと考えて各委員から意見をいただいたが、時間に余裕がなく申し訳なかった。共通の認識に立ったうえで、2回のワークショップや次回の検討会で委員の皆様の熱い思いを語っていただく中で素晴らしいアイデアが出るのではないかと期待している。今後ともよろしくお願いしたい。

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